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2010年1月30日 (土)

「遂事」解説ページ

1001212 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 「なんやっ、これは!」
と、驚いた様子のKさん。

「……」。
無言で声の主のKさんをにらみつけるYさん。

「何や~、その態度はー。」
と、驚きが怒りに変わった先輩のKさん。

お互いに一触即発の様子。

 この状況に出くわした上司のMさん、2人の中に割って入り、
「もう、納期もないし、ここまできたらやり直しもできんし、修正のしようもない」

「それに、できてしまもうたモノを後でとやかく言うてもしょうがないやないか。」
「次につながるような話をせにゃあー」といった。

 そこで、今日は予告編の熟語が出てくる一章を、

『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「八佾はちいつ第三」から抽出していつものスタイルでお送りします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

哀公あいこう、社しゃを宰我さいがに問う。
宰我さいが、対こたえて曰わく、夏后氏かこうしは松まつを以ってし、殷人いんひとは柏はくを以ってし、周人しゅうひとは栗くりを以ってす。
わく、民たみをして戦栗せんりつせしむ。
れを聞きて曰わく、成事せいじは説かず、遂事すいじは諫いさめす、既往きおうは咎とがめず

 次に、その現代訳です。

魯の国の若い君主、哀公が孔子の弟子の宰我に、土地の神について問うた。
宰我はこたえていった。「夏王朝では松の木、殷いん王朝では柏の木で、現在の周王朝は栗の木をご神体としてあがめています。」
と言った後で、「栗の音はリツですから、人民を戦慄させるためです」と付け足した。
この話を耳にした孔子は「できてしまった事は、いいわけがつかない。取り返しのつかない事は、ただしようがない。過ぎ去ったときの事はとがめだてしない」といった。

 続いて、吉川博士の解説です。

・哀公あいこうとは、定公ていこうの子であって、孔子58歳のとき、幼年で即位した。

・社しゃとは、樹木を神体とする土地の神である。

・宰我さいがとは、宰予さいよのことであり、字あざなは子我しが、「利口弁辞」と、「史記」の「弟子列伝」にいい、先進第十一では、「言語には宰我、子貢」という。

・孔子のこの言葉の意味は、何とばかな返答を、宰我はしたものか。君主に殺伐を教えるようなものである。しかし過ぎ去ったことはしようがない、以後は気をつけるがいい、という意味であったと、される。

・音を同じくする言葉は、意味の上でも、何ほどか連絡があるのは、中国語のつねである。

リツという植物も、実の引き締まった植物であるから、戦慄の慄と、リツという音を同じくするのかもしれない。
この字が、戦慄とまでは行かなくても、敬栗、すなわち敬虔の縁語となる場合は他にもある。

婚礼の翌日、花嫁が舅姑にあうときの、花嫁の手みやげは、棗と栗であるが、棗そうは早起そうき、はや起き、栗は敬栗、厳粛な敬虔さ、この2つが、嫁たるものの、何よりの道徳あることの象徴だと「春秋公羊くよう伝」の荘公そうこう二十四年にはいう。

このように、栗の木は、その音からいっても、また実のひきしまったかたちからいっても、人をひきしめることを、連想しうるが、さらにまた、社のやしろは、罪人をころす刑場でもあったことが、宰我のこの答えを生んだ一因だともいう。

・さらにまた、古くは社しゃを問う、でなしに、哀公主しゅを宰我に問う、となっていたテキストもあったといい、それならば主しゅ、すなわち、宗廟の位牌についての問答ということになる。

 これより後の引用、すなわち吉川博士の解説は割愛します。

 なんとなれば!
肩がこるから~(笑)

 詳しくは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫 こちらアマゾンへ 「八佾第三」の99~100ページをご覧ください。

 おぉ~、
なつめと栗くりにそんな意味があったとは!

 また1つ賢くなりそう~(笑)
ということで、早速「角川新字源」にて「棗ソウ」を検索すると、

【棗栗】そうりつ なつめとくり。むかし、婦人が人を訪問するときの手みやげにした。〔魯語〕
とあった。

 う~ん、
吉川博士の解説とは異なるー。

 では、【栗】は? と検索すれば、
なりたち:形声字の音符になると、きびしい(凓リツ)、おそれる(慄リツ)などの意をあらわす。
意味:②おののく。ふるえおそれる。同音同義語:慄 ④きびしい。いかめしい。「厳栗」
とあり、栗については、吉川博士の説にほぼ同じ。

 しかし、「厳栗」はあっても、「敬栗」という熟語が見当たらない!

 そこで、さらに同書にて検索するも残念!
「敬栗」に遭遇することかなわず。

 ではではと、【遂事】、【成事】、【既往】を同書で検索すると次の通りであった。

【遂事】 1.すいじ ①すんでしまった事。なしとげた事。②まだ成しとげてはいないが、やりかけていまさらやめられない事がら。〔論・八佾〕「遂事不諫」
2.ことをとぐ 物事を勝手に行う。〔公羊・襄二〕「大夫無遂事」

【成事】せいじ ①すでになしとげた事。できてしまった事。〔論・八佾〕「成事不説、遂事不諫」②物事をなしとげる。

【既往】きおう すでに過ぎ去った時、また、過ぎ去ったときの事。〔論・八佾〕「既往不咎」 近音同義:已往いおう

 では、あなたにお伺いします。
あなたの物差しに適合しないモノ(物事)を発見した場合、あなたならどうします?

たとえ納期がなく、既に完了・完成したモノであっても、あなた独自の基準に適合するモノでなければNG!?
すなわち、「no good」?
「やしなおし」ですか。

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