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2014年7月26日 (土)

「穀(こく)」解説ページ

1406076 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 「どうして、あんたはS社を辞めたの?」
と知人に、私が尋ねれば…。

その知人は
以下のように答える。

「企業に魅力がなくなったから」。

「どうして、企業に魅力がなくなったの?」
と、私が問い返せば…。

知人は次のように。 

「企業に人がいなくなったから」。

「どうして、企業に人がいなくなったの?」
と、私がさらに問い返せば!

と、知人と私の問答は、さらに続くのですが
この続きは、後段に譲り…。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「憲問けんもん 第十四」 第1章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

けん、恥じを問う。
わく、
くにみちれば穀こくす。
くにみちきに穀こくするは、
じ也なり

 次に、現代訳を。

弟子の原憲げんけんが、「恥」について、孔子に尋ねた。
孔子が答えた(先生のお言葉である)。
「国家に道徳があれば俸禄を貰う。
国家に道徳が無いのに俸禄を貰うのは
恥である」と。

 続いて吉川博士の解説を。

・原憲が恥じを問うた。
恥ずべき行為とは何であるか、を問うた。

孔子の答え。
その国家が道徳国家である場合にこそ、
官吏として俸禄を貰うがいい。

その国家に道徳のない場合にも、
俸禄を貰うのは、恥じである。

以上は古注の解釈である。

・新注は、国家に道徳のある場合にも俸禄を貰い、
道徳のない場合にも俸禄を貰う、
とにかく、何でもいいから俸禄だけを貰う、
というのは恥じである、とする。

したがって新注系の和訓は、「邦道有るに穀し、
邦道無きに穀するは、恥じ也」となっている。

しかし、徂徠がいうように、
古注の方が、よろしいであろう。

・さきの泰伯第八の「天下道有れば則ち見あらわれ、
道なければ則ち隠る。
邦に道有るに、貧しくして且つ賤しきは、恥じ也、
邦に道無きに、富みて且つ貴きは、恥じ也」(第13章)
とあわせ考えれば、

邦に道有るときは、むしろ積極的に、
「穀」すなわち俸禄を貰って、はたらくべきである。

 あれっ、
冒頭の知人も、
この一章の解釈(現代訳)と同じようなことを…。

 ちなみに、知人が私に語った
彼の退職事由の要旨は、以下の通り。

 「企業に魅力がなくなった→人がいなくった」
その理由として、知人は以下のような言葉を。

「社長がワンマンで、
会社の金をポケットに入れてしまう。

それを皆が、見て見ぬ振りをして、
誰も、忠告・注意する人がいない」。

すなわち、法人でありながら、
オーナー社長が会社の金を私的に流用する。

それに対して、役員を含めた、全社員の誰もが
何も言わない、言わせない企業風土になっている。

つまり、企業にモラル(moral 道徳)も
モラール(morale 志気)も感じられなくなった。

そんな企業に生活(=給料。お金)のためとはいえ、
勤め続ける自分がみじめで嫌になった。

だから、彼はその企業を辞めた(退職した)と、
私に語るのであった…。

 ちなみに、この一章の語句を『角川新字源』にて
上から順に音読みで、検索した結果はといえば…、
以下の語句のみ。

【穀】コク 意味②ふちまい。俸禄ほうろく。扶持米ふちまいを受ける。〔論・憲問〕「邦有道穀」

 では、あなたにお伺いします。

モラル(道徳)もモラール(志気)も感じられなくなった企業に
「他社よりも給料がいいから」という理由だけで、
あなたは勤め続けることが出来ます?

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