リンク集

« 忮求(しきゅう) | トップページ | 「辟世(ひせい)」 »

2013年5月25日 (土)

「辟世(ひせい)」解説ページ

1305162 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 「君が『是非!』と私に頼んだんやろぉ!?」

「だから私は、世捨て人同然の生活をする
という男を口説き落とし、三顧さんこの礼を尽くしてまで、
君が勤めている企業に紹介したのに!」

「あまりにも君は、無責任すぎる!」

と激高した口調で、電話口にて、
一方的にまくしたてるHさん。

 その事と次第は、紙幅の都合でひとまず横において、
今日はタイトルの熟語が出てくる論語の一章を!

 早速、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 朝日文庫からの引用を主に始まる以下の憲問けんもん第十四 第38章を篤とくとご覧あれぇ~♪

 最初は、訓読です。

わく、
賢者けんじゃは世を辟く。
の次つぎは地を辟く。
の次つぎは色いろを辟く。
の次つぎは言げんを辟く。 

 次に、この現代訳です。

孔子が言った(先生のお言葉である)。
「優れた人物は、乱れた世を避ける。
その次は、乱れた地(国)を避ける。
その次は、主君の顔色を見て避ける。
その次は、主君の言葉を聴いて避ける」。

 続いて、吉川博士の解説です。

・「辟」は避と同じである。

・もっともすぐれた人物は、
その時代全体から逃避する。
その次の人物は、ある地域かから逃避して
他の地域にゆく。
その次の人物は、相手の顔色を見て逃避し、
その次の人物は、相手の言葉をきいて、
それから逃避する。

・なににしても、逃避、隠遁についての教えであり、
突如としてあらわれる感じをまぬがれない。

しかし孔子は、がむしゃらな理想主義者でなく、
人間はさまざまな環境に遭遇することを、
よく心得ていたから、不幸な環境にいる場合の教えとして、こういう言葉も吐きそうにも思える。

 んんっ?
吉川博士は、賢者(すぐれた人物)の次第を
述べているようであるが…。

 ちなみに、私は『論語新釈』(宇野哲人〈著〉 講談社学術文庫)の
以下の言葉を引いて、現代訳としたのであるが…。

[語釈]○其の次つぎ=避ける次第をいうので、賢の次第をいうのではない。

 また、『論語』(金谷 治〈訳注〉 岩波文庫)を見ても、
「其の次つぎ」とは、「賢の次第」ではなく、
「避ける次第」のように、私には読める(思える)。

 蛇足ついでに、同書(『論語』 金谷 治〈訳注〉)には
次のような解説も付記されている。

この章には避退を善しとする道家思想の趣があり、
それから考えると、「避色」「避言」は
「美人から離れ」「ことばをやめる」ことかとも思える。

 では、『角川新字源』にはどのように?

と検索するも、「辟地」「辟色」「辟言」も、
また「避地」「避色」「避言」ともに見当たらず。
残念!

わずかに、「辟世」「避世」という熟語が以下のように。

【辟世】ひせい/よをさく けがれた世を避けてかくれる。〔論・憲問〕「賢者辟世」 同義語:避世

 さて、冒頭のHさんがおっしゃった、
「世捨て人同然の生活をするという男」の名前を、
仮にKさんとすれば、

このKさんも、けがれた(乱れた?)世を避け、
山中にて自然を楽しみながら余生を送るとのことであったが…。

 ちなみに、乱れた世の中とは、「乱世」のことであり、
ご存知の通り、次のような言葉も。

【乱世之英雄】らんせいのえいゆう 乱世に英雄となる人物。許劭きょしょうが曹操そうそうを批評したことば。
〔後漢・許劭伝〕「清平之姦賊、乱世之英雄」
(『角川新字源』より)

 また、けがれた世の中とは…?
と、同書(『角川新字源』)にて検索した結果、以下の字句が。

【穢土】えど 《仏》けがれた世界。この世。現世。
娑婆しゃば。塵世じんせい。濁世じょくせい。対義語:浄土

 んんっ、
この世は、塵世じんせいであり、濁世じょくせいである。

 ということは…。

好むと好まざるにかかわらず、
人は塵世じんせいを生き抜く賢者であり、勇者だ!

お粗末!(^_^;)

 では、あなたにお伺いします。
あなたは現世(この世)に、どのように関わっていきます?

« 忮求(しきゅう) | トップページ | 「辟世(ひせい)」 »

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「辟世(ひせい)」解説ページ:

« 忮求(しきゅう) | トップページ | 「辟世(ひせい)」 »

2024年1月
  1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31      

最近のトラックバック

無料ブログはココログ