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2007年6月14日 (木)

「器」解説ページ

5007052603_1画像は、秋田の友達からのプレゼントです。
「エノモトチドリ」が、珍しい形の植木鉢という「器」の中に納まっていますよね。

先週の「切磋琢磨」解説ページの<附録>では、細工人が「器」を作る場合、その対象に合わせて、
「切ってから磋(みが)いたり、琢(う)った上で磨(と)ぐ」
というプロセスを経て精緻に仕上げていくように、君子も学問を身につけ、道徳の修練を重ねて、「盛徳至善」に到達するということについて、朝日文庫の中国古典選6 『大学・中庸』の伝第三章から引用してお伝えしました。

今週は、その「器(うつわ)」をテーマにお話申し上げよう!と考えました。
それで、朝日文庫の『論語下』 巻末にある「事項索引」を見てみると、「器」に関するものは論語の中に5章あることがわかりました。

今日は、その中でも一番短いものを例によって、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫 為政第二から引用してお伝えします。

子曰、君子不器。
(し)(い)わく、君子(くんし)は器(うつわ)ならず。

紳士は技術的でない、それがこの条の訳として充分であろう。すべて器物というものは、

ある用途のために作られ、その用途のためのみに有効である。梁(りょう)の皇侃(おうがん)の「義疏(ぎそ)」にいう、船は海に浮かべるが山に登れない、車は陸を行けるが、海を渡れない。紳士はそうであってはならない。

君子は器ならず。
その意味は、「紳士は技術的でない」。
それがこの条の訳として充分でしたか?

船と、車の比喩は分かりやすかったのですが、「紳士は技術的でない」という意味については一知半解の域を出ませんでした。

そこで、『論語現代に生きる中国の知恵』 貝塚茂樹(著) 講談社現代新書を見てみました。

それによると、

「りっぱな人というものは、決して単なる専門屋であってはいけない」とという訳のあとに、

「君子は器ならず」とは、学者は器用貧乏にならないようにしろと直訳してもよいでしょう。

学者は専門家・技術屋であってはいけないということではなく、単なる専門家・技術屋にとどまってはいけない。
専門家であるといっしょに、広い教養、人文社会、自然科学のいずれにも、一般的な素養をもたねばならない、なによりも人間でなければならぬと説いているのしょう。

このように解説をされていたので、これはご自身に自戒を込めたお言葉であろう?と考えたのですが如何でしょうか?

<「器」解説ページ 附録>

●君子とは、「紳士」とか「りっぱな人」、「学に志す人」、「教養人」などなど、少し混乱しますよね。
そこで、安岡正篤翁の説を、『論語の活学』 安岡正篤―人間学講話 プレジデント社から紹介します。

君子には大きく分けて2つの意味がある。

・1つは、民衆に対して指導的立場にある人。
・今1つは、その立場にふさわしい人格・教養を持った人。

普通にはこの2つを含めて君子というておる。

納得!ですよね。

●『朝の論語』 安岡正篤(述) 明徳出版社には、「君子は器ならず」といことについて以下のような解説がありました。

<前略>
器ならずということは、一定の型にはまった人間でなく、自主自由な、自ら主体性・自立性・創造性を持っている、自己自身の中に律法を持つ真の自由な創造活動、これを道という――と申しますとむづかしいですが、平たく申しますと、自分で変幻自在にやってゆくのが道で、そこに作り出されるものが器であります。

<中略>
器、もとより大事なものでありますが、元来自主自由の創造者でなければならぬ人間、特にその生粋(きっすい)な者である君子はその意味において器ではない。道の人である。よく道を体得して、始めて能く器たることもできるわけであります。

●文中の字句の注釈です。

・【梁(りょう)】国名。戦国時代、魏(ぎ)の恵王が都を大梁(河南省開封(かいほう)県)に移してからの称。

・【皇侃(おうがん)】6世紀前半、梁の武帝の時代の人。儒者であるとともに仏教信者でもあった。

・【義疏(ぎそ)】正しくは「論語義疏」。古注、すなわち魏(ぎ)の何晏(かあん)の「論語集解(ろんごしっかい)(三国時代、つまり3世紀中ごろにできた論語の注釈書)の再注釈書。

何晏以後、皇侃(の時代にいたるまでの学者の説や皇侃自身の説も引用されており、甚だ面白い説に富むが、引用された説、彼自身の説、いずれも老荘による歪曲や、その他の原因のために面白すぎる場合がある。

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