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2007年8月23日 (木)

「干祿」解説ページ

5007080801画像は湯沢の絵灯籠祭りの1コマで、秋田の友人からのプレゼントです。

さて、「干祿」とは?

角川新字源」で検索すると、
【干祿】かんろく①祿を求める。仕官をのぞむ。〔論・為政〕「子張学干祿」
②天のあたえる福を求める。天佑(てんゆう)を求める。〔詩・旱麓〕「愷悌君子、干祿不回」

という2つの意味があることがわかりました。

そして、なんで「干祿」という記事かというと、「速成」記事で、現代を生きる知恵?成功するためのプロセスとその要点について触れたので、次は祿(ろく)を干(もと)める、つまり就職するために必要なことについて論語に原理を学んで見よう!と考えました。

それでは早速、干祿(かんろく)という熟語のあるその章の訓読を、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の為政篇(いせいへん)から全文引用し、その訳を少々割愛してお伝えします。

子張(しちょう)、禄(ろく)を干(もと)めんことを学ぶ。子曰わく、多く聞きて疑わしきを闕(か)き、慎(つつし)みて其(そ)の余りを言えば、則(すなわ)ち尤(とが)め寡(すくな)し。多く見て殆(あや)うきを闕(か)き、慎(つつし)みて其(そ)の余りを行えば、則(すなわ)ち悔い寡(すくな)し。言(げん)に尤(とが)め寡(すくな)く、行(おこな)いに悔(く)い寡(すく)なければ、禄(ろく)(そ)の中(うち)に在(あ)り。

弟子の子張(しちょう)が、禄を干(もと)むることを学ぶ、つまり就職のための学問をしたいと、希望したのに対し、孔子の答えは、

多くのことを聞け。そして納得のゆかない事柄、すなわち疑わしい事柄は省略して、その残りの事柄、つまり疑わしくないもの、自信をもち得るもののみを、慎重に自分の言葉とすれば、あやまちを少なくすることができるであろう。

また目を経由する摂取についても、同様に、せいぜい多くの事を見、読んで、あやふやなものは除き、あやふやでないものだけを慎重に実行すれば、悔恨が少ない。

言葉にあやまちが少なく、行動に悔恨が少なければ、俸給は自然にその中から生まれる。俸給を得るための特別の勉強というものはない。

吉川博士は上記のように訳したあと、次のように述べている

多く聞きて疑わしきを闕(か)く以下の教えは、実証的な学問をとうとんだ孔子の態度として、禄を干(もと)むること、すなわち就職に関係させなくとも、りっぱな倫理である。それが、なぜ禄を干めることと関係して説かれているかは、子張のその時の行動と関係しているからなのであろうか。
<中略>
衛霊公篇(えいれいこうへん)に、君子は道を謀(おも)んぱかって食を謀んばからず、耕すとも餒(う)えは、其の中に在り、学べば、禄は其の中に在り、君子は道を憂うれども、貧しきを憂えざるなりと、全く同じ言葉が見える。この禄とはやはり、経済的な幸福を意味するようである。経済的な幸福を問うたのに対し、わざと、ある意味ではそらとぼけて、純粋に倫理的な答えをしたと読む方が、やはり力強いであろう。
<後略>

孔子のこの主張は非の打ちどころがありませんよね。

それにもかかわらず、私はといえば、習ったもの、気に入ったものにはすぐ飛びつく。つまり、中途半端に見て、聞いて、行動するタイプ。
それゆえに、悔恨することもあるし、失敗を重ねながらも自分のものとすることができる場合もある。

つまり、石橋であるか唐橋であるか、丸木橋、吊橋であるか渡ってみて知るタイプである。
すなわち、やってみる、使ってみる、実行して試行錯誤しながら経験を積む、そして自分のものにする。
いわゆる、触覚系といわれるタイプである。

そんなタイプの気づきと体験は、また週末にお伝えします。

<「干祿」解説ページ 附録>

●『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫には次のような解説もありました。

・子張(しちょう)とは、孔子の弟子、姓は顓孫(せんそん)、名は師(し)、字(あざな)は子張であって、孔子より48歳若かったと、「史記」の「弟子列伝」に見える。

・禄を干(もと)むとは、官僚としての地位を得て、俸給を得ることであると、説かれている。

・干禄の2字は、「詩経(しきょう)」の「大雅(たいが)」の「旱麓(かんろく)」に干禄豈弟、また同じく「仮楽(からく)」に干禄百福と見え、詩におけるこの2字の意味は、もっと広義な幸福という意味に、禄を使っているようである。

子張も幸福の獲得という意味で、干禄の2字を取り上げたのに対する答えであって、見聞をひろくした上で、慎重な行動をすれば、人の非難をうけることが少なく、したがって幸福は自然にそのうちから生まれる、というふうに、読めないこともない。

●以下の熟語について「角川新字源」を検索してみました。

・【倫理】りんり:①すじみち。条理。道理。②人のふみ行なうべき道。③《哲》実践道徳のよりどころとなる原理。④倫理学の略。道徳の原理を研究する学問。

・【豈弟】がいてい:楽しみ和らぐ。〔詩・青蠅〕「豈弟君子」 同義語:愷悌がいてい・凱弟がいてい

・餒(う)えは飢(う)えに同じ。

・【青蠅】せいよう:あおばえ。君子の悪口を言う小人のたとえ。

※「干祿」というタイトルに対して、文中に「干禄」という熟語や、単に「禄」という字を使用した理由は、引用した『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫に従いました。
なお、蛇足ながら、同書の音読には「干祿」とあり「祿」という字が使用されていました。

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