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2007年6月28日 (木)

達」解説ページ

50kurikoma10706251画像は秋田の友人からのプレゼントです。

「元気ですか。
夫婦仲良く遊んでいますか。
先日、栗駒周辺を散策して来ました。」というメッセージを添えて送っていただきました。

さて、年の差からは一昔ほども違う30代と40代の女性、
その、お2人から「人間力」ということばを続け様にお聞きした。

同種のご職業の方なので何かの機会に強いインパクトを受けられたのかな?
それとも、当世の流行かな?と思った。

「人間学」という言葉は伊藤 肇氏(書籍はこちら、略歴はWikipediaのページをご覧ください。)が好んで使った言葉であり、氏は、日産の創業者である鮎川義介氏(詳しくはこちらから「人間学を語るなら、“十八史略”アマゾンへを読め」と教えられたらしい。

そんな30年位前の記憶が蘇ったのですが、「人間力」とは、正直、理解に苦しみました。

そこで、検索エンジンで調べてみると、
「人間としての総合的な魅力のことらしい。」とあった。

なるほど、それなら「六然」ですか!?と、
崔後渠(さいこうきょ)の言葉を添えて問合せをしたのですが、返事がない。

ならば、「達」か!?

すなわち、論語「顔淵篇」の中にある子張と孔子の問答、「達」かな?と思った。

それで、例によってその問答を、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 朝日文庫から引用してお伝えすると、

子張(しちょう)問う。士(し)、何如(いか)なれば斯(すなわ)ち之(こ)れを達(たつ)と謂(い)うべきか。
(し)(い)わく、何(な)んぞ哉(や)、爾(なんじ)の所謂(いわゆる)達なる者は。
子張対(こた)えて曰わく、、邦(くに)に在(あ)りても必ず聞こえ、家に在りても必ず聞こゆ。
子曰わく、是(こ)れ聞也(ぶんなり)。達に非(あら)ざる也。
(そ)れ達なる者は、質直(しつちょく)にして義を好み、言(げん)を察して色を観(み)、慮(おも)んぱかって以(も)って人に下(くだ)る。邦に在りても必ず達し、家に在りても必ず達す。
夫れ聞なる者は、色に仁を取りて、行いは違(たが)い、之れに居(い)て疑わず。邦に在りても必ず聞こえ、家に在りても必ず聞こゆ。

子張はたずねた。士、すなわちわれわれ知識人は、どういうふうにすれば、達、自由な社会人と批評されましょうか。
孔子はまず反問した。君が達というのはどういうことか。
子張はこたえた。一国においても必ず、有名であり、1つの家中でも必ず有名であることです。
孔子、それは有名さであって、君の希求する「達」、自由なよき社会人であることではない。
君の希求する「達」とは、素朴で正義を好む。人と接する場合には、相手の言葉をよく噛みしめて、相手の感情をよく観察する。また常に熟慮的であって人にへりくだる。そうすれば、一国にあってもきっと自由であり、家中においてもきっと自由であるであろう。
「聞」、有名人というのは、それとちがう。表面では人道主義をえらびながら、実践はちがっている。しかも平然とその上にあぐらをかいて、何の疑問ももたない。そうすれば一国にあってもきっと有名だろうし、一家中でもきっと有名だろう。

人間力のある人とは、このような人、すなわち、「質実剛健で正義を好み、観察力・洞察力に優れ、思考的で、思いやりがあって、信頼できる人」、達人(広く道理に通じた人)かな?と思ったのですが如何でしょうか?

<「達」解説ページ 附録>
この章の解説として文中の訳のほかに次の解説もありました。
それで、例によって「角川新字源」との比較をしてみました。

●「“邦”とは、諸侯のくにであり、“家”とは家老を中心とした集団である。」
 
・【邦】なりたち:形声。邑と、音符丰ホウ(境の木を植える意→封ホウ)とからなり、境界を設けた領域、「くに」の意を表わす。
意味:天子からたまわった諸侯の領土。(ほぼ、解説の意味と同じにつき、スッキリ。したがって、その他の意味は割愛)

・【家】なりたち:形声。もと、宀と、音符ヰ(豭の原字。豕は誤り伝わった形。ここでは、いる意→居キョ)とから成り、人のいる「いえ」の意を表わす。
意味:卿大夫(けいたいふ)。またその領地。(その他の意味は、ここでは的をえないので割愛します)。

【家臣】かしん:卿大夫に仕える家来。公臣に対して一家に仕える臣。
蛇足ながら、この家臣の意味を以って、「家」についての解説はご理解いただけるのでは!?

●「達、聞、という2つの概念が話題であるが、2つの概念はどう訳すべきか。しばらく、“達”は社会人としてもつ自由さ、“聞”は有名人であること、としよう」という解説については以下でご理解いただけるでしょうか?

・【達】なりたち:形声。辵と、音符羍タツ(幸は変わった形。とおる意→徹テツ)とから成り、とおりぬける、ひいて「とどく」意を表わす。
意味:通る。道が通じる。「四通八達」。ゆきわたる。さとる。理に通じている。とどく。たっするほか多数。
 
・【聞】なりたち:形声。耳と、音符門ボンブン(わける意→分ブン)とから成り、ききわける意を表わす。
意味:きく。きいて知る。きかせる。告げ知らせる。うわさ。「風聞」。きいて得た知識。「見聞」。きこえる他。

以上では、達とは「社会人としてもつ自由さ」、聞とは「有名人」であるという訳について、一知半解の域を出ないのでは!?

●「“何哉”と、疑問詞がはじめに来ているのは、強い語気であるが、古代中国語として珍しい例ではない。
このような注釈も付されていました。

* お詫び
その1.附録内の「ヰ」には「ノ」が、また「幸」には「―」がそれぞれ足りません(手書き文字では解決できませんでした)

その2.「ウィキペディア」はリンク・フリーではなさそう?でした。
それで、伊藤 肇氏の経歴が同サイトにリンクできません。
また、「揆 解説ページ」詳しくはこちら中の故愛知揆一元外相のリンク先を変更しました。

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コメント

「達」「揆」チョット専門的で理解ができません。
自分に満足、専門的に満足、読者の満足?
私的には読者の満足(理解)の肩の凝らない文章を望んでいます。

繁ちゃん、コメントというか、忌憚のないフィードバックをありがとう!

「自分に満足、専門的に満足、読者の満足」。
この「三足」は素晴らしい!というか見事!!

ご指摘のとおり、「揆」は自己満足に陥っていますよね。

そして、「達」は問題提起というか、未完了感を持つ⇒思考力を働かせる⇒完了感を味わう。
そんな手法に挑戦してみよう!と試みました。

それにしても、チョット繁雑でしたね。
反省!!
乞う、ご期待!

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