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2014年6月14日 (土)

「人皆見之(ひとみなこれをみる)」解説ページ

1403177 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 さて、あなたは
「善管注意義務」という言葉を
ご存知でしょうか…?

「善良な管理者の注意義務」
という言葉を縮めたものですが…。

 では、ゴルフの競技において、
同伴者がルール違反をしていないか!?

他の同伴者は、
注意して見る必要があるのでしょうか。

あるいは、企業に於いては、 

役員が不正をしていないか、
他の役員は、心を配って見る義務がある!?

などという小難しい話は、
暫く、お預け。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選5 
朝日文庫からの引用を主に始まる
以下の「子張しちょう第十九」 第21章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

子貢しこうわく、
君子くんしの過あやまちや、
日月じつげつの食しょくの如ごとし。
あやまつや、人ひとな之れを見る。
あらたむるや、人ひとな之れを仰あおぐ。

 次に、現代訳を。

子貢しこうが言った(孔子の弟子の子貢の言葉である)。
君子の過ちは、
日食や月食のようなものだ。
過ちを犯せば、人はみなこれを見る。
過ちを改めれば、人はみなこれを仰ぎ見る。

 続いて吉川博士の解説を。

・意味は説明するまでもあるまい。

皇侃おうがんの「論語義疏ぎそ」に、
日食月食は、日月の故意の行為でないことは、
君子のあやまちが、君子の故意の所為でない
のと同じだというのは、おもしろい注意である。

・またこの条の背景として、日月食に対して
むけられた古代人の意識をいえば、
日食は早くから注意された。

最古のクロノロジー(chronology。年代記)である
「春秋」には、日食の起った日附けが、
きちんと記されている。

またその発生の時期を予測する方法も、
子貢のころには、すでに知られていた。

しかしなお、天地の異変の一つとされ、
その際に行う儀礼が、「礼」のあちこちに見える。

月食の方は、まれに記載され、
この章もそのまれなものの一つである。

以下割愛

 う~ん、
君子の過ちが、
「日月の食の如し」ならば…。

心の隙間に、悪魔が音もなく忍び寄り、
その甘いささやきに抗し切れず、つい、…。

ほんの出来心や、一瞬、魔が差したなどと、
言い訳をする凡人の過ちも、「日月の食の如し」?

とはいえ、私は日食や月食の言い訳など
耳にした例がないのであるが…。

 ところが、小人の過ちは、
「これくらい、これくらいは…」が高じたその果てに…。

周りの人々から見れば、明らかに過ち!
と思えるものであっても、当人には
過ちを過ちと認識できない。

あるいは、小人の過ちとは、
意図的なものであって、
故意や悪意が心の奥底に潜んでいる…?

これに対して、君子の過ちは、
偶然や偶発的なもので、突発的なもの?

 では、『角川新字源』にはどのように?
と、この一章の語句を検索した結果は、以下のとおり。

【君子之過也如日月之食】くんしのあやまつやじつげつのしょくのごとし 君子があやまちを犯すときは、日食・月食のようなもので、一時的に明徳がおおわれても、すぐ改めて、またもとのりっぱな状態にたち返る。〔論・子張〕 

 ちなみに、タイトルの語句、
すなわち、「人皆見之ひとみなこれをみる」は?

と検索したものの…、残念!
その記載には、遭遇できず…。

 そこで、『論語新釈』 宇野哲人 講談社学術文庫を見れば、
以下のような記述が!

「人皆之これを見る」のは、君子はその過ちを
文飾掩蔽ぶんしょくえんぺいしないからである。

日月の食しょくは旋めぐって本もとに復かえって
その明めいを損そんすることはない。

故に君子は過ちを改めるのに吝やぶさかでなく、
徳がいよいよ光る。(張栻ちょうしょく

 おっ、
ということは…。

君子と凡人の違いは、
以下の2点に尽きる!?

・「文飾掩蔽ぶんしょくえんぺいしない」。

すなわち、たとえ、過ちを犯しても、
言い訳したり、覆い隠したりしない。

・「一時的に明徳がおおわれても、すぐ改めて、
またもとのりっぱな状態にたち返る」。

すなわち、不貳過(過あやまちを弐ふたたびせず)!?

 では、あなたにお伺いします。

あなたの周りの人々が過ちを犯した時、
あなたが興味をもって見るのは、その人が過ちを犯した時、
それとも、その人が過ちを犯した後の言動のどちらでしょうか。

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