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2008年5月 2日 (金)

「多能鄙事」解説ページ

Zazenso  画像は秋田の朋友からのプレゼントです。

 で、無知な私は、「これ何?」
と、問い合わせたところ、
「ザゼンソウ(座禅をしている様)」とのこと。

 で、知らないことを知った私は、
ネットで、こちらのサイトを見て納得!
でした。

 んんっ、
知らないことの多いオイラは、ひょっとして、君子?

 今日は、そんな錯覚を起こしそうなお話。

 おおー、
無知は紳士かよ!

と、勘違いしそうなタイトルの熟語を、それぞれ「角川新字源」で検索してみると、

【多能】たのう:才能に富んでいること。

【鄙事】ひじ:いやしい事がら。つまらぬ仕事。〔論・子罕〕「吾少也賤、故多能鄙事」

とあった。

 で、このタイトルを訓読みすると、
「鄙事(ひじ)に多能なり」となる。

 また、これを直訳すると
「いやしい事柄、もしくはつまらぬ仕事の才能に優れている」
と、なるのであるが、果たしてそれで良いのであろうか?

 で、『論語』 吉川幸次郎(著)  中国古典選3 朝日文庫を開いてみた。
すると、それらの熟語は、「子罕(しかん)第九」の292ページにあった。

そこには、「大宰問於子貢曰」云々という漢文の後に、訓読とその意味、および解説が記載されていた。

 で、今日も、同書からの引用を主に、漢文は割愛して、読下し文とその現代訳、ならびに吉川博士の解説を、見易く、読み易い形に加工してお届けします。

 先ずは、訓読、すなわち読下し文です。

大宰(たいさい)、子貢(しこう)に問(と)うて曰(いわ)く、
夫子(ふうし)は聖者(せいじゃ)か。
(なん)ぞ其(そ)れ多能(たのう)なるや。
子貢(しこう)(いわ)く、
(もと)より天(てん)(これ)を縦(ほしいまま)にして将(まさ)に聖(せい)ならしめんとす。
(また)多能(たのう)(なり)
(し)、 之(これ)を聞(き)きて曰(いわ)く、
大宰(たいさい)は我(われ)を知(し)れる乎(か)
(われ)(わか)くして賤(いや)し。
(ゆえ)に鄙事(ひじ)に多能(たのう)なり。
君子(くんし)は多(おお)からんや。
(おお)からざる也(なり)

 続いてその現代訳です。

大宰(たいさい)(ひ)が、子貢(しこう)にたずねた。
「あなたの師である孔子は、全智全能の人なのでしょうね。」
「じつに様々な才能を持っておられる。」
子貢は答えた。
「はい、天はその意志として、先生の人格を伸ばせるだけ伸ばして、聖人の域に近づけようとしているのです。」
「その上に、また、先生は様々な才能を持っておられることあなたの仰るとおりです。」
後日、その事を聞いて孔子は言った。
「大宰は私のことをよく知っている」
「私は、若いころ貧乏であった。」
「それ故に、様々なつまらない才能を持っているんだよ。」
「紳士は、そんな煩瑣な才能を持っていてよいものであろうか?」
「いやいや、煩瑣な才能の持ち主であってはなかるべきである。」

 また、吉川博士は、この章に次のような解説を付け加えておられる。

・この条は、自信に満ちた人の謙遜の言葉である。

・大宰とは、官名であり、首相の地位である。

・子貢は、魯(ろ)のスポークスマンとして、魯(ろ)と呉(ご)の外交交渉の際に、大宰嚭(ひ)と会話を交わしている。そのときの会議の後の閑談で、孔子69歳、子貢は働き盛りの38歳であったろう。。

・「多能」を「聖」の内容と読むのは、新注の読み方であって、古注は「あなたの先生は本当に聖者なのかなー?それにしては、こまごました才能が多すぎる」と嫌味をまじえて言ったという。また、「多能なる者は必ず聖ならじ」という。しかし、ここは新注のように読むのがよいであろう。

・古注は、「将」を「大」と訓じ、「将聖」は「大聖」だとして、「天の縦(ゆる)せる将聖(しょうせい)なり」などと読むが、いまそれに従わない。

・自分が聖者であるかないかについては全く触れすに、多能ということだけを取り上げて、それを事実としては肯定しつつ、価値としては否定したところに、孔子の言葉の面白さがある。

・また、「君子は多からん哉(や)、多からざる也(なり)」という言い方に、孔子の言葉の、文章としての、絶妙の面白さがある。

 いかがでした?
君子は、「鄙事(ひじ)に多能(たのう)」であってはならない。
すなわち、紳士は、いろんな知識を持っていないものである!
と読めたでしょう。

 昔はそうでしたし、それが理想でしたが、
では、現代は?

 その答えはあなたがお持ちでしたね。

 では、あなたにお伺いします。

あなたが、事実としては肯定しつつも、価値としては否定したこと、
それはどんなことですか?

 私ですか~?
私の答えは、この週末、土曜日をご期待ください!

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