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2013年10月13日 (日)

「小過」解説ページ

1308011 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 さて、所用があってMさんを訪ねれば、
Mさんは何やら浮かぬ顔。

「私の留守中に何かあった?」
と私が尋ねると、Mさんは次のように。

「ワシ、今月で辞めるんよ」。

 「えっ、どうしたん?」
と再び私が尋ねれば、
Mさんは、「ちょっとあってな」と。

 この「ちょっと」が、
果たして「小過」なのか?

それとも「大過」なのかは、
しばらく横に置いといて…。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 朝日文庫からの引用を主に始まる「子路しろ第十三」 第2章を
とくとご覧あれ~♪

 最初に訓読(読下し文)を。

仲弓ちゅうきゅう季氏きしの宰さいと為りて、
まつりごとを問う。
わく、
有司ゆうしを先さきにし、
小過しょうかを赦ゆるし、賢才けんさいを挙げよ。
わく、
いずくにか賢才けんさいを知りて之れを挙げん。
わく、爾なんじの知る所ところを挙げよ。
なんじの知らざる所ところを、人ひとれ諸れを舎てんや。

 次に、その現代訳(意訳)を。

弟子の仲弓が、魯の家老である季氏の官吏の長となり、
政治の要諦について、孔子に尋ねた。
孔子が言った(先生のお言葉である)
「役人の仕事を優先させ、
小さな過ちをゆるして、すぐれた人を用いなさい」。
仲弓がさらに尋ねた。
「どのようにしてすぐれた人を知って、これを用いるのですか」と。
孔子の答え。「君が知っている人を登用しなさい。
君が知らない人は、周りの人々が放っておかないから」。

 続いて、この一章の、吉川博士の解説を

・魯の家老季氏の領地の奉行となった仲弓が、
奉行としての政治の要諦を問うたのである。

・孔子の答え。先有司。この三字の解釈は
一定しない。
有司とは、役人の意であるが、部下の役人たち、
すなわち部長、課長たちを、適材適所に配置することが、先務である、という説に、しばらく従う。

そうして小さなあやまちは見すごし、賢才、
すなわちすぐれた才能のあるものを抜擢せよ。
下位の者を上位に抜擢すること、
また民間から人材を挙用すること、
いずれも、含むであろう。

・仲弓は、さらにたずねた。
すぐれた才能のあるもの、それはどういう風にして
その存在を知り、抜擢しますか。

・答え。まず君の知っている人間を抜擢せよ。
君の知らない人間に賢才があるとすれば、
人人がそれをほっておくはずはない。
人々の批判は公平である。
賢才であるという評判が、きっと君の耳に
はいるはずだ。

其舎諸、といういいかたは、雍也ようや第六にも、
「犂牛りぎゅうの子、騂あかくして且つ角かくならば、
用うること勿からんと欲すと雖も、
山川其れ諸れを舎てんや」と見える。

そうして、それはあたかも、仲弓その人を
孔子が批評して、仲弓ほどの才能が、見捨てられる
はずはないとした言葉である。
(詳しくはこちら、「犂牛の子」解説ページ)

 ちなみに、この一章の熟語を
角川新字源』にて検索した結果は以下の通り。

【有司】ゆうし 官吏。司(担当)があるの意。

【賢才】けんさい=【賢材】けんざい すぐれた才能。
また、その人。〔論・子路〕「赦小過挙賢才」

【小過】しょうか ①小さなあやまち。小失。〔論・子路〕「赦小過挙賢才」
②易えきの六十四卦の一つ。 。小さいことにはよいかたちとされる。

 さて、冒頭のMさん、
その生い立ちゆえにか、
あるいは、俗世間にもまれるうちに、
自然に身についたアカなのか、
少し、クセがあった。

 このクセのあるMさんを、
創業者はかわいがり、
重要なポストに登用した。

 ところが、寄る年波か、
創業者の力に陰りが生じ始めると、
社内に潜んでいた魑魅魍魎ちみもうりょうが跋扈ばっこし始めた。

 そして彼ら、様々な化け物たちは、徒党を組み、
Mさんの過去を暴き立てた。

それはまるで、「訐あばいて以って直ちょくと為す」、
すなわち、「人の秘密を暴き立てて、それが正直者のすることだ」
といわんがばかりに…。

 すると、創業者が見て見ぬふりをしていたMさんの小過は、
Mさんの言動に不満を抱いていた彼ら、化け物たちによって、
大過に仕立て上げられた。

 かくして、四面楚歌しめんそかを感じると同時に、
周りの環境の変化に愛想が尽きたMさんは、
S社に見切りをつけて退職することに…。

 そこで、あなたにお伺いします。

実力者の交代によって、あなたの周りでは、
どんな不可解な人事が起こりました?

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