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2007年11月15日 (木)

「匡に畏す」解説ページ

Photo_4画像は秋田の友人からのプレゼントで、角館の武家屋敷です。

さて、今日の証人喚問を見ていると、
「あなたは、“包み隠さずにお話します“と宣誓されたのですよ。あなたの記憶の中にある同席した大臣の名前を“○○さんであったと思う”と、どうして言わないのですか?包み隠さずにという宣誓とは異なるのでは?」という政治家の問いかけに、M氏の口から歴代の防衛庁長官2人の名前が挙がった。

これも、質問の威力ではあろうが、果たしてそれは、
気づきであったものか、
「畏(い)」してのことであったか?

そんな国会中継を見て、思い出したくもない体験のあれこれやら、諸々の人との信頼関係、強い絆などについて、自らの記憶にアクセスすることを決めた。

それらの詳細、「気づきと体験あれこれ」については、週末までお待ちいただきたく。

その前に、『論語中』 吉川幸次郎(著) 朝日文庫 中国古典選4 「先進第十一」の条から、孔子が恐ろしい目にあったときの話について、訓読を同書から引用しながら、また、その現代訳と解説は同書をもとに要約してお届けします。

(し)、匡(きょう)に畏(い)す。顔淵(がんえん)(おく)る。子(し)(い)わく、吾(わ)れ女(なんじ)を以(も)って死(し)せりと為(な)せり。曰(い)わく、子(し)(いま)す。回(かい)、何(なん)ぞ敢(あ)えて死(し)せん。

現代訳になおすと、

孔子が、匡(きょう)という地で恐ろしい目にあったとき、最愛の弟子顔淵(がんえん)は、一行から後(おく)れてやってきた。
孔子は、「おおー、生きていたか、よかった。わしはお前が死んだと思ったよ」と言った。
顔回(がんかい)は答えた。「先生が生きていらっしゃるのに、どうして私が死んだりいたしましょう!」

吉川博士はこの条の解説として次のように述べておられる。
・匡(きょう)とは地名。
・畏(い)とは、恐ろしい目にあうことである。
・「子畏於匡(しきょうにいす)」は、全く同じ表現が、上論の子罕(しかん)第九に見え、悪人陽虎(ようこ)と人ちがいをされた孔子が、匡(きょう)の暴徒に包囲されたときの事件である。

・この条には、次のような宗教的な感情が流れていると、判定する。

①「子存す」、という顔淵の最初の言葉は、無事な孔子の姿を確認してのちの言葉であろうとともに、いかなる危難の中にあっても、先生は生命をうしなわれることはないという確信の予想をいうごとく、響く。

②顔淵の確信は慎重な孔子は、いかなる危難の中でも、慎重に対処するであろうという予想、それがあったとともに、天の加護は、つねに先生の上にある、つまり、子罕篇(しかんへん)にあらわれる孔子の言葉、そうした孔子の自信が、先生の身の上についての顔淵の信念でもあったと、私には響く。

③「回何敢死(かいなんぞあえてしせん)」、この言葉には、孔子の補佐官としての責任が感ぜられるとともに、やはり宗教的なものが感じられる。孔子の自信と、その自信にこたえる天の恩寵、さらには天の恩寵を意識することによって増大した自信、それらがみな顔回の上にも、波及しているように、響く。

・「匡(きょう)に畏(い)す」の畏の字について、訓詁を補足すれば、「礼記」の「檀弓(だんぐう)」篇上に、「死して弔わざる者三つあり、畏(い)、圧(あつ)、溺(でき)」とある。

①「畏」とは、無実の罪によって攻撃され、弁解できずに死んだ場合のことであって、孔子が仮に匡で死んだとしたら、それが「畏」であるとする。

②「圧」とは、危険な山道を通行しての圧死。

③「溺」とは無謀な水泳による溺死である。

こんな解説も記されていたので、「角川新字源」を検索してみると、
「畏死」という熟語には遭遇できませんでしたが、
【畏】
・なりたち:もと、おにがむちを持ったさまにより、おどす、転じて「おそれる」意を表す。
・意味:③危難にあう。〔論・子罕〕「子畏於匡」

このように記載されていた。

それと、吉川博士の解説にある、「圧死」、「溺死」の「訓詁(くんこ)字句の意味の解釈」について、「角川新字源」には記載されていなかった。

また、安岡正篤翁は、その講演録、『論語の活学』 人間学講話 プレジデント社の中で、この条について、

・顔回の孔子に対する情愛の深さを物語る一説であります。
・情味の深い師弟の対話であります。孔子と顔回とは本当に一体となっておったということがよくわかる。

このように語っておられるのですが、ここであなたに質問です。

あなたは、この条や、これらの解説をお読みになってどのように感じましたか?
あなたは、誰と、どんな関係を築きたいとお考えになりましたか?

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