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2011年3月 4日 (金)

「戦戦兢兢」解説ページ 

2011020602ranten 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 過日、TVドラマを見ていたときのこと。
とある役者(脇役)が主役の相手に尋ねる。

「じこん」とは、どういう意味か、アンタ知ってるかね?」と。

 さて、ここで問題です。

「而今じこん」とはどんな意味でしょうか?(笑)

 ちなみにTVドラマでは、その脇役が、
「而今じこん」の意味を主役に伝え(教え)、

その後、「而今じこんとは、いま」という説明文が、画面一面に表示されるという丁寧さであった。

 そこで、この語句を「角川新字源」で検索してみた結果は次の通り。

【而今而後】じこんじご 今からのち。今後。〔論・泰伯〕

 おっ、
論語の泰伯篇たいはくへんに、その記載がある!

 早速、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「泰伯たいはく第八」を見てみる。

 すると、タイトルの四字熟語もあるではないか!

 ではではと、同書からの引用を主にお届けすることに決定。(^^♪

 しかし、ここで問題が!

 あまりにも、この章は著者(吉川博士)の解説が長い!

 そこで、泣く泣く、一部を割愛することに…。
残念!(笑)

 まずは、訓読です。

曽子そうじ、疾まい有り。
門弟子もんていしを召して曰わく、
が足あしを啓ひらけ、予が手を啓ひらけ。
に云う、戦戦兢兢せんせんきょうきょうとして、
深淵しんえんに臨のぞむが如ごとく、薄冰はくひょうを履むが如ごとしと。
而今いまよりして後のちは、吾れ免まぬがるることを知るかな、小子しょうし

 次に、その現代役です。

曽子(孔子の弟子)が危篤状態になった。
彼(曽子)は弟子たちを呼び寄せて言った。
「私の足を見よ、私の手を見よ。」(どこにも損傷は無いだろう!)
「詩経にはこんな詩がある。『おそれつつしんで、
深い淵を覗き込むように、また、薄い氷を踏んで渡るように慎重にせよ』と」。
「私も父母からもらった体を損傷しないように、言行を慎んで今日まで生きてきた」。
「しかし、今から後、私はそのような心配から解放されるのだ。どうだ、若者たちよ。」と。

 続いて、吉川博士の解説の一部です。

・曽参そうしん、すなわち曽子そうじは、孔子より46歳若かったと、「史記」の「弟子列伝」に見え、かつ、この条は、その臨終の記録であるから、孔子の死後、何十年か経ってのことと、思われる。

・「曽子、疾まい有り」とは、まえの述而篇の孔子についての記述で言えば、「疾まい病へいなり」であり、すなわち病気が危篤になった意味である。詳しくはこちら

・この章は、「孝経」に見えた「身体髪膚、之れを父母に受く、敢えて毀傷せざるは、孝の始めなり」という有名な孔子の言葉と、密接に関連して、解釈されて来た。

・しかし、いささか疑古派的な態度をとるならば、「孝経」という書物は、叙述の仕方、文章の様子からいって、「論語」よりはだいぶのちのものと思われる。

・したがって、この章を「身体髪膚」云々と対応させずに読む読み方も、可能なのではないか。
すなわち、単に完全な肉体を保ち得たばかりでなく、忠実な人間として、生命を享受することを義務とし、その言行に、戦戦兢兢と、注意をはらいつづけて来た人物が、その義務を果たしえたよろこび、またその義務から解放されるよろこびを、語ったものとして、読むことはできないか。

・引用された「詩」の三句は、いまの「詩経」では、「小雅しょうが」の「小旻しょうびん」の篇の、最後の章に見える

・また「而今」の二字を古点も後藤点も、「きょう」と訓じているのは、古注の周生列の説が、「而今而後」を、「乃今日而後」とおきかえるのに、もとづくものであろうが、じつは、「而今」の二字で、「今」の一字と同じであり、「而」は、かるく上に添わった助字であると思われる。

したがって「而今」は、「きょう」というよりも、もっと集中された時間、いまのこの瞬間、と読んだ方が、良いと思われるので、ここには、旧訓をあらためた。

・「吾知免夫小子」の「夫」の字は、上につけて、「吾れ免るるを知る夫かな」と読むのが、普通であって、その方がよいであろう。北野本の点が、「夫」を下につけて、「吾れ免れんということを知んぬ、夫の小子」と読むのに従わなかった。

 おぉ~、
「その言行に、戦戦兢兢と、注意をはらいつづけて来た人物」
ねぇー。

この言葉をどこかの国の首相は、ご存知なのであろうか?

 おっ、
そういえば!

 先の衆議院予算委員会において、とある野党の質問者が
「民無信不立(民たみ、信しんくば立たず)」という
〔論語・顔淵がんえん第十二〕の第7章を引用し、まなじりを決して、
K首相に詰問している光景をTV中継で目にしたのであるが…。

 蛇足ながら、タイトルの熟語を「角川新字源」にて検索すると次のように。

【戦戦】せんせん おののくさま。おそれるさま。
【戦戦恐恐(=兢兢)】せんせんきょうきょう おそれつつしむさま。〔詩・小旻〕「戦戦兢兢、如臨深淵、如履薄冰」

 では、あなたにお伺いします。

 あなたが「而今而後じこんじご」、すなわち、今後、「戦戦兢兢せんせんきょうきょう」として臨むものは何ですか?

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