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2009年9月17日 (木)

「木鐸」解説ページ

 「党の捨て石になる」とは、
とある代議士の弁。

 かの代議士先生、なぜに、
「木鐸ぼくたくとなる」
と言わなかったのであろうか?

そんな素朴な疑問をもった私。

 そこで、「捨て石」と「木鐸」の違いを「広辞苑」で検索してみた。

・すていし【捨石・棄石】
① 築庭で、風致を添えるために所々にさりげなく置かれた自然石。
② 堤防・橋脚などを造る時、護岸または水勢を殺ぐために水中に投入する石。
③ 鉱山・炭鉱で、採掘・掘進などの際に生じ、捨てられる無価値の岩石。ぼた。廃石。
④ 囲碁で、取られることを承知で、作戦として打つ石。
⑤ 転じて、さしあたって効果はないが、将来役立つことを予想してする予備的行為や、その要員。

・ぼくたく【木鐸】
①[礼記明堂位]木製の舌のある鉄でできた鈴。中国で、法令などを人民に示すとき鳴らしたもの。金口木舌(きんこうもくぜつ)
②[論語八佾]世人を覚醒させ、教え導く人。

 おぉー、
なるほど!

かの代議士はご自分の実力をよ~くご存知?

自分は、「世人を覚醒させ、教え導く人」に非ず!
と自ら認識(自覚)していらっしゃる!?

そこで、自らの実力、行為は、「さしあたって効果はないが、将来役立つことを予想して」党の総裁選候補に名乗りを挙げたのかー…。

 う~ん、
では、このような総裁選候補者に、党員はどのような判断、結果を下すのか?

 また、なぜに、くだんの先生は、「木鐸となる!」といわなかったのであろうか?

などと余計な詮索をする前に、タイトルの「木鐸」という熟語が掲載されている一条を、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「八佾第三」から抽出して、その訓読(読下し文)と現代訳、ならびに吉川博士の解説を読みやすく、わかりやすい形に加工してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

の封人ほうじん、見みえんことを請う。
わく、「君子くんしの斯lここに至いたるや、吾れ未まだ嘗つて見るを得ずんばあらざる也なり。」
従者じゅうしゃ、之れを見みえしむ。
でて曰わく、
「二三子にさんしんぞ喪さまようことを患うれえん乎。」
「天下てんかの道みちきや久ひさし。」
「天てんまさに夫子ふうしを以って木鐸ぼくたくと為さんとす。」

 次に、その現代訳です。

儀の国境の守備役人が「孔子に会いたい」といってきた。
そして、「名だたる教養人がこの地を通り過ぎる場合、私はそれら全ての人々に残らずお会いしてきた。」と。
そこで、孔子に随行していた弟子たちが孔子の所へ案内した。
会見を終えて、出て来たかの役人は次のように言った。
「あなた方お弟子さん、何も放浪の旅を心配することはありません。」
「天下が乱れ、無道と化して随分と、ときが経ちました。」
「しかし、天はいま将にあなた方の先生に、この世のよき指導者としての使命を課したのです。」

 続いて、吉川博士の解説ですが、今回も段落が長いので、筆者の判断で、段落を区切ってお届けします

・儀とは地名である。現在のどこであるかはよくわからない。
漢の鄭玄が、儀は蓋し衛の邑なり、というのによれば、河南省北部を領域とした衛のくにのまちである。
そうして封人とは、国境守備の地方官であるから、国境に近い地方であったろう。

・いつかの旅行のときであったか、孔子がこの儀のまちを通りすぎたとき、そこの地方長官ないしは守備隊長が、孔子にあいたいといった。
この土地へおいでになった紳士がたに、私はいつもお目にかかることにしています。お目にかからない方はありません。
地方の小都市の新聞記者を連想してよいであろう。

・従者、すなわち随行の弟子が、その要求をいれて会見させた。
インタヴューをおえて、旅館の門から出て来ると、その男はいった。
二三子、お弟子の皆さんがた。
何んぞ喪さまようことを患うれえん、いまはこうして故国をはなれてあちこち旅をしていなさるが、いや、ご心配には及びませんぞ。
天下の道無きや久し、世界が道徳をうしなってから、ずいぶんになります。
だれか救済者がでなければならん。あなた方の先生こそ、その救済者だ。

・天は将まさに夫子を以って木鐸と為なさんとす、木鐸とは、舌を木でつくり、すずしい音を立てるところの、小さな鈴である。
武事には金鐸、すなわち舌も金属の鈴、それを振るい、文事には木鐸を振るう、というように、木鐸は、文化に関する命令を、役人がふれまわるときの、鈴である。
天は、あなた方の先生を、ひろく人類に対する木鐸とされる思し召しらしい。

 おっ、
冒頭の代議士は、
「天はいま、私を以って党の木鐸と為さんとす」
と仮に、自分では思っていても、自ら口にするにはちと憚る。

 そこで、自らは、「党のために捨て石になる」といえば、
そのうち誰かが、「天が将に○○先生を以ってわが党の木鐸と為さんとす」と言ってくれるであろう、そんな計算がはたらいた?

 んんっ、
いや、いや、「文事には木鐸」「武事には金鐸」という言葉を、かの先生はご承知で、
来るべき戦、すなわち参院選で自ら采配を振るうので、木鐸は相応しくない!
と考えてのことか?

などなどと、他人の胸のうち、腹積もりや後々のことを含めてての計算など、そんな詮索をし始めると、次から次へと・・・。
夜もろくろく眠れなくなるぐらいに~(笑)

 ちなみに、タイトルの熟語他を「角川新字源」で検索すると次のように記載されていた。

【木鐸】ぼくたく ①金属製の鈴で、舌が木のもの。むかし、法令を民に示すとき振り鳴らした。
②世人を教え導く者。社会の指導者。〔論・八佾〕「天将以夫子為木鐸」

【封人】ほうじん 官名。国境を守る役人。〔論・八佾〕

 では、あなたにお伺いします。

 いまの世の中、孰れを以って木鐸と為さん?
すなわち、あなたが「社会の指導者として相応しい」と考えているひと3人をお教えください。

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