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2015年6月28日 (日)

「苟合(こうごう)」解説ページ

041 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、借家に一人住まいをして
家賃を払い始めたのが、
20歳を過ぎた春のこと。

 その年末には、
なけなしの金をはたいて
念願の机と椅子を購入した。

真新しい机を前にして、

椅子に腰かけた時、
「やっと一人前の生活ができる!」
と、私は感じた。

が、いつ、どのようにして
食器や食器棚、ちゃぶ台などの
生活必需品を揃えたのか!?

60年近くも昔の記憶を辿ってみても、
定かではない…。

 また、30代の初めに所帯を持って、
2人の子宝に恵まれた。

以来、上司を始め、周りの人々からは
「一人前の大人」という目で
見られるようになった。

 そして、30歳の後半に、
一軒家を購入したときは!?

という話は後半に譲り、

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「子路しろ第十三」 第8章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

、衛えいの公子こうしけいを、
く室しつに居ると謂う。
はじめ有るに曰わく、
いささか合あつまる。
すこしく有るに曰わく、
いささか完まったし。
さかんに有るに曰わく、
いささか美し。

 次に、現代訳を。

孔子が衛えい国の公子こうし、荊けい
評して言った。
「(彼は)家財のたくわえがうまい。
始めて財産ができた時、(彼は)言った。
『ちょっと集まった』と。
少し財産ができると言った。
『ちょっと整った』と。
財産が多くなると言った。
『ちょっと立派になった』 
(と言い、決して貪り求めなかった)」と。

 続いて吉川博士の解説を。

・衛の公子荊は、他の文献に見えないが、
公子というからには、衛の君王と同族で、
荊を名とする貴族である。

この条は、その私経済に対する態度を
ほめた。

・「謂」の字は、いつもの如く批評としての
「いう」を意味する。

・「善居室(善)」の「室」とは、
住宅を中心とする不動産、「居る」とは、
その処理を意味するごとく読める。

「居」は元来、坐る意味であるが、
顔淵第十二に政治の要諦を説いて、
「之れに居て倦む無し」という「居」の字が、
そうであるように詳しくはこちら「以忠」解説ページ)
忍耐を伴った持続的な処理を、意味しうる。

・公子荊の財産がはじめてやっとできかけ
たとき、彼はいった。
どうにか、まあ、いささか、よせあつめ
ました。

「苟」の字を、いささか、と読んだのは、
道春点、後藤点の訓を用いた。以下同じ。
まあ、いささか、どうにか、の意である。

「合」の字は新注のごとく、「聚あつまる也」と
訓ずるがよかろう。

・さらに少しかたがつく程度にできると、
まあどうにか、一人前になりました。

たっぷりできると、
どうにか立派になりました。

・徂徠いう、
「美なりとは、文采有るを謂う也」。
文化人らしい生活となったというのである。

・謙遜でありながら、
身分に応じた経済生活を拒否しないのを、
ほめたのである。

 う~ん、
「善居室」についての、
吉川博士の解説が、今一、私の腑に落ちない。

そこで、【居室】とは?
と、『広辞苑』を見れば、
「ふだんいるへや。居間」とあるのみ。

では、『角川新字源』にはどのように?
と見た結果は、以下のとおり。

【居室】きょしつ ①へや。居間。②へやにいる。③同居している。〔孟・万章〕「男女居室、人之大倫也」

 う~ん、これらの検索結果だけでは、
一向に、埒らちが明かない。

で、『角川新字源』にて、
【居】の意味を見れば、
「意味③おく。たくわえる」とあり、

同様に、【室】の字を見ると、
「意味③家の財産」とある。

おぉ~
これなら納得!!!

早速、私は「善居室」とは、
「家財のたくわえがうまい」
という現代訳を付した。

 次に、タイトルの熟語を
同書(『角川新字源』)にて
検索すれば、以下のように。

【苟合】こうごう ①努力によらずして、
偶然、一時的に財産などが集まる。

 では、「苟完」、「苟美」とは?

と、調子に乗って、
同書にて検索するも遭遇できず。
残念!!!

 最後に、同書にて、
【富】の意味を見て、次の熟語に遭遇!

【富潤屋】とみはおくをうるおす 財産ができると、
家屋も自然に美しくなってくる。
人も修養をつむと、自然に品位が備わってくるというたとえ。〔大学〕→徳潤身。

 おぉ~、
「富潤屋。徳潤身とみはおくをうるおし、とくはみをうるおす
というので、私は無理(借金)をして、
「居室」、すなわち住宅を手に入れたのであるが…。

この時ばかりは、
「大きな負債を、長期に抱え込んだ!」
と、我とわが身の無謀さを悔いた。

 それも、一瞬!

「この2人の子宝のために!」
と思った瞬間、私は心の内に勇気と活力が
みなぎるのを感じたのである…。

 では、あなたにお伺いします。

あなたは、努力して家財をあつめましたか。
それとも、努力によらずして集まりました?

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