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2010年5月13日 (木)

「時習」解説ページ

10030703 画像は秋田の友人からのプレゼントで
佐蛇神能です。

 「おっ、また来てる!」
「あんた熱心やなー…。」
「何でそんなに熱心なの?」
と聞くYさん。

 「えっ、そのわけを教えて欲しい?」
「ほな、銭出しー。」
「Yさんやから特別、安うーしとくわー。」

「帰りの高速代、お出し(笑)。」
といったNさんの次の言葉は、

「それはな、楽しいからや。」

というものでした。

 このNさんの答えを聞いたYさんはといえば、
「へぇー…、そんなに価値あるんやー…。」
と驚くやら感心するやら、自得するやらでした。

 さて、ここで問題です。
Nさんの「楽しみ」とは、一体何なのでしょう?

 えっ、たったこれだけの情報で誰がわかるもんか!
ですかー(汗;)。

 では、ヒントを。以下の論語の一章をご覧ください。

いつもどおり『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「学而がくじ第一」からの引用を中心に、肩のこらない程度に、加筆、または割愛してお届けします。

 まずは、訓読、すなわち読下し文です。

わく、
まなびて時ときに之れを習なろう、
た説よろこばしからず乎
ともり遠方えんぽうより来たる、
た楽たのしからず乎
ひとらずして慍いからず、
た君子くんしならず乎

 次に、その現代訳です。

学んだことを機会あるごとに、何度も復習して身につけていく、
それこそ人生のよろこびではないか。
志を同じくする学友が遠くからやってきてお互いに学びあう、
それこそ楽しいことではないか。
人から認められないことがあっても、むっとしない、
それでこそ、紳士ではないか。

 続いて、吉川博士の解説の一部です。

・冒頭の「子曰」の二字は、先生の言葉に、の意味である。先生とは、孔子を指すこと、いうまでもない。

・この開巻第一に位する孔子の言葉は、学問のよろこびを語る。

・「学びて時に之これを習う」、学而時習之。
「学」とは、いうまでもなく、学問の意味であるが、具体的には、教団の重要な教科書であった「詩経」と「書経」を読み、礼と楽とを勉強することであったろう。

・「時に」、とは、然るべき時、英語でいえばtimelyの意であって、時どき、occasionalの意ではない。

・慍うんの字は、古注、すなわち魏の何晏かあんの「論語集解しっかい」に、「怒る也」と訓ずる。

・三つのことがら(筆者注:学而時習之、不亦説乎。有朋自遠方来、不亦楽乎。人不知而不慍、不亦君子乎。)は、あい関連したものであり、それぞれに孤立したことがらではないと見るのが、おおむねの注釈家の説である。

・ここの「亦」の字は、普通の亦の字とは少し違っているのであって、語調を緩やかにするために、加えられた、ごく軽い助字である。
<中略>
要するに、(ここの「亦」の字は:筆者注)どうだ説よろこばしいことではないか、どうだ楽しいことではないか、どうだ紳士だとは思わないか、と強く且つやわらかに、相手の同意を、導き出すいい方であると見るのが正しい。

・説よろこばしからずや、の説えつの字は、悦えつの古字であって、持続的なよろこびを示し、亦た楽しからずや、の楽らくの字は、突然のよろこびを示す如く感ぜられる。

・学問のよろこびということを、今日では、誰でも知っているが、古代においては、必ずしもそうでなかったであろう。孔子は、それを最初にはっきりと、指摘した人物の一人である。

・この章が、全四百八十七章の、ないしは数え方によっては全四百九十二章の、はじめに位するのは、「論語」の編者の心づかいであろう。

 いかがでしたか。
Nさんの楽しみ、お分かりいただけました?

 それは、学びの志を同じくする者が、遠方からやって来て、ともに学びあう。そんな出会い・学びの機会と場を得て悦び、そして、ともに学びあう楽しさと、「えぇっー、おぉ~、アッ」と驚く目からうろこの意見や考えの披露(発言・発表)に感情の発露。

 そんな場に参加して学ぶのがNさんの楽しみの1つでした…。

 ちなみに、タイトルの熟語ほかを、「角川新字源」にて検索すると、次の通りでした。

【時習】じしゅう ①機会あるたびに学ぶ。〔論・学而〕「学而時習之」

【慍】ウン/オン 意味① むっとする。不平不満をいだく。〔論・学而〕「人不知而不慍」

【亦】エキ/ヤク 意味③おおいに。やはり。なんと。文首・文中に用いる助字。〔論・学而〕「不亦説乎」→付・助字解説」

とあるので、付録の助字解説を見ると、

不亦。ほんとうにまあ…ではないか。反語。〔論・学而〕「学而時習之、不亦説乎」

と書かれていました。

 んんっ、
これっ、つまり、知らないことを知るのも
Nさんの楽しみ、いやっ、悦びの1つ!?
なのでしょうか…。

 では、あなたにお伺いします。

人生で一番楽しいと感じるとき、それは何をしているときです?

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