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2014年11月22日 (土)

「放於利而行多怨(りによりておこなえばうらむおおし)」解説ページ  

1410301 画像は秋田の友人からのプレゼントです。

 30数年前のある日のこと、
私が以下のように言えば…。

「いま使っているその資材を
汎用品に切り替えようと
考えているんやけど…」。

すると、現場の作業者は
「何で?」と、すかさず問い返す。

そこで、私は一言、
「価格が高いから」と返す。

この私の言葉を耳にした当該作業者は
急に、不機嫌な顔付きに変わり、
次のように問い返す。

「じゃあ、俺らの心はどうなるんっ!?」

 この会話を要約すれば、
次のようになる。

CD(コストダウン)優先か、作業者の心、
すなわち感情を優先すべきなのか!?

 さて、この問いに対する、
あなたのお考えやご判断は…?

というその前に、先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 
中国古典選3 朝日文庫からの引用を主に始まる
以下の「里仁りじん第四」 第12章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
に放りて行おこなえば、
うらみ多おおし。

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生のお言葉である)。
「自分の利益ばかりを優先して行動すれば、
周りの人から怨みを受けることが多くなる」と。

 続いて吉川博士の解説を。

・利益という便宜的な価値、
そればかりにもたれかかって行動すれば、
怨みはふえるばかりであろう。

放は依なり、と古注に訓ぜられているが、
一度便宜的に発生した事象、それにもたれかかり、
ひきずりこまれてゆくのが、この訓詁の意味である
ように感ぜられる。

 う~ん、
吉川博士のおっしゃる
「便宜的な価値」とは…?

手元の国語辞典(『新明解国語辞典』)を検索すれば
以下のように。

べんぎ【便宜】都合のいい様子。

べんぎてき【便宜的】理想的ではないが、
ほかに上策も無いので、仮にそれに従う様子。
「便宜的〔=一時の間に合わせとして取る〕手段」

かち【価値】①人間の生活において、
それを好ましい(有用な)ものとして受け入れ、
精神的・物質的に充足を感じさる程度。
〔狭義では、値打ちを指す〕

 これらの意味から判断して、直訳すれば、
「利益」とは、以下のような言葉に置き換えることが出来る!?

一時の間に合わせとして取った手段であっても、
自己満足が感じられるものであり、有用なもの
として受け入れられるものであれば、何でもOK!?

つまり、利益とは、自分さえよければ、それでいい!
という代物になるのであるが…。

 ちなみに、「利益」という語句を
前出の国語辞典(『新明解国語辞典』)にて検索すれば
次のような意味が。

りえき【利益】①都合がよかったり役に立ったりすること。②もうけたもの。とく。

 う~ん、
この辞書の意味から察すると…。

「利益」という言葉自体には、
「良い・悪い」という響きや、
「怨み」を受けるような懸念や要素が
私には感じられない。

 そこで、『論語新釈』 宇野哲人(著) 講談社学術文庫を
開いてみれば、以下のような文言が。

[通釈]もし何事も利によって行えば人を害するから、人から怨うらみを受けることが多い。

[解説]己おのれの利益ばかり考えて他人の利益を尊重しないで怨みを受ける人は世間にはいくらもある。

 おぉ~、
納得!!!

世の中には、「利益」という言葉の響きに、
嫌悪感を覚えたり、蔑視する人がいるものの、
「利益」ということば自体に、良し悪しはない!?

すなわち、我利、我利亡者や、
「WIN‐Lose」が問題なのであって、
「WIN‐WIN」であれば、OK!
なのである。

 以上の視点に立って、冒頭の現場作業者と
私の会話を振り返れば、以下のようになる。

まず、現場の作業者は
「高いから」という私の言葉を
次のように考え、解釈した。

「価格が高い資材→安い資材に切り替えるのは、
あんたの都合や判断やろっ!

あんたは、我々、現場作業者の視点に立って
考えたことがあるん!?」と。

つまり、バイヤーの私が、
自分の立場や目先の利益のみを優先させ、
現場の作業者を無視した。

言葉を換えれば、私が自己の利益のみを優先させ、
現場の作業者を見下し、軽視している!
と、彼は考えた。

そこで彼は、現場の作業者を代表し、
「俺らの心」という言葉を使って反論した?

それに気づいた私は、
次のような問いを!

と興に乗ったところで、
残念! 紙幅の残りが…。

この続きは次回のお楽しみ。

 ちなみに、タイトルの語句ほかを、
角川新字源』にて検索すれば次のように。

【放於利而行多怨】りによりておこなえばうらむおおし 自分の利欲を中心に行動するときは、必ず人をきずつけ、その結果、ひとのうらみを受けることが多い。〔論・里仁〕

【放】ホウはなす・はなつ・はなれる
[なりたち]会意。もと、攴と、人(方は誤り伝わった形)とから成り、人を追いはらう意を表わす。
[意味]二②よる(依)〔論・里仁〕「放於利而行多怨」

 では、あなたにお伺いします。

利害が相反する人と会話を交わすとき、
あなたは、何(どんなこと)に心を配ります?

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