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2015年4月19日 (日)

「子之所慎(しのつつしむところ)」解説ページ

1503091 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、3月の中旬に、
ライバルから次のようなら挑戦状が!

「4月中旬の週で、
天候に恵まれると想定される日に
リベンジ戦を!」と。

ところが、私は4月中旬には
既に、別の予定(予約)が…。

 そこで私は、先約を優先した上で、
ライバルとの戦いも実現できるよう
日程を調整することに…。

そして、ライバルにはその旨を伝えると同時に、
そのらぶれた~の結びには、以下のような文言を。

「斎戒沐浴をして、
当日は上天気を引っ張ってきます!」

と言い切ったのであるが…。

 いざ、その約束の日の近くになると、
予期せぬ出来事、すなわちイレギュラーが。

突然、愚妻が体調を崩し、
以下のようにのたまう。

「私の病気で、あんたは2つの予定を、ともに
キャンセルしなければならんようになる!」と。

 「で、どうなった!?」

という続きは、
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「述而じゅつじ第七」 第12章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

の慎つつしむ所ところは、
さい、戦せん、疾しつ

 次に、現代訳を。

先生(孔子)が気をつけたことは、
斎戒沐浴、戦争、病気。

 続いて吉川博士の解説を。

・孔子が、その生活のなかで、
慎重に対処したものは、三つあった。

一つは斉さい、ものいみ。
この斉の字は斎と同じであり、
祖先の祭祀を行うまえの何日間か、
精神を集中するために、斎戒沐浴する
ことである。

第二は戦争。第三は病気。

・鄭玄の注は、この条から完全に読める。
この条の注は、
「斎を慎しむは、祖考を尊ぶ也、
戦いを慎しむは、民の命いのち
重んずる也、
疾を慎しむは、性命を愛する也」である。

うち「祖考」とは先祖、「性命」は、いまの
われわれの言葉でいえば、生命である。

・この条の古注すなわち何晏の「集解」は、
孔安国を引いて、
「此の三者は、人の慎しむ能わざる所、
而るに夫子は独り能く之れを慎しむ」である
が、それと鄭注とを比べると、鄭玄の方が、
より行きとどいた注釈であると、
感ぜられる。

 あれっ、
「慎」の送り仮名が…。

すなわち、この教科書(『論語』 中国古典選3 
朝日文庫)では、「慎む」が「慎しむ」になっている。

 では、『角川新字源』にはどのように?
と検索してみた結果は…。

つつしむ(慎む)」であり、
その意味については、付録の「同訓異義」を見よと。

で、見た結果を転載すれば、以下の通り。

つつしむ
【慎】しん めったなことをしないように、
じっと用心すること。
あがめとうとぶ意はない。
〔史・高祖紀〕「慎勿与戦」

 また、吉川博士は「慎しむ」=「慎重」とおっしゃる
ので、「慎重」の意味も同書(『角川新字源』)にて
検索した結果は…。

【慎重】つつしんで、かるがるしくしないこと。

 以上の結果からは、「慎しむ」は、「慎む」であり、
その意味は、「かるがるしくしないこと」「用心すること」
だと判断した私は、「気をつけたこと」という現代訳を
記したのであるが…。

 次に、「齊(斉)」の字を『角川新字源』にて
検索すれば、吉川博士のおっしゃる通り、
「ものいみ」という意味の漢字は、
「斉=斎」であると。

 では、ではと、同書にて「斎戒沐浴」を
検索してみたものの…、結果は以下の通り。

・【斎戒】さいかい ものいみする。
神をまつるとき、心身を清め、
また飲食をつつしみ、けがれを去ること。
また、その行ない。
〔孟・離婁〕「斎戒沐浴、則可以祀上帝」

・【斎沐】さいもく 斎戒沐浴の略。心身を清めること。

 つまり、「斎戒沐浴」とは、「斎戒」と「沐浴」であり、
『孟子(下)』(小林勝人訳注 岩波文庫)には
以下のような注釈が。

斎戒は物忌み〔して心身を清める〕。
沐は髪を洗うこと。
浴はゆあみして体を洗うこと。

 また、『角川新字源』にて、
「戦」と「疾」についても検索してみれば、
付録の「同訓異義」を見よと。

で、その付録を検索してみた結果は
以下の通り。

たたかう
【戦】せん おおぜいが切り合って戦う。
「闘」の大きいもの。
〔孟・梁恵王〕「王好戦、請以戦喩」

やむ
【疾】しつ 「疾」と「病」とを対すれば、
「疾」は軽く、
「病」はやまいがおもくなること。

「疾」「病」をそれぞれ別に用いると、
どちらも軽重にかかわりなく「やむ」
「やまい」の意としてひろく用いられる。
〔論・述而〕「子疾病、子路請禱」

 あれっ?
では、冒頭の「リベンジ戦」は、
「リベンジ闘」であり、
愚妻の疾病は、「疾」になる…?

などという細かい詮索や解釈については、
ほっかぶりを決め込み、
さて、冒頭の続き。

「何かをしようとすれば(思えば)、
必ず、何らかの障害が発生する」のは
世の常であり、人の常。

それが証拠に!?

珍しい人からの、突然の誘いに乗り、
私が約束を交わしたところ、
ライバルからの挑戦状がメールにて届く。

早速、私はライバルに2つ返事で応えたところ、
今度は、病気とは生来無縁の愚妻が
体調を崩す始末。

 で、愚妻が私に言うには…。

「私と友達との約束、
どっちが大切!?」

 そこで、あなたにお伺いします。

あなたはこんな時、すなわち
「私と友達との約束(遊び)のどちらが大切!?」

と奥様に迫られたとき、あなたはどのように答えます?

<「子之所慎しのつつしむところ」解説ページ  附録>

 この章、すなわち述而じゅつじ第七 第12章の解説には
この教科書(『論語上・中・下』 中国古典選3・4・5 
朝日文庫)中に頻出する固有名詞(人名)と書名に
ルビがふられておらず、さて、どうしたものかと…。

 また、「何晏の『集解』は、孔安国を引いて」
とおっしゃる吉川博士の言葉から、
「何晏」の生きた時代と
「孔安国」の生没年を知る必要がある!

と考えた私は、読者には煩わしいばかりで、
無縁のことであり、また余計な事だと承知しながらも、
横道にそれて、無駄な時間を費やす決断をした
のであるが…。

 先ずは、各々の人名を。

・【鄭玄】ていげん/じょうげん 127-200。
後漢末の学者
あざなは康成。山東省高密の人。
多くの経書に注釈をほどこし、
経学上の功績が大きい。

・【何晏】かあん 190-249。
三国時代の魏の人。
あざなは平叔。
名門の出で、侍中尚書になった。
老荘思想を好み、清談の風潮を開いた。
「論語集解しっかい」を著わした。

・【孔安国】こうあんこく/くあんこく 漢の武帝のときの博士。孔子の12代目の子孫。
「古文尚書」の伝(注釈)を作った。
これを孔伝という。ただし、現存のものは
しん代の偽作で、偽孔伝といわれる。

(以上、『角川新字源』より)

 んんっ、
「孔安国」については生没年が記されていない。
どうして…?

ちなみに、「漢の武帝のとき」といえば、
漢の武帝は、『角川新字源』によれば、
「(紀元)前140-(紀元)前87在位」とあり…、

また、孔子の12代目の子孫といえば、孔子は
「(紀元)前552(一説に551)-(紀元)前479」の人
であるから、「孔安国」は孔子の死後、400年近く後の
子孫ということになるが…。

 いずれにしても、吉川博士の解説によれば、
「何晏」は300年以上も昔の人の書を参考に
論語の注釈書を書いたことになる。

 次に、「論語集解しっかい」とは?
と同書(『角川新字源』)にて検索した結果は次の通り。

【論語集解】ろんごしっかい 書名。十巻。
「論語」の注釈書。
の何晏かあんが、孔安国・馬融など
八人の注釈を集め、それに自分の説をも
加えたもの。

 さらに、「集解」とは?
と同書(『角川新字源』)を見れば、以下のように。

【集解】しっかい/しゅうかい 多くの人の解釈を
集めた書物。

 また、鄭玄の注による、「祖考」「性命」についても
吉川博士がおっしゃる意味とと合致するのか?
と同書(『角川新字源』)にて検索した結果は以下の通り。

【祖考】そこう ①死んだ祖父。亡祖父。
対義語:祖妣そひ
②死んだ祖父と死んだ父。③遠い祖先。

【性命】せいめい ①万物が天から受けた
それぞれの性質。〔易・乾〕
②生命。〔史・蔡沢伝〕「性命寿長」

 う~ん、
「性命」について知りたければ、
『易』の「乾けん」の卦を見よといい、
また、『史記』の「蔡沢伝さいたくでん」も見よという。

 かように、有限の人生に無限の知識を!
と、私の欲望、すなわちコレクター趣味は
尽きることを知らない…。

私は無駄な時間と労力を使い果たし、
いたずらに紙幅を汚した上に、
さらなる、愚をおかす選択をすべきか、
否や…?

もちろん、否、
すなわち、NO!!!

「子之所慎しのつつしむところ」ならぬ、
私の慎むところである。

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