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2011年9月17日 (土)

「諸夏」解説ページ

11080601chinguruma 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 「お宅の大番頭さんが辞めたらしいですね」
と出会い頭に、私に尋ねる某商社のOさん。

 「えっ、うちの大番頭さんって、誰です?」
素知らぬ顔で応える私。

 「Sさんですがなぁー…」
意味深な笑みを浮かべて答えるOさんの言葉には、
次のような言外のことばが。

「何(どんな事情)があったのです?」
「それで(Sさんが辞めて)、お宅は大丈夫なんですか…?」
「その辺のところをお聞きしたいのですが…」

そんな声と表情で、私の顔を覗き見るOさん。

 これに対する私の答え(返事)は、「ご心配なく!」
「大番頭の1人や2人辞めても、うちはビクともしません!」
「どうぞご安心ください」。

 すると、Oさんは…、
という続きは次回のお楽しみ!

 今日は、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫の「八佾はちいつ第三」から、それ(私の発言)に関係すると思われる一章をとりあげ、同書からの引用を主に紹介することに。

 ますは、訓読です。

わく、
夷狄いてきの君きみるは、
諸夏しょかの亡きに如かざる也なり

 続いて、その現代訳です。

孔子が言った(先生の言葉である)。
「仮に、周りにいる夷えびす〈蛮族〉に君主がいたとしても、
それは、中国に君主がいない状態にも及ばないのだよ」と。

 次に、吉川博士の解説です。

・諸夏しょかとは、世界の中心と意識された中国の地域を、賞賛と自信とをこめていう言葉であり、夷狄いてきとは、その周辺にいる未開民族を呼ぶ言葉である。
 
・夷狄は野蛮であり、諸夏は文明である。

夷狄にはたとい君主があったとしても、そこには文明がない。

それに反し、諸夏、すなわち中国には、無君主の状態が出現した場合にも、なお脈脈たる文明の伝統が存在する。

だから、夷狄の君有るは、諸夏の君亡きにさえも如およばない、というのが、皇侃や邢ヘイなど、古注、すなわち何晏の「集解」を述べた、宋以前の学者の説である。

もっとも古注そのものは包氏を引いて、諸夏とは中国なり、亡ぼうは無なり、と注するだけで、そこまで考えていたかどうかは分からない。

・中国のみを文化の所在とし、その他は非文化地域であるとする考えは、いわゆる中華思想であり、中国に大変早くからあった思想である。

だから、「論語」のこの条についても、普通の読み方は、上(筆者修正:同書は「右」)のようであった。

・宋儒は、夷狄にさえも君主がある、いまの中国が無君主、無政府の状態にあるのとはちがっている、つまり、夷狄の君有るは、諸夏のそれ亡きが如きにあらざるなり、と読みかえている。

・いくら夷狄に君主がいても、中国の文明にはかなわぬ、という皇侃の解釈は、満州出身の夷狄の君主である乾隆帝には、都合のわるいものだったのである。

 う~ん、
あまりにも丁寧な吉川博士の解説にギブアップ!
その(解説の)多くは、割愛したのであるが…。

 要は、古注と新注では「不如諸夏之亡也」の読み方が違う。
したがって、その解釈も違う、ということ。

・古注は、夷狄の君有るは、諸夏の君亡きにさえも如およばない、
という中国をほめたたえる言葉。

・一方の新注は、夷狄の君有るは、諸夏のそれ亡きが如きにあらざるなり、つまり、無君主状態の中国(魯の国)の現状を孔子が嘆いたという読み方と、その解釈である。

 ちなみに、「諸夏」とは? と『角川新字源』にて検索してみれば、

【諸夏】しょか 中国のこと。中国内のもろもろの国々の意。〔論・八佾〕「夷狄之有君、不如諸夏之亡也」

 んっ、夏=中国?
何で(どうして)、「夏=中国」なのか?

この辞書にはその説明がない、
あまりにも手抜き!?(笑)

 そこで、他の本(『論語新釈』 宇野哲人(著) 講談社学術文庫)を見てみる。すると、次のように。

諸夏=諸は衆、夏は大、人民が衆多で土地が広大だから諸夏というのだという。

 おぉ~、なるほど、納得!

 ではでは、「諸」と「夏」のそれぞれの意味を、私は検索してみることに。その結果は以下の通り。

【諸】ショ 
[なりたち] 形声。旧字は、言と、音符者シャショ(おおい意→庶ショ)とから成り、多言、ひいて、多い、「もろもろ」の意を表わす。

[意味] ①もろもろ。多くの。いろいろの。

【夏】 
[なりたち] 象形。人が大きな面をかぶって舞っているさまにかたどる。もと、舞の名。夏祭りの舞から転じて、四季の「なつ」の意に、また、嘏に通じて、おおきい意に用いる。

[意味]二 ① 中国。むかしの中国の自称。「中夏」 対義語:夷

 そこで、「夷」で始まる熟語を検索して、次の語句を得る。

【夷狄】いてき=【夷蛮(蠻)戎狄】いばんじゅうてき 東夷・西戎・南蛮・北狄の略。中国周辺の異民族の総称。

【夷夏】いか 夷狄いてきと中国。蛮族と中国。
同義語:夏夷。

 んんっ、「夏夷」?
あったかいなぁ~…?
と記憶をたどりながら、【夏夷】を同書にて検索するも見当たらず!

 おぉ~、またまた私はやってしまった!

 コレクター(収集家)の私は、諸々(もろもろ)の漢字に遭遇するたびに、次から次へと検索する。

すると、冒頭の会話とこの一章との関係も、また紙幅の残りも、
そして時間の経過も忘れ、老いの将まさに至らんとするを知らず!

つまり、脈絡も、また終点も、そして今日のゴールさえも見失う。
高齢者の仲間入りをしたということさえも忘れて!

 そんな私を見て、ひそかに微笑むあなた、
あなたは何に夢中になると後先が見えなくなるんです?

 えっ、
老いらくの恋!?(笑)

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