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2010年5月 8日 (土)

父母之年(ふぼのとし)

10030705 画像は秋田の友人からのプレゼントで
大日堂舞楽です。

 「Tyuーさん、心配せんでもエェー。」
「3年経ったら税務署から呼び出しが来る。」
「それまでは放っておいてもエェー。問題ない。」と。
同じ会社で請負作業(役務の提供)をしているNさんが言う。

 そのNさんの言葉通り、
自営して3年目の春に、Y税務署から呼出状が届いたTyuさん。

「おぉー、やっぱり! 『あなたの所得についてお伺いしたいことがあるので来署されたし』というてきたかー。」
「しゃあない!」
「 お上の言うとおり、指定日までに税務署に行ってみるか…。」と、
企業に入り込み、工賃仕事(役務の提供)をしているTyu-さん。

 それから数日後の朝。
いつものようにいつものとおり、いつもの企業(工場)の持ち場に着いたTyu-さん。

「んーっ、今日はえらい静かやなー…」
と工場内を見渡した。

 道理でー。納得! あのにぎやかな(騒がしい)人、Mさんの姿が、今朝は見当たらない。

 そこで、Tyu-さんは、「Mさんは?」とSさんに尋ねた。

 「M? あぁー、Mなら今日は税務署よ。」
「税務署から呼び出しが来たというてー…。」
「確定申告が済んだら、出てくると言うとったけどな…。」
と答えるSさん。

 その日の昼食を済ませ、午後の作業に取り掛かろうと職場に戻ったTyuさん、午前中のお寺さん状態の職場が、酒場状態に変わっていたことに気づいた。

 「やられた~!」
「こっぴどい目に遭うたー。」
「担当が若い税務署員で何をいうても、ちぃっともワシの話を聞いてくれへんし…。」
と憤懣やるかたない様子のMさん。

その騒がしさは、彼(Mさん)が午前中に体験した事柄を針小棒大に誇張して、周囲に撒き散らす(語る)彼(大阪人)特有のものであった。

 そのMさんは、Tyuーさんの顔を見るなり駆け寄って、
「Tyuーよ、おまえも、今までの稼ぎを全~部、いやっ、それ以上に、もっていかれるゾー」と脅す。

 「な~んも、心配無用! オレは大丈夫。」
「あんた(Mさん)のように仰山溜め込んでへんよってにー…」
と涼しい顔で答えるTyuーさん。

 そのTyuーさんの言葉が終わる間もなく、
「おまえ(Tyuーさん)は、ワシより毎月の売上げが多かろ!?」
「おまえは手(作業)が早い。わしら2人分ほどの仕事をこなしよるよって、わしより仰山、税金払わんといかんハズよー…。」
「それに…、おまえ独りもんやしなー…。」
とのたまう心配症(お節介焼き)のMさんが意味深な顔で言う。

 その翌々日に、確定申告の指導を受けることとなったTyuーさん。
Y税務署職員の前に神妙な顔つきで座っていた。

 「工賃仕事なら経費は要らんし、これだけの売上げがあれば多少は残るやろ?」
とTyuーさんの顔を覗き込みながら語りかけるY税務署職員。

 「いやー、それが…。一線も残ってませんわ。」
「それが証拠に預貯金0。一切残ってまへん!」
「うそやとお思いなら、どこの金融機関に問合せてもろうてもかましまへんでー。」

 「どうして残らんのや…。」
「残るはずやろ? 扶養家族も居らんことやし…。」
と怪訝そうな顔つきの税務署員。

 「いやぁー、案外残らんもんでっせー。」
「それに…、毎月、わし…、実家に金送ってますねん。」
「田舎に親父とお袋、それに祖母の3人が居るんですー。」
「親父が病弱なもんで…、収入おまへんよってにー…。」
「これっ、扶養控除の対象になりまへんか?」

 「おぉー、そうかー。で、毎月いくら送りよる?」

 「はい、毎月5万。」

 「ほぉー、5万円なー。」
「よっしゃー、わかった。」
「ほな、お父さんとお母さん、それからおばあさんのお歳、生年月日を教えてくるか。」

 「えっー、父母の年、生年月日でっかー。」
「えーっと、たしかー…。」
「親父が大正5年で、お袋は親父より1つ上ですから…。」
「ばあさん(祖母)は明治何年やったかいなー…。」

 「なにぃー、父母の年も、祖母の生年月日も知らず(覚えてなくて)、扶養家族に入れよ、てかー…。」
「そら困ったなー…。そうかて、おかしな話やろ…?」

 しばらく沈黙が続いた後で、くだんの税務署職員いわく、
「よっしゃ。 後でエェーさかい、調べて教えてくれるか。」
「ほんで、ほかには? 必要経費はもうないか。」

 「はい、だいたいそんなもんですわ。」

 「ほうかー、ではと…。」、算盤をはじく税務署員。
 
 ややあって、「○○万円になるけど…。」
「この金額を、ここに書いてる通り、○月○日までに収めてもらうことでええか?」

 「えっー、これをいっぺん(一度)にでっかー。」
「そんな金おまへんわ。分割にしてもらえまへんやろか?」

 「なにー、これだけの金もないんかいなー…。」
「で、この納税金額を分割にせーてかー。よわったなー…。」
「しゃあーない。3分割でどうや!?」
「もうこれ以上はなんともならんぞ。」

 「えっー、もう、あきまへんか―…。よわったなー…。」
{わかりました。それで払いますわ。」
「ありがとうございました。お世話になりました。」
と一礼して、Y税務署を後にしたTyuーさん。

 彼(Tyuーさん)の40年ほども前の体験記、つまり、私のおぼろな記憶でした。

 では、あなたにお伺いします。

税務署員にこっぴどく絞られた(冷遇を体験した)というMさん
vs(対)
破格?の扱い(厚遇)を受けたというTyu―さん、

その違い(要因)について、あなたが3つ挙げるとすれば、
それは何だとお思い(お考え)です?

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コメント

この歳になってやっと親の偉大さに気づく次第、
貧乏で子沢山、良くぞここまで育ててくれた事に感謝しています。
少しでも親に近づこうと願っていますが努力もしないで成れるわけないよな。
親の年齢とか命日も知らない有様。
目標はヤッパリ親です。

繁ちゃん、
お久しぶり!
コメントありがとう~。

孝行したいときに親はなし!
ですかー。

ところで、繁ちゃんちのお子さんは、繁ちゃんの生年月日を憶えてますよね。

その誕生日に届くわが子からの贈物は、たとえ、ささやかなものであってもうれしいものです。

ひるがえって、自らが親にしたことといえば、心配かけたことを始めとした後悔の念が一杯!(数え上げたらキリがありません。)

子を持ってはじめて知る親のありがたみ! 実感です。

蛇足ながら、努力しなくても親にはなれます!
しかし、いくら努力しても、親を超えることはできませんよ~。

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