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2007年11月 8日 (木)

「循循然」解説ページ

Photo 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

次のような解説付きで送っていただきましたので、今週と来週に分けて循循然(じゅんじゅんぜん)と披露します。

「紅葉も終盤です。
①抱返り渓谷の紅葉です。暖かいせいか、色付きがいまいちです。
エメラルドグリーンの水面と紅葉のコントラストは格別です。
②滝は回顧の滝(みかえりのたき)です。
抱返り渓谷にあります。
③角館の武家屋敷。春は枝垂桜、秋は紅葉、冬は雪見と一年中観光客が絶えません。
④家の近くの公園のもみじです。」

さて、今週は顔淵、すなわち顔回が、師である孔子を讃えた章の紹介です。

『論語上』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「子罕(しかん)第九」から訓読を引用し、その訳と解説については、同書をもとに要約してお届けします。

顔淵(がんえん)、喟然(きぜん)として嘆(たん)じて曰(い)わく、之(こ)れを仰(あお)げば弥(いよい)よ高く、之れを鑽(き)れば弥(いよい)よ堅(かた)し。之れを瞻(み)るに前に在り、忽焉(こつえん)として後ろに在り。夫子(ふうし)は.循循然(じゅんじゅんぜん)として善(よ)く人を誘(いざな)う。我を博(ひろ)むるに文(ぶん)を以(も)ってし、我を約(やく)するに礼(れい)を以ってす。罷(や)まんと欲(ほっ)すれども能(あた)わず。既(すで)に吾(わ)が才(さい)を竭(つ)くすに、立(た)つる所(ところ)(あ)りて卓爾(たくじ)たるが如(ごと)し。之(こ)れに従わんと欲すと雖(いえど)も、由(よ)る末(な)きのみ。

現代訳に直すと次の通りです。

顔淵(がんえん)が、はあっとため息をついていうには、先生(孔子)は仰げば仰ぐほどいよいよ高く、到底及ばない。切り込めば切り込むほど、いよいよ堅くて歯が立たない。前に居られるかと思うと、たちまち後ろにおられる。先生は、順序よく、善(たくみ)に人を導かれる。文化ということを以って私の視野をひろめてくださり、また礼を以って私を統制させてくださる。途中で止めようと思っても止めることはできない。既に私は才能の有るだけを出し尽くしたつもりでいるのだが、先生はさらに高い所に立っておられる。ついて行こうと思っても、なかなかよるべき方法がない。

解説として、次のようなものがありました。

・「喟然(きぜん)」の喟は、古注に「嘆ずる声」と。
・「弥(び)」はいよいよ、ますますと訓ずる。
・「鑽(さん)」は、玉や石に穴をあけること。
・「瞻(せん)」は視なり。
・「忽焉(こつえん)」は、忽然、突然というのにひとしい。
・「焉(えん)」の字は喟然(きぜん)の然と同じく、それが形容詞副詞であることを示す。
循循然の然も、そうである。
・「循循(じゅんじゅん)」は、次序ある貌(かたち)
・「誘」は、進むる也と古注に見える。
・「文」とは、多様多面な諸種の文化的な事象であり、その中心となるものが「礼」である。
・「卓爾(たくじ)」の爾(じ)も、焉や然と同じく、その言葉が、形容詞もしくは副詞であることを示す。
・「卓爾(たくじ)」とは、高くそびえることであって、「説文」に「卓は高也」と見える。
・「末」は「無」の古語。
・「由」はよるべ、みち、よすが。

ふうー、随分と今週はキーワードが多い!

これらの全てを「角川新字源」と比較すればよいのであろうが、
次の5つの語句についての検索結果をお報せします。

・【喟然】(きぜん)では検索不能でしたが、「【喟喟】きき=【喟爾きじ・喟然きぜん】:嘆息するさま。」とあり、くしくも、「爾(じ)も、焉や然と同じく、その言葉が、形容詞もしくは副詞であることを示す」という吉川博士の解説と一致しました。

・【忽焉】こつえん:たちまち。突然。同義語として「忽爾こつじ」。

・【循循】じゅんじゅん:順序正しいさま。整然。同義語として、循循焉じゅんじゅんえん・循循如・循循然。

・【卓爾】(たくじ)では検索できませんでしたが、【卓然】=【卓爾】たくじ:高くぬきんでているさま。高くすぐれているさま。

・【鑽】サン:意味(形声。音符贊サン、うがつ意→穿セン)「物をうがつ道具」という意味と「うがつ。ほる。きる」という2つの意味がありました。

蛇足ながら、
【鑽仰】さんこうさんぎょう:学徳をあおぎしたう。〔論・子罕〕「仰之彌高、鑽之彌堅」
と、ありましたが「彌高」「彌堅」などという熟語は記載されていませんでした。

以上の通り、「角川新字源」からも吉川氏の解説どおりであることがわかりました。

では、循循然と誘われたか否か?
そんな私の「気づきと体験あれこれ」は、週末までお待ちください。

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