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2011年7月29日 (金)

「無憾」解説ページ

11071702nikkokisuge 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 その秋田の友人と、
私はこのブログを共有している!?

 つまり、彼の撮った写真を、私がこのブログ記事に掲載する。

また彼が、私のブログ記事の中で気に入った点があれば、
コメントを書き込んでくれる。

それに私がコメントを返す。

 さらに彼は、「もっと短く、わかりやすい記事を書け!」という注文、
否、主観的なフィードバック(リクエスト? アドバイス?)までくれる。

それに対して、私は「そうはいうても…」(笑)と応える。

 こんなやり取りを、もう5年近くも続けている。

 ところで彼は、私に怨うらみを抱いているだろうか?

 あるいは、5年近くもこんな関係を続けている自分自身に対して、
彼は憾うらみを感じてはいないだろうか…?

 もちろん私は、彼との関係や、やり取りに、「憾うらみ無からん!」

 そこで今日は、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の中から、タイトルの語句がある一章を、同書からの引用を主にお届けします。

 ますは、訓読です。

顔淵がんえん・季路きろ、侍す。
わく、
んぞ各おのおの爾なんじの志こころざしを言わざる。
子路しろわく、
ねがわくは車馬しゃば衣軽裘いけいきゅう、朋友ほうゆうと共ともにし、
れを敝やぶりて憾うらみ無からん。

 次に、その現代役です。

弟子の顔淵(顔回)と季路(子路)が孔子の傍にいた。
孔子が言った。
「君ら2人の理想とすることをそれぞれ言ってごらん。」
子路が言った。
「私の理想は、同門の友達と乗物や衣類を共有して、
たとえこれらを損傷したとしても残念に思わないことです。」と。

 続いて、吉川博士の解説です。

・顔淵すなわち顔回と、季路すなわち子路とが、孔子のそばにいた。
ふと孔子がいった。君たちそれぞれに、君たちの理想とする事柄をいってごらん。

・先生と同じように、弟子たちも皆、理想家であることを、孔子はもとより知っていた。

・盍こうの字は、盍んぞ……ざる、と読み、カフというその仮名づかいが示すように、何不の二字がつづまったものといわれる。

・まっさきに返事をしたのは、例によって気の早い子路であった。

・ところで子路の言葉のなかの車馬衣軽裘の軽の字は、あとから附加されたものであり、古い本文にはなかったいうことが、清朝の学者によって論定されているから、それを削って読むと、願わくは、車馬衣裘、朋友と共に之れを敝やぶりて、憾み無からん、

くるま、うま、きもの、毛皮の外套、つまりわれわれの生活でいえば、高級車、電気蓄音機を、友だちと共有し、友達といっしょに、つぶれるまでつかう、しかもくよくよしない。そうした生活をしたいと思います。

・つまり子路の理想とするところは、激烈な友情である。

・ここにあげた後藤点の訓のように、朋友と共にし、之れを敝やぶりて憾うらみ無からん、という読み方、つまり共の字で句をいれる読み方と、古い日本の訓点のあるもののように、敝之までを一くぎりとし、朋友と共に之れを敝やぶり、而しこうして憾み無からんとよむ読み方と、ある。

<以下割愛>

 う~ん、困ったぁ~。
タイトルの熟語が、『角川新字源」には見当たらない!

 ちなみに、この一章(公冶長篇こうやちょうへん第二十六章)は少々長いので、次の3つに分けてお届けしようと計画したのであるが…。

1.まずは、イントロ(導入)部分と子路の発言(理想像)を、
2、そして次は、顔淵<顔回)の理想とするところを、
3.最後に、孔子が自らの理想像を語る箇所をと。

 そして今週は、とりあえず、「無憾」、つまり「憾うらみ無からん」というタイトルを付したものの、愛用? の『角川新字源』には、タイトルの語句はもちろん、その他の語句についても、〔論・公冶長〕の文言が見当たらない!

 また、吉川博士がおっしゃる、「車馬」「衣裘」を検索しても、
以下の通りで、「電気蓄音機」は出てこないし、見当たらない。

【車馬】しゃば ①車と馬。②転じて、人々の往来。客の出入り。

【衣裘】いきゅう 衣服をいう。裘は、皮ごろも。

 蛇足ついでに、他の「論語」に関する本を見てみても、
「電気蓄音機」という文言には遭遇できない。

 グリコ! お手上げである。

 それでも、では、ではと、視点を変えて(気を取り直して?)
「盍んぞ……ざる」という語句を検索してみることに。

【盍】コウ(カフ) なりたち:会意。もと、皿に盛ったものにふたをしたさまにより、ふたする意を表わす。借りて、疑問詞に用いる。

意味:①おおう。ふたする。②あう。会合する。③なんぞ。④なんぞ…ざる。再読文字。どうして…しないのか。→付・助字解説。

 おっ、あったぁ~(^^♪

 「付録の助字解説を見よ」というので、見てみると
私の目に、求めるものが飛び込んできた!

【盍・闔】コウ(カフ) ①なんぞ…ざる。どうしてしないのか。したらどうだ。何不と同じ。〔論・公冶長〕「盍各々言爾志」

 おぉ~、やったぁ~!
継続は力なり!?(笑)

人に(ニ)は(ハ)辛抱(心棒)第(台)一!
(と順に書けば、「金」という字になるはずですが…)

 これで気を良くした私は、更なる検索を。

【憾】カン なりたち:会意形声。感カンに心を増し加えて、感と区別し、おもに「うらむ」意に用いる。

意味::①うらむ。ものたりなく思う。心残りに思う。「遺憾」→付・同訓異義。②うらみ(恨)③うらみをもつもの。

 おっ、また、「付録(の同訓異義)を見よ!」という。

「もしかして…」、と淡い期待を抱いて、「同訓異義」見てみれば、

   うらむ

【怨】えん 人をうらむ。

【憾】かん 「恨」の浅いものをいう。残りおしく思う〔論・雍也〕「敝之而無憾」

【慊】けん 心にふくんでわすれない。また、意に満たない。

【恨】こん 心に残り、うらみのきわめて深いこと。残念に思う。人に対してよりも自分に対してのことば。

【懟】つい/たい 人をうらむ。「怨」に同じ。

【望】ぼう 思うようにならないで不満をもつ。悵望ちょうぼう

 おぉ~
同じ「うらむ」でも、こんなにもある!

だから、日本語は難しい!?(笑)

 ちなみに、いまの今まで、私は「望」に「うらむ」という意味があることを知らなかった!

 「何!? お前、そんなことさえ知らんの!」

とおっしゃるあなたは、「うらむ」という文字が、
こんなにもあることをご存知でしたよねっ。

 そして、そんな(賢明な)あなたは、何か変、おかしい!
「誤植か?」とも思われましたね。

 そうなんです!
大発見なんです !!!

「敝之而無憾(之れを敝やぶりて憾うらみ無からん」という語句の出典が、『角川新字源』では、〔論・雍也〕となっているんです!

 正しくは、〔論・公冶長〕です。

 驚いたぁ~!
辞書に誤植があるとは~…。

人間のやることに、ミスはつきもの!?

 では、発行者(出版社)を怨む?
または、辞書をうらむ?

 それともこの辞書を、5年間も信じて、愛用してきた
自分自身を憾うらむ(残念に思う)!?

 いや、いや、それもこれも愛嬌!
いずれに対しても、「憾うらみ無からん!」(^^♪

 では、あなたにお伺いします。

 あなたが憾うらみ(心残り)に思うことは何ですか?
その憾うらみは、何をどのようにすれば消せますか。

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