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2013年4月14日 (日)

「入室」解説ページ

1303044 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 「あいつ、うちの家にも
あぁやって入ってくるんぞぉー!」

と、苦々しげな口調で、吐き捨てるように、
私に向かって語りかけるオーナー社長のTさん。

 その後、T社長は私に、次のように尋ねる。
「お前どう思う!?」と。

そう、おっしゃられてもぉ…。

 このことの詳細、経緯を述べるその前に、

まずは、「論語」の一章を見てみることに~(^。^)

早速、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 朝日文庫からの引用を主に始まる以下の先進せんしん第十一 第15章を篤とくとご覧あれぇ~♪

 最初は、訓読です。

わく、
ゆうの瑟しつ
ん為れぞ丘きゅうの門もんに於いてせん。
門人もんじん、子路しろを敬けいせず。
わく、
ゆうや堂どうに升のぼれり、
まだ室しつに入らざる也なり

 次に、その現代訳です。

孔子が言った(先生のお言葉である)。
「由(弟子の子路)の瑟しつの弾き方ときたら…、
何も私(丘=孔子)のうちでやらなくてもよさそうなものを…」。
他の門人はそれを聞いて、暫く子路を尊敬しなかった。
孔子は再び言った。
「由(子路)は私の座敷に通るだけの域には達している。
が、まだ奥の間に入るだけの領域には達してはない」

 続いて、吉川博士の解説の一部です。

・由、すなわち子路は、れいの元気な弟子である。

・瑟しつとは大きな琴である。
普通の琴は七弦であるが、これは二十三弦、もしくは二十五弦、もしくは二十七弦である。

・子路も、孔子の弟子の一人として、孔子の教育が必須の課程とした音楽を学んだが、
その瑟のひき片は、子路の人柄にふさわしく、あまり調和を得たものでなかった。

そこで、孔子がいった。
あんな弾きかたの瑟なら、なにもわざわざ私のうちで、やらなくてもよさそうだ。

・「由之瑟」を、日本写本はおおく、
「由之鼓瑟」に作る。
この場合の「鼓」の字は、動詞であり、
「由の瑟を鼓くや」、と読む。

・また「奚為」は「何為」と同じであって、
なにもわざわざ、の意

といって、孔子は子路を愛していないではない。
このことばは、一種のユーモアであった。

ところが、他の弟子たちは早合点をして、
それからしばらく、子路を尊敬しなかった。

孔子はふたたびいった。
由も、私の座敷に通るだけの資格はあるのだが、
奥向きの部屋に通るだけの資格がまだないというのだよ。

・古代の中国の家、あるいは古代ばかりでなく、
現代の中国の家でも、原則として南むきに建てられている。

その前半分の表座敷、客間が、「堂」であり、
裏がわ、すなわち北側にある小部屋の私室が、「室」である。

・「堂に升れり矣、未まだ室に入らざる也」というのは、
譬喩の言葉であること、いうまでもない。

以下割愛

 あれっ、
孔子はガサツな愛弟子に対して、あと一歩の奮起を促すために、
「由ゆうや堂どうに升のぼれり、未まだ室しつに入らざる也なり
とユーモアを交えて述べている。

 では、冒頭の「あいつ」、
すなわち、T社長から「あいつ」と呼ばれた男を
仮に、Yさんとすれば…、

YさんはT社長の座敷に通る資格は得ていても、
奥座敷に入るだけの資格は得ていない!?
ということなのであろうか…。

 う~ん、
そう言われてみれば…。

な~んか、
私にもそのような気が…。

すなわちT社長は、Yさんを評して以下のような範疇の人物
と言っているように、私には思えた(聞こえた)のですが…。

「可與立、未可與権」(子罕第九 第31章)
(与ともに立つ可し、未だ与ともに権はかる可からず」

 つまり、Yさんに対して、T社長は、
「ともに立つことはできたとしても、ともに臨機応変の処置を取り計らうことはできない」人だと、感じていた・考えていたのかもしれない…?

その思いが、冒頭の言葉となって
T社長の口から漏れたのかもしれない!?

と私は感じたのですが…。

 ちなみに、当該一章の中の熟語は…?
と、『角川新字源』にて検索した結果は以下の通り。

【入室】にゅうしつ ②学問、芸術の奥義に達する。
室は、奥の間の意。
〔論・先進〕「由也升堂矣、未入於室也」

【升堂】しょうどう ②学問技芸がかなりの深さに進むこと。〔論・先進〕「由也升堂矣、未入於室也」

 また同書にて、
「奚為」を検索するも遭遇できず。
う~ん、残念!

が、同書にて「何為」を検索すると…、
「付録の助字解説を見よ」と。

その「助字解説」を見た結果は次の通り。

【何】か ⑥何為。なんすれぞ。どうして。一説、なんのために。〔史・淮陰侯伝〕「何為斬壮士」

 では、あなたにお伺いします。
「升堂」も、「入室」ならず!

すなわち、あなたの座敷に通ることはできたとしても、
まだ、奥の間に入ることはできない!
と、あなたが考えている(感じている)身近な人はどなたです?

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