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2014年6月28日 (土)

「固窮(こきゅう)」解説ページ

1406072 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 ある日の朝のできこと。

内線電話の呼び出し音に促された私が、
おもむろに受話器を取り、耳にあてれば、以下のような声が。

「忙しいか?
すまんが、ちょっと来てくれんか」
というオーナー社長のリクエスト。

早速、私が社長室に出向いたところ、
そこには社長の他に、副社長と営業部長の顔が。
 

 私の顔を見るなり、
社長は次のような事情説明とリクエストを。

「営業部長が言うにはな、
『お客さんはどんなことがあっても、
納期を守れ(納入期限内に納品せよ)!』というし…。

うちの製造部長は『できんもんはできん(絶対、無理)!』
の一点張りで話にならん言うてのぉー。

それで、とうとう、わしに、『社長、何とかしてください』
というて来たんやがのぉー…。

おまえ、何とかならんか?」と。

 この社長の言葉に、私の心の中には
次のような問い(疑問)が。

「えっ、
社長の鶴の一声でも!?」

すなわち、社長の権威・権力をもってしても
製造部長の首を縦に振らすことが出来ない異常事態!?

それをこの私にとは…?
などという込み入った話は、後のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 朝日文庫
からの引用を主に始まる、以下の「衛霊公えいれいこう第十五」 
第2章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

ちんに在りて糧りょうを絶つ。
従者じゅうしゃんで能く興つこと莫し。
子路しろいかって見まみえて曰わく、
君子くんしも亦た窮きゅうすること有る乎
わく、
君子くんしもとより窮きゅうす。
小人しょうじんきゅうすれば、斯ここに濫らんす。

 次に、現代訳を。

孔子の一行は、陳ちんの国で食糧がなくなった。
孔子に従う弟子たちは疲れ果て、立ち上がることもできなかった。
子路が腹を立てて、孔子に尋ねた。
「君子でも困窮することがあるのですか!?」と。
孔子は答えた(先生がおっしゃいました)。
「君子でも困窮するときはある。
「小人は困窮すれば道にはずれた行いをするが、君子は違うよ」。

 続いて吉川博士の解説を。

<前略>

・孔子の生涯における危機の1つであった。

孔子につきしたごう弟子たちは病み疲れ、
立ち上がることさえ出来なかった。

もっとも腹を立てたのは気の早い子路であり、
ふくれづらで、孔子の前へ出ていった。

君子にもまた固窮ということがありうるのですか。

孔子の平生の教えの傾向は、善意は必ず善意を
以ってむくいられるというのにかたむくにも拘らず
ただいまの状態はそれに反しているというのが、
子路の、先生に対する詰問の理由であったであろう。

孔子はこたえた。
君子といえども、もとより困窮するときがある。

ただ小人とちごうところは、小人は困窮すれば
すぐ過度の行為、つまり乱暴、自暴自棄におちいる
が、君子はそうでない。

説明的にいえばそうなるであろうところを、
孔子の言葉は、より簡素に、より含蓄ぶかくいう、

「君子固より窮す。小人窮すれば斯ここに濫す」。
古注に「濫は溢あふれて非ひがごとを為す也」。

・「君子固窮」の四字は、君子固もとより窮す、
と読むのが普通の説であるが、新注には
一説として、北宋の程子が、其の窮を固守す、
窮(きゅうヲまもル)、と読んだのをあげる。

その説は必ずしも程子に始まらないようであって、
たとえば陶淵明の詩には、
「飲酒二十首」の其の二「固窮の節に頼らずんば、
百世当まさに誰か伝うべき」、

其の十六「竟ついに固窮の節を抱きて、飢寒は
し所に飽く」など、「固窮の節」という言葉が
しばしば見えるが、いずれも窮を固まもるの意として
読んだ方がよく通ずる。

 う~ん、
「固窮こきゅう」とは、次のいずれ?

・固もとより窮す
・窮を固まも

と、『角川新字源』を見れば、以下のように。

【固窮】こきゅう いうまでもなく困難な境遇におちいる。
一説に、困難な境遇におちいっても、
かたくその境遇を守って、安易な態度をとらない。
〔論・衛霊公〕 「君子固窮、小人窮斯濫矣」

 おっ、
・固窮=困窮という意味と
・窮しても屈しない、
すなわち、たとえ困窮しても、「節を守る」。

つまり、吉川博士の解説通り。

 では、新注(朱子)の説が記されているという
『論語新釈』(宇野哲人 講談社学術文庫)には
どんな記述が? と同書を見てみた結果は…。

[語釈] ○窮す=困窮する。
[解説] この章は、困窮に処する場合を説いたのである。

やっぱり、こちらも吉川博士の解説通り…。

 それにしても、何で私は、
こんな些細なことに窮するの?

すなわち、行き詰って(困って)しまうのであろうか…。
but、「窮すれば通ず」ともいうし…。

などという泣き言や俗諺はさておき、
冒頭の「納期に間に合わない」窮状の話。

 とりあえず、私は製造部長のところに行って、
現実と見通しを尋ねた後、製造部長とともに、
製造現場に行って、現物を見て、現実を、
この目で確認することに…。

 すると、工場(現場)に入った途端、
異常な雰囲気!

製造部長は自暴自棄気味で、
部下は病んで能く興つこと莫し。

固窮、すなわち、困窮状態。

そんな中にあっても、「窮きゅうを固まもる」!

どんな困難な状態に陥っても、
お客様との約束は守る!

つまり、どんな状態であっても、
顧客に「信頼と安心・安全を売る企業」という
風土やイメージは固守する。

すなわち、「固窮こきゅうの節せつ」を貫く!

そのためには、「できんもんはできん」という
現場の声や安易な態度、言動を「できる」に変える!

その手法は?

と興に乗ったところで、残念!
紙幅の残りが…。

 では、あなたにお伺いします。

「固窮こきゅうの節せつ」、すなわち、どんな困難な状況に陥っても
妥協しない、つまり、信念を曲げずに貫き通した
あなたの体験談を1つ、私にそっと、お聞かせください。

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