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2008年11月13日 (木)

「駟不及舌」解説ページ

 「あっ、しまった!
また、言ってはいけないことを言ってしまった~」と、
言いながら、主催者側の方を見てニコリ。

 かと思えば、
「今日は○○関係の方が来ていないと思うので言うけど、
えっ、来てる?
まぁー、来ててもいいやー。」と、
前置きをして、当該企業や業界に対する批判?
持論を展開する。

 このように、「しまったー。また言ってしまった」を意図的に連発する方には、今日の『論語中』 吉川幸次郎(著)  中国古典選4 朝日文庫 の「顔淵第十二」からの章は無用かとは存じます。

 しかし、その他大勢の人、すなわち、「しまった!」と臍を噛む方のために、同書から訓読(読下し文)とその現代訳、ならびに吉川博士の解説を、引用を主に、読みやすく、わかりやすい形に加工を施してお届けします。

 では早速、訓読、すなわち読下し文です。

棘子成(きょくしせい)(いわ)く、
君子(くんし)は質(しつ)のみ。
(なん)ぞ文(ぶん)を以(も)って為(な)さんや。
子貢(しこう)曰く、
(お)しい乎(かな)、夫子(ふうし)の君子(くんし)を説(と)くや。
(し)も舌(した)に及(およ)ばず。
(ぶん)は猶(なお)(しつ)のごとく、質(しつ)は猶(なお)(ぶん)のごとくならば、
虎豹(こひょう)の鞟(かく)は、猶(なお)犬羊(けんよう)の鞟(かく)のごとし。

 次に、その現代訳です。

棘子成(きょくしせい)が言った。
紳士たる条件は、質朴さだけで充分である。
文化の要素は、なにも必要ではない!
この言葉を伝え聞いた子貢(しこう)が言った。
あの方の君子のあり方についての説は、大変残念である。
失言(舌禍)は四頭立ての馬車で追いかけても追っつかない。
もし、文明が素朴と同じであり、素朴が文明と等価値であるとしたら、
虎や豹のなめし皮が、犬や羊のなめし皮と同じであるようなことになってしまう。

続いて、吉川博士の解説です。

・棘子成(きょくしせい)なる人物は、衛のくにの大夫であるとするが、事績は不明瞭である。

・「質」と「文」とは、相対立する概念であるが、ともに人格の形成に必要な要素であり、両者が「彬彬(ひんぴん)」とつりあいがとれて並存してこそ、「然(しか)る後に君子」とするのが、孔子の考え方であるが、棘子成は、質朴さのみを重視したのである。

・「夫子」とは、先生、あのかた、と訳しうるように、尊敬ははろうべき人物を呼ぶ言葉である。棘子成の伝記はあきらかでないが、いちおうの尊敬ははろうべき関係の人であることを、示している。

・「駟(し)」とは、四頭立ての馬、またそれに曳かせる馬車。

・「猶(なお)」の字は、いつものごとく同等の意味。

・虎や豹の皮は、なめさない前は、美しい模様をもっている。その点で犬や羊の皮と、価値が違う。人間も、虎豹のごとくでなければならない。

 んっ、
「人間も、虎豹のごとくでなければならない」とは、
どのような意味か?

と、思い、手持ちの他の書にその意味を求めたが、残念。
この章の記載されている他の本を私は持ち合わせていない。

 では、と、「角川新字源」を検索してみると、
次の2つのことばに遭遇した。

【駟不及舌】しもしたにおよばず: 一度口に出したことは世に早く伝わり、四頭だての馬車でも追いつけない。ことばをつつしまねばならないこと。〔論・顔淵〕

【犬羊】けんよう:犬とひつじ。つまらぬものたとえ。〔論・顔淵〕「虎豹之鞟、猶犬羊之鞟」

 おぉー、
犬羊とは、「つまらぬもののたとえ」か。

 では、【虎豹】とは?と、「角川新字源」を見てみるも、
① とらとひょう
② 非常に勇猛な者のたとえ
という2つの意味が記載されているだけであり、目的とする意味、
つまり、「立派なもの、価値あるもののたとえ」
などという文言に遭遇することはできなかった。

 さぁーてと、この続きはまた来週をお楽しみください。

 では、ここまでで、「駟不及舌(しもしたにおよばず)」、
すなわち、四頭だての馬車でも追いつけないような失言はありましたかねー?

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