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2009年5月21日 (木)

「斯道(しどう)」解説ページ

Hachirougata0905023 画像は秋田の友人からのプレゼントで
八郎潟です。

 この道はどこへ続いているのでしょうか?
また、斯道(このみち)は、一本道なのでしょうか。

それとも、途中で枝分かれした道が多く、逃げた羊を見失って嘆く、
すなわち「亡羊の嘆」のごとく、目的地、ゴールへと続く道を選択するのに迷い悩むこととなるのでしょうか?

 現在は、正解のない時代とか多種・多様性の尊重などと巷間叫ばれている世の中なのですから、それはそれで、また楽しみのうちの1つではあるのですが……。

 んんっ、
現代も古代も一緒!?

 2500年程も前にも孔子は、斯道(しどう)、つまり人々が人道に由(よ)ろうとしないことを嘆いていることを考え合わせれば……。

 そこで今日は、その孔子の嘆きを、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「雍也第六」からの引用を主に、訓読(読下し文)とその現代訳、ならびに解説を読みやすく、わかりやすい形に加工してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

(し)(い)わく、
(たれ)か能(よ)く出(い)づるに戸(こ)に由(よ)らざらん。
(な)んぞ斯(こ)の道(みち)に由(よ)ること莫(な)きや。

 次に、その現代訳です。

孔子がいった。
人は誰も、出て行くときは必ず戸口から出て行くものだ。
なのに、人はなぜ、人の道に由(よ)ろう(もとづく。たよりしたがおう)としないのであろうか

 続いて、吉川博士の解説をお届けします。

Ko_3 ・中国の古代の家は、南に向いた横に長い矩形であり、
 -南半分が堂(どう)、すなわち表座敷、
 -北の半分のまた西半分が室(しつ)、すなわち寝室であり、
 -北半分の東半分が房、すなわち居間である。

・南半分の堂と、北半分の室・房の間は、むろん壁が東西に仕切るが、室の東南の所の壁に、扉をしつらえたのが、戸(こ)であり、それは室から堂へ出てゆく通路である。

・なお、まえの「伯牛疾(や)まい有り」の条に見えた牖(まど)、明かり窓は、戸の西側、つまり室の西南の壁にある。

・「誰か能く出づるに戸に由らざらん」、出るとは、ここでは室から堂へ出てゆくことである。そのときには、戸(こ)を押しあけ、そこを経由して、出てゆく。誰だってそうしなければならない。それが決まったことである。

・人間の道の人間に対する関係も、同じであって、誰でもが、経由しなければならないものが、人道である。それになぜ、人々は、斯(こ)の人道に由(たよ)ろうとしないのであろうか。部屋から出てゆくときは、戸(こ)から出てゆくにもかかわらず。

<中略>

・「出」とだけいって、どこから出てゆくと、いわないのが、中国語のくせであって、いまの言葉でも、出去了(チュチュイラ)といえば、家から出ていったことになる。

 へぇー、
この短い条に対して、吉川博士の解説は丁寧である。

 が、残念!
古代中国の家の見取り図(概略図)がないので私は理解しにくい。

 そこで、吉川博士の解説に基づき、私が作成したのが上掲の図ではあるが……。

 この図では、室(居間)と房(寝室)の間を縦線で仕切ってはみたものの、この間に仕切り、すなわち壁はないのであろうか?
浅学菲才の身には判断いたしかねる(涙;)

 蛇足ながら、この条について貝塚茂樹博士は、次のような短い解説を付しておられる。

これは、孔子の道、つまり理想が世の中に受け入れられないことを残念がっているのでしょう。

   (「『論語現代に生きる中国の知恵』 講談社現代新書)

 それを受けてか否か、貝塚博士の実弟である小川環樹博士他の編(編集・編者)による「角川新字源」を検索すると、タイトルの熟語には、次のような意味が記載されていた。

【斯道】しどう ①この道。聖人の道。〔論・雍也〕「何莫由斯道」②その人がたずさわっている技芸や学問の道

 では、あなたにお聞きします。
あなたは、どの道に由(よ)って生きて(生活して)いるのですか?

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