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2009年5月14日 (木)

「人を以って言を廃せず」解説ページ

Arashiyama0904161 画像は秋田の友人からのプレゼントで
嵐山です。

 さて、とある会話 その1
「なにぃー、誰が言うたんやっ!」
「社長です」

「そうか、あとでワシから社長に説明しとくわ。」
「はい、よろしくお願いします。」

「よしっ、わかった。」
「しかし、社長はどこまでわかってくれるやろか……。」

 とある会話 その2
「なにぃー、誰が言うたんやっ!」
「Tさんです」

「ほっとけ、あんなやつの言うことなんか!」
「あいつは、いつもそんなことばっかり言うんや。」

「しかし、Tさんは確かな情報を入手しているようですが……。」

「そんなもん、ガセやっ。ガセに決まっとる。」
「信用でけんし、あてにもならん!」
「わしゃ 、忙しいんやっ」
「おまえと遊んどる暇なんかないんやっ!」

「……。」

 ことほどさように、登場人物は同じであっても、また、出だしの会話の内容・中身は同じであったとしても、誰の発言か(誰が言ったか)によって、その後の会話に大きな違いが生じる。

 そんな経験・体験があなたにもおありですね。

 そこで、今日は2500年程も前の聖人、孔子はどのように言っているか?ということについて、
『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 朝日文庫の「衛霊公第十五」からの引用を主に、訓読(読下し文)とその現代訳、ならびに解説を読みやすく、わかりやすい形に加工してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

(し)(い)わく、
君子(くんし)は言(げん)を以(も)って人(ひと)を挙(あ)げず、
(ひと)を以(も)って言(げん)を廃(はい)せず。

 次に、その現代訳です。

孔子がいった。
君子(よくできた人)は、言葉だけを信用して人を抜擢・登用したりしない。
また、誰の発言かによってその言葉を採用したり、退けたりしない。

 続いて、吉川博士の解説です。

・言語のみをもって人間を抜擢しないのは、憲問第十四にもいうように「言有る者は必ずしも徳あらず」であるからである。

・またその人間に対する漠然たる評価のゆえに、その人の言葉を廃棄しないのは、固定観念の固守は、対人関係においては、ことに慎むべきであるからである。

・「礼記(らいき)」の「曲礼(きょくらい)」上に、「愛して而も其(そ)の悪を知り、憎みて而も其(そ)の善を知る」というのは、ここと通ずる。

 おぉー、
この吉川博士の解説はわかりやすい。

 しかし、「憲問第十四」の言葉を引用するまでもなく、
(げん)すなわち、言うことは立派ではあるが、その実、やることなすことは我田引水であったり、看板倒れの御仁に会ったり、煮え湯を飲まされた経験・体験の記憶なら、私のみならず、あなたも、
枚挙に遑(いとま)がない!
のでは?

 また、言(げん)を廃する人の心の奥底には、非合理的なビリーフ、すなわち、固定観念の固守があってのことか、否か、
冒頭の会話の如く、
その相手が上司であるか、部下であるか、また、親疎の情や、常日頃の付き合い、相手の地位や、相手の看板(ブラント)などによって、その言葉の「廃・挙」、つまり取捨選択が決まる。

そんな場面に遭遇した記憶は、これまた私のみならず、あなたにも、数多(あまた)
おありでは?

 どうやら古今東西、発言者によって、その発言や内容が無視されたり、重要視されたり、また、受容れられたりする。
すなわち、発言の内容によってではなくて、発言者によって、そのことばの軽重・影響度が異なってくる。

 ゆえに、マスメディアあたりでは、誰が言ったかが、仮に明確であったとしても、その影響度に配慮し、あえて名前を伏せて報道している、と聞く。

否、マスコミのみならず、企業に於いても、世間一般に於いてもである。

 冒頭の会話も企業における一例ではあるが、
とある企業の社長Tさんの命を受けたか?
女子社員のAさんは、先輩社員のSさんに次のように言った!

という話はまた後日、今週末をお楽しみください。

 ちなみに、「角川新字源」でタイトルの言葉を検索すると次のように記載されていました。

【不以人廃(廢)言】ひとをもってげんをはいせず 人物がよくないからといって、その人のことばを無視するということをしない。人物がどうであれ、その主張がよければ聞き入れる。〔論・衛霊公〕「君子不以言挙人、不以人廃言」

 では、あなたにお聞きします。

あなたが、相手の言葉を無視して聞き入れなかったとき、
それは誰のどのような言葉・主張でしたか?

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