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2015年10月 4日 (日)

「性相近也(せいあいちかきなり)、習相遠也(ならいあいとおきなり)」解説ページ

1505117 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、あなたには
次のようなご記憶は?

周りの人々、たとえば上司や先輩から、
「いずれあんたも
我々と同じようになる。」
と言われた記憶が。

で、あなたは心の中で、
次のように叫ぶ(反論する)!?

「私はあなた方とは違う!

間違っても、私は
あなた方のような人間にはならない!」

と、声に出して叫びたい思いと言葉を
グッと飲み込み、口には出さなかったものの…。

正直者のあなたは、
顔の表情と態度で答えた記憶が…。

 そして、その背景、すなわちグッと飲み込んだ
言葉や思い・考えの中の1つには、
以下のような自負があった!?

「あなた方と私とでは、顔が異なるように
性格も、また受けた教育や育った環境も異なる!」

と、あなたは心の中で、先輩や上司、
周りの人々に反発した記憶が…?

 さて、それから20年後、時代は移り変わり、
管理職になったあなたが、何かの拍子で、
かつて先輩や上司に言われたのと同じ言葉を、
部下や後輩など、周りの人々に言った記憶は?

 えっ、
なに!?

「先輩や上司から言われた記憶はあっても、
自らが後輩に言った記憶は皆無!」?

ご立派!!!

では、その訳・理由は?

などと、あなたのお答えを
聞くその前に。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選5 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「陽貨ようか第十七」 第2章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
せいい近ちかき也なり
ならい相い遠とおき也なり

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生がおっしゃいました)。
「人間生まれつきは、みんな似たようなものだよ。
習慣や学習によって大きな差・違いが生じるのだ。」

 続いて吉川博士の解説を。

・「性」とは、人間が普遍にもつ先天的な
性質であって、それはそんなに個人差が
なく、相互に似通い、相互に近いもので
ある。

ただ後天的な習慣、それによって
人間には種類の差異ができ、
おたがいに遠いものとなる。

・儒家の人間観、またその教育論を
表明すべき、基本的な文献の一つとして、
さきの衛霊公第十五の「教え有りて類無し」
詳しくはこちら 有教無類」解説ページ)とともに、重視される。

・「論語」では、「性善」、すなわち人間は
先天的に善の方向にある、という思想が、
まだ「孟子」のごとくはっきりとは現れない。

しかし、「性相い近き也」というここの言葉の
背後には、その思想があるであろう。

 んっ、
孔子は「生まれつきは似通っている」
というけれど、冒頭のあなたは
「生まれつきから異なる!」とおっしゃりたい?

それとも、孔子の言うとおり、
「生まれつきには大きな違いはないが、
育ちが違う!」と、あなたはおっしゃりたい…?

いずれにしても、あなたは
「私とあなた方とでは、
人間の質が違う!」
とおっしゃりたいのでしょうか…。

 ちなみに、かつて、私の周りにも、
その違いの訳・理由こそ、口には出さなかったものの、
この一言に対して感情をむきだしにして反論した人が。

仮に、この人の名を、Yさんとすれば、
Yさんはとある会議の席上で先輩のOさんから、
以下のような指摘を受けた。

「Y君はHさんによう似てきた。
歩き方から、モノの言いよう、
考え方まで、Hさんにそっくり。

行動を共にするようになれば、
人は歩き方や言葉・考え方までも
同じになるんやな」と。

このOさんの言葉、
つまり個人的見解(評価・判断)に対して、
後輩のYさんは、即座に、次のような言葉で
反論した。

「私が『Hさんに似てきた』と言われるのは、
私にとって最大の侮辱です。

私はあんな人とは違います!
Oさん、発言を取り消してください!!!」と。

 また、とある人は渋面をつくって
以下のようにおっしゃる。

「ある人が、わしに対して『兄貴に似てきた』
と言うんよ。

間違っても、ワシは
『兄貴みたいな人間にだけはならんとこっ!』
と思うとるのよぉー。

なのに、あんな『兄貴に似てきた』と言われた時は、
ショックやった…。」と愚痴をこぼす。

 仮に、この愚痴の主、すなわち発言者をSさん
とすれば、Sさんとそのお兄様の生まれは、同じ。
すなわち、二人のご両親は、一緒。

また、二人の学歴は、ほぼ似通っており、
歳の差は3つほどで、大差はないのであるが…。

Sさんは血を分けた「兄貴とは違う!!!」
と、強く反発・主張する。

 一方、先の比較の対象となったOさんと
Hさんとでは、生まれは勿論、学歴も、
また年齢も大幅に異なる。

 これら2つの事例からは、
人間とは、自らが忌み嫌う人々とは、
「異なる」!

否、「自分の方が優秀だと、認めて欲しい。
あるいは、同一視しないでほしい」と願っている…?

 仮に「性せいい近ちかき也なり」であっても、
また、「性せいい遠とおき也なり」であっても、
「習ならい相い遠とおき也なり」。

すなわち、忌み嫌う人々と、
自分とを同一視されることを、
極端に嫌う!?

反対に、自らが尊敬する人と
同一視された場合は…。

 蛇足ついでに、タイトルの語句を
角川新字源』にて検索した結果は次の通り。

【性相近也、習相遠也】せいあいちかきなり、ならいあいとおきなり 人の生まれつきはたがいにだいたい同じである。習慣によってたがいに大きい相違ができるのである。〔論・陽貨〕

 では、冒頭のあなた、すなわち、
「先輩や上司から、周りの人と同一視された記憶は
あっても、自らが後輩に、そのように言った記憶は
無い!」とおっしゃるあなたにお伺いします。

1.その訳、すなわち後輩に対して自らの見解や思い、
評価・判断を口に出さなかった理由・訳は?

2.あなたが忌み嫌う人と同一視されたとき
あなたはどんな反応を示します?

3.尊敬する人と同一視された場合は?

4.2と3、それぞれの理由・訳は…?

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