「兵は拙速を貴ぶ」解説ページ
今週は以前に書いた記事「百戦殆(あや)うからず(partⅡ)」詳しくはこちらにて、書ききれなかったこと、言い尽くせなかったこと、すなわち未完了感を完了させる記事を書きます。
さては?奴(筆者)はネタ切れ!?ご懸念なく!ネタはいつでも、そこらに転がっていますから。
ただ表現力が稚拙であること、自分勝手の記事になることをご容赦いただければ書き続けることは可能です。
さて、どのような内容になりますかは週末までお待ちください。
また、孫子の「作戦篇」についての概要は既に「百戦殆うからず(partⅡ)」の記事中でお伝えしましたので、この解説ページでは有名なことばを『孫子』(村山 孚・北川 衞・村田 宏男 共訳)「経営思潮研究会」より引用してお伝えします。
●「作戦篇」の有名なことば
・「勝つも久しければすなわち兵を鈍らし鋭を挫(くじ)く」―――たとえ戦争に勝ったとしても、長期にわたれば、武器は消耗し、士気は衰えてくる。・「兵は拙速を聞く。未だ功の久しきを覩(み)ず」―――戦争は丹念にダラダラやっているより、多少不完全でも素早く実行したほうがよいのである。第一、長期の戦争をしたおかげで国家に利益があったなどという例は未だかつてない。
・「敵に勝ちて強を益す」―――敵に勝ってますます強くなるということである。
・兵は勝ちを貴び、久しきを貴ばず―――戦争は勝つということに価値があるのであって、長くつづくから優れているというものではない。
以上を要約すると「戦争はたとえ勝ったとしても長期にわたれば国力は低下する。その隙に他国に攻められると名将といえども防ぎようがなくなるので短期決戦を行え。また戦さに勝ち、敵の食糧を奪い、敵兵を味方にして、奪った武器を転用することにより益々強くなる。したがって戦争は勝つということが重要であって、長期戦に価値はない。
ということです。
「孫子」は先ず、「始計篇」(戦争を始めるに当っての計)で綿密な事前の計算が必要であること。その有無が勝敗の分かれ目になることを説き、万全の準備をして最小の犠牲、投資で最大の効果、利益を上げる方法を説くのです。
考えるにこれは「説得」の術、すなわちコンサルタントの得意とする分野であり、コーチの目指す道、問題を解決するための質問をして、それにクライアントが応える。そのプロセス中にクライアント自らが気付き、「納得」して動く、動けるようになるプロセスとは少し考えを異にするのですが、既に2500年も前からこのような優秀なコンサルタントは存在していたのですね。
それに比べると「コーチ」ということばがマネジメントの分野で使われ始めたのが1950年代ですからコーチングの歴史がいかに新しいかがお分かりいただけると思います。
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