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2009年9月 3日 (木)

「博文約礼」解説ページ

 「あの野郎、昨日読んだ本か、誰かに聞いた話か知らんが、
机上の論理や知識だけを振り回しやがってぇー…。」

「文句があるんなら、現場へ出てきて自分で実際やってみぃー!
ちゅうんやー。」

 「それに、みんな一所懸命仕事しよるっちゅうに、会社の金を使って、どこか分けの分からん所へ研修などと称して行きやがって…。」

「そんな所で仕入れてきた知識など、
うちの会社では何の役にも立たんちゅうんやっ!」

「そんなドブに捨てるような金があるんなら、
社員の給料を上げてやれっちゅうんや。」
「もう3年も昇給“0”の状態が続いとるっちゅうに…。」

 「とにかく、アイツの言うこととすることは一致してないし…、
それに何か1つ足らん。」
「アイツの言動はチグハグやし、一本、筋が通ってない!」

「その点、オヤジは言うこと為すことに一本スジが通っていた!」
「オヤジには芯があった。」

と、とある企業の古参幹部Oさんは、不満のはけ口を2代目社長に向けた。

 事の次第は、と書き始めたものの残念!
紙幅の都合で、この続きは今週末をお楽しみにー。

 そこで、今日はバックボーンに関する一条を、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「雍也第六」から抽出して、その訓読(読下し文)と現代訳、ならびに吉川博士の解説を読みやすく、わかりやすい形に加工してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

わく、
君子くんしは博ひろく文ぶんに学まなびて、
れを約やくするに礼れいを以ってす。
た以って畔そむかざる可し。

 次に、その現代訳です。

孔子が言った(先生の言葉である)。
教養人(君子)は、広く先人の学説を学んで、
それが人間の踏み行う道にかなっているかどうかという基準で考える。
そうすれば、間違う(道にそむく)などということはない。

 続いて、吉川博士の解説です。

・君子はまずひろい教養をもたなければならなぬ。「博く文に学ぶ」。

・文の字の意味を、仁斎は、「先王の遺文にして、道の在る所」という。ひろく文化的な事象を指すとしてよいであろう。

・ところでしかし、かくひろい教養をもつだけでは、いけない。その中心として集約されるものが、なければならぬ。孔子の場合、集約の方法となるものは、礼、すなわち、正しい生活の方式であった。

・「之れを約するに礼を以ってす」。もしそうした態度であるならば、「亦た以って畔そむかざるべし」、畔かずとは、古注に引く鄭玄じょうげんの説によれば、「道に違そむかない」ことである。

・「矣夫」はともに意味をつよめる助辞。

・子罕しかん第九の顔淵がんえんの話、「我を博むるに文を以ってし、我を約するに礼を以ってす」も、参看すべきである。

 んんっ、
この条は、例として適切でないことをお断りして、あえていうとすれば、発散と収束について?

すなわち、多用な人々が集まり、様々な考えやアイデアを出すという発散のプロセスと、それを収束、つまりまとめるのに1つのツールを使うというスキルや考え、プロセスに似ているが…。

 だとしたら、これは「社内会議などでアイデア出しまでは順調にいくが、それをまとめる段階になると急に静かになり、進行がストップする、などとよく耳にする話で、「それをまとめるためのスキルやツール、方法がわからない」、というアレと同じかー…。

 それを、孔子は「博文約礼」という言葉で後世に伝えてくれているのか…、と私は感じた。

 ちなみに、この条に関する語句を「角川新字源」にて検索した結果、次の熟語に遭遇した。

【博文】はくぶん 広く学問を修める。

【博文約礼】はくぶんやくれい 広く先人の学説を学び、これを、礼にかなっているかどうかを基準にしてしめくくりをつける。〔論・雍也〕「君子博学於文、約之以礼、亦可以弗畔矣夫」

【約礼(禮)】やくれい 礼法で身をしめくくる。〔論・雍也〕「君子博学於文、約之以礼」

 また、この条にはついて、貝塚博士は次のように記していらっしゃる(『論語現代に生きる中国の知恵 講談社現代新書)。

孔子がいわれました。
「学問を志す人間は、いろいろな文献を広く読んで、知識を広くするとともに、これを礼というものを中心として統一しなければいけない」と。              

濫読や、博学だけではいけない。
礼という何か道徳的なバックボーンが一本はいってこないとだめだ。
原理か何か貫いていなければいけないといっているのです。

 おぉー、
「約之」という言葉を、吉川博士は、「その中心として集約されるもの」といい、貝塚博士は、「バックボーン」と述べておられる。

これに対して、私が聞いた言葉は、その人の言動の依って立つ所以、すなわち立脚点や理念、それは一本の筋とか芯というものではあったが…。

 そこで、あなたにお伺いします。
あなたが、ネットサーフィンをする目的を一言で表現するとすれば、
それはどんな言葉になりますか?

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