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2009年8月 6日 (木)

「学は及ばざるが如くす」解説ページ

 唐突で恐縮ですが、
もし、あなたが「何事一つ事」で、
一所懸命に何かを極めようとしているとき、
上司や、師と仰ぐ人などから次のように問いかけられたら、あなたはどのように答えますか?

「おまえな、そないに一所懸命にならんでもええやろう。」
「なにも学者になるわけでもなし、そこそこでええんちゃうか?」

 いかがです?
あなたは納得のいく答え、すなわち回答が見つかりましたか。

 では、孔子はどのようにいっているか?

そのことばを『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「泰伯第八」から、引用を主に、訓読(読下し文)と現代訳、ならびに吉川博士の解説を読みやすく、わかりやすい形に加工してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

わく、
まなぶは及およばざるが如ごとくするも、
お之れを失うしなわんことを恐おそる。

 次に、その現代訳です。

孔子が言った(先生の言葉である)
学問は、逃げるものを一所懸命追いかけても、
追いつけないのをうれえるような心がけでするべきである。

 続いて、吉川博士の解説です。

・「及」とは、去りゆくものを、後から追いかけて追いつく意味である。

・学問をするには、泥棒を追っかけるように、一生懸命に、目的を追っかける態度でなければならない。
それでもなお、対象を見失う恐れがあるのだ。

 いかがですか。
納得! でしょうか?

 ちなみに、この吉川博士の解説を見た私は、
んっ、
「及」には、そんな意味があるのかー? と思い、
角川新字源」の「なりたち」を見て次の答えを得た。

会意。人をつかまえたさま(又)により、人に追いつく、「およぶ」意を表わす。

が、この一条についての記載はそこにはなかった。

 ではと、またまた例のごとく、この条を音読みで上から順に、
同書(「角川新字源」)を検索すると次の語句に遭遇した。

【学如不及】がくはおよばざるがごとくす 学問は、にげる者を追いかけて追いつけないのをうれえるような心がけですべきである。〔論・泰伯〕「子曰、学如不及、猶恐失之」

 それで、私はこれをこの条の現代訳としたのではあるが…。
吉川博士の訓読みとは違う!

しかし、「及」についての意味は同じであり、
「学」をガクと音読みするか、「まなぶ」と訓読みするかの違いであり、
重箱の隅をつつくまでのこともない!
と考えた私。

 しかし、吉川博士の解説には、放置するにはちと不可解な語句がある。それは、
「一生懸命に、目的を追っかける態度」という文言、
すなわち目的と目標の使い分けである。

私の解釈では、
・目的は、狙いであり、なんのためにであり、方向性でもあり、
・目標は、目指すところ(もの)であり、ゴールである。

追っかけるものは目的ではなく、目標では?
と思った。

 で、その違いについて、「角川新字源」を見た。

・【目的】もくてき 意思の目ざす事がら。得たいと思う結果。
・【目標】もくひょう 目の注視する対象。目ざす事がら。

んんっ、
心と目の違い?

しかし、ようわからん!
判然としない。

 ちなみに、私の解釈では目標は目的の中に含まれるものであり、
「そないに一所懸命にならんでもええ」ことでもあるし、
「なにも学者になるわけでもなし、そこそこでええんちゃうか~」
とは思ったもののなぜかスッキリしない。

 そこで、「広辞苑」見ると次のように書かれていた。

・もくてき【目的】①成し遂げようと目指す事柄。行為の目指すところ。意図している事柄。②〔哲〕意思によってその実現が欲求され、行為の目標として行為を規定し、方向づけるもの。

・もくひょう【目標】目じるし。目的を達成するために設けた、めあて。的(まと)。

おぉー、
こちら(「広辞苑」)の方が、よりわかりやすい。

 では、吉川博士の解説の意図は、次のようにも解釈できる?

人生の目的を達するための手段としての学問は、一生懸命に追っかける態度でなければ、対象を見失う恐れがある。

人生の目的、すなわち生きている意味、
それは天の命、つまり使命であり、常に一生懸命に追っかける態度でなければ見失うかもしれない。

「光陰矢の如し」とも、また、
「人、天地の間に生くるは白駒はっくの郤げきを過ぐるが若ごとく、忽然こつぜんたるのみ」ともいい、
「少年老い易く学成り難し、一寸の光陰軽んずべからず」ともいう。

 「学(まなぶ)は及ばざるが如くす」
納得! ひとりガテンである~(笑)。

 では、あなたにお伺いします。

あなたが、日々、一生懸命に追っかける態度で求めているもの(得たいもの)、それは何ですか?

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