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2015年11月 2日 (月)

「女器也(なんじはうつわなり)」解説ページ

1508015 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 「おまえらは器か!?

さっきからガチャガチャ言うばっかりで、
ちっとも前に向いて進まんじゃないか!

『上善じょうぜん水の如ごとし』というけど、
ホントやのぉ!

それが証拠に、水は何でも流すぞっ!
たとえ大きな岩であってもな。

お前らも、ちっとは水に倣って、
早く、スーッと、饅頭、丸にせんかいっ!」
とオーナー社長のTさんはご立腹。

ところが、かつてTさんは、
「ナンバーワンを目指せ!!!」、

すなわち「一番の器になれ」
と、つい、この間までは
叱咤激励していたのに…。

いつ、どこで、Tさんは心変わりを…?
などという詮索は無用!

なんとなれば、「お前らは器か!?」と
酷評された従業員の一人で、
口さがない男は、次のように言う。

「経営者の朝令暮改はいつものこと、
すなわち日常茶飯事で、
それが経営者の1つの指標だ。」と、
したり顔で、陰口をたたいていたが…。

 それはさておき(閑話休題)、

先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、
以下の「公冶長こうやちょう第五」 第4章を
とくと、ご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

子貢しこううて曰わく、
や何如いかん
わく、
なんじは器うつわなり。
わく、何んの器うつわぞや。
わく、瑚璉これんなり。

 次に、現代訳を。

弟子の子貢が、孔子に尋ねた。
「この私、賜(。子貢の実名)はどうでしょう?」
孔子が言った(先生がおっしゃいました)。
「おまえは器だな」。
子貢が再び尋ねた。「何の器でしょうか?」
孔子が答えた。「瑚璉これん(祭器)だよ」。

 続いて吉川博士の解説を。

・子貢問うて曰わく、賜や何如いかん
賜とは子貢の実名であって、子貢が、
「わたくしはどうでございましょうか」、
先生はわたくしをどうお考えになります、
とたずねたのである。

それに対する孔子の答えは、
なんじは器なり、
子貢よ、お前は器うつわである、
というのであった。女は汝とおなじ。

子貢がさらに、どういううつわだと
おっしゃるのですと、問いかえすと、
お前は瑚璉これんである。

瑚璉とは、宗廟のお祭のお供えに、
黍稷しょしょく、すなわちきびと高梁のご飯を、
盛る器である。

以上がこの章の言葉の意味である。

・まえの為政篇第二に見えた孔子の言葉
は、君子不器、君子は器ならず、であり、
くわしくはこちら「器」解説ページ

そこでは器という言葉が、反価値的な概念
として、つかわれているが、ここは子貢を
ほめた言葉であるにちがいなく、
したがってここの器の字は、
ある価値をもつ概念であろう。

いかなる価値であるかは、
私によくわからない。

ただ思いあわすのは、
「易えき」の「繋辞けいじ伝」に、形乃謂之器、
形あるものをば乃すなわち器と謂う、といい、
また形而上者謂之道、形而下者謂之器、
形より上なる者は之れを道と謂い、
形より下なる者は之れを器と謂う、
ということである。

それによれば、器とは目に見えない道具の
具現として、目に見える形をもったもの
である。

「易」にはまた、弓矢なる者は器なり、
之れを射る者は人なり、
君子は器を身に蔵し、時を待って動く、
ともいう。

いずれも勝義の技術を意味する
ようである。

以上私の思いついたままを、
書きそえておく。

・なお何如を、日本の写本は、
如何に作るものがある。

いずにしても、意味は同じ。

あるいは之の字を中に加えて、
如之何といってもおなじ。

 んっ、
「勝義の技術」!?

「勝義かつよし」という男の名前には、
聞き覚えがあるけど…。

「勝義の技術」とは!?
と『角川新字源』を見れば…。

【勝義】しょうぎ 〘仏〙最もすぐれた理論。
世俗の理論よりまさった理論の意。

 う~ん、
「勝義しょうぎ」の意味は、分かったものの…。

 私の頭の中には
以下のような疑問が。

「形而上」、すなわち「道」と、
「形而下」の「器」とを比較すれば、

世俗の理論では、「器」の方が大切であるが、
それよりも勝っているのは「道」だということ…?

また、「弓矢」は大切な「道具・器」であるが、
「弓を引いて矢を射るのは人」であるから、
人が勝っているという理論…?

さらに、「勝っている」、すなわち一番大切なのは
「君子は器を身に蔵し、時を待って動く」こと、

つまり、道具・器を身に蔵かくして、
あるいは、身につけ、機(チャンス)を見て
行動すること!?

これらのことを、一言で表現するとすれば、
「勝義しょうぎ」とは、
「行動」の大切さを説く言葉…?

だとすれば、冒頭のオーナー社長、
Tさんの言葉、叱咤激励と、一致はするが…。

いずれにしても、この吉川博士の解説は
難解!!!

 ちなみにタイトルの語句を
同書(『角川新字源』)にて検索した結果は次の通り。

【瑚璉】これん 祭器の名。
黍稷しょしょく(きびとあわ)を盛って
祖先の廟びょう(みたまや)に供える器。
の時代には瑚といい、
いんの時代には璉とよんだ。

 んんっ、この辞書(『角川新字源』)には、
「瑚璉これん」とは、「子貢をほめた言葉で、
価値をもつ『器』の概念であろう」という
くだりや記載が見当たらない。

 う~ん、
グリコ!

と、『論語新釈』(宇野哲人 講談社学術文庫)を見れば、
以下のような記載が。

・「瑚璉これんとは、器物の中の貴重で
華美なものである」。

・「子貢はまだ『君子は器ならず』というところに
到達してはいないけれども、器の中の貴いもの
であろうか」と朱子は言っている。

 では、あなたにお伺いします。

あなたが大切にしている器、
「一番貴い器」は、一体、なに?
どんな器でしょうか。

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