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2016年3月12日 (土)

「三楽さんらく」解説ページ

15053110 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、30数年前のとある日、
オーナー社長のTさんが、私に
以下のような言葉(アドバイス?)を。

「おまえ、下の者とばかり遊んでも、
何も得られるものはないぞ。
もっと、上の者と遊ばんかい!」と。

 30数年後のいま、ここで
当時のT社長の言葉を
私流に解釈すれば、次のようになる。

自分より下位の人は損者で、
上位の人が益者?

 では、損者と益者の違いは?
というその前に、

先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選5 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「季子きし第十六」 第5章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

孔子こうしわく、
益者えきしゃ三楽さんらく
損者そんしゃ三楽さんらく
礼楽れいがくを節せっするを楽たのしみ、
ひとの善ぜんを道うを楽たのしみ、
賢友けんゆうおおきを楽たのしむは、益えきなり。
驕楽きょうらくを楽たのしみ、
佚遊いつゆうを楽たのしみ、
宴楽えんらくを楽たのしむは、損そんなり。

 次に、現代訳を。

孔子が言った。
「人が好むもので、有益なことが3つあり、
損失となる好みが3つある
礼儀と音楽のきまりを正しく行うことを好み、
他人の善いところを言うのを好み、
優れた友達が多いことを好むのは、有益である。
わがままでぜいたくな生活を好み、
なまけて遊ぶことを好み
酒食にふけることを好むのは、損である」と。

 続いて吉川博士の解説を。

・「三楽」の「楽」の字を、旧訓が、
音ゴウ、訓ネゴウとするのは、
「経典釈文」、朱子の新注、ともに
「五教反」と注記するのに、影響されて
のことであるが、いまは徂徠とともに、
それにとらわれない。

・「礼楽を節する」とは、行動の節度を
礼楽の節度に合致させることであろう。
古注に、「動きて礼楽の節に得かのう」。

・「人の善を道うを楽しむ」の道の字は、
動詞であり、意味は「いう」、「のべる」。

・損者三楽の、驕楽きょうらく、佚遊いつゆう
宴楽えんらくは、似た言葉がならんでいるが、
驕楽は傲慢、佚遊は安惰、宴楽は
消費生活の贅沢を意味しよう。

 あれっ、
「三楽」の読みは、「さんらく」、
それとも、「さんごう」…?

と、『角川新字源』を検索してみれば、
以下のような熟語の読みとその意味が。

・【益者三楽】えきしゃさんごう 人がこのむもので、有益なことが三つある。楽は、このむの意。
〔論・季子〕「益者三楽、損者三楽、楽礼楽、楽人之善、楽賢友益矣」→三楽。

・【三楽】 [一]さんらく 君子の三つの楽しみ。父母が健在で兄弟に事故がないこと。行ないにはずべき点のないこと、天下の英才を教育すること。〔孟・尽心〕

[二]さんごう 三つの願わしいもの。礼楽を節すること、人の善をいうこと、賢友の多いことを願うのは益であり、驕楽きょうらく(たかぶる)、佚遊いつゆう(なまける)、宴楽(酒もり)を願うのは損である。〔論・季子〕

・【損者三楽】そんしゃさんごう 人の身の損失となる三つのこのみ。
驕楽きょうらく(わがままでぜいたく)・佚遊いつゆう(なまけて遊ぶ)・宴楽えんらく(酒食にふける)の三つ。〔論・季子〕→三楽。

 う~ん、
この辞書では、
「三楽」を「さんごう」と読んでいるが…。

他には…?
と、『論語』 金谷治(訳注) 岩波文庫を
見た結果は…。

「三楽」の訓読みには、
「さんらく」というルビが振ってあり、
以下のような注記が。

*「三楽」―「三楽さんごう」と読んで、
以下の「楽しみ」を「ねがい」と読むのがふつう。

 ちなみに昔、といっても
半世紀以上も昔の話ではあるが…。

「三楽」という合成酒か、焼酎があった!?
と、私は記憶しているが…。

 この酒類の名付け親は、
「論語」に精通しており、
この一章を見て、メーカー名とした上に、
一升瓶にも「三楽』のラベルを貼付した?

あるいは、「孟子」の尽心章句上 第二十に記載の
以下の「君子の三つの楽しみ」、すなわち、

一楽:父母俱ともに在り、兄弟故(事)無き
二楽:仰いで天に愧じず、俯して人に怍じざる
三楽:天下の英才を得て之これを教育する

この3つの楽しみが、
名付け親の頭の片隅にあったのであろうか…?

 仮に、「論語」からであれば…。

この酒を飲む楽しみに溺れる、すなわち「宴楽えんらく
つまり、「酒食にふける」ようなことにでもなれば、
損になるし…。

また、孟子が出典であるとすれば、
愛飲家が、「天下の英才を得て之を教育する」
ことになるが…。

 んんっ?
そういえば!

私が知る範囲内では、
教育者には酒を愛する人々が数多!

だとすれば、この「三楽」という酒類の名前は、
「孟子」が出典かなぁ…?

などと、思考回路にアクセスしている最中、
いま、ここで、以下のような記憶の糸が…。

 それは、冒頭のT社長が、
「もっと、上の者と遊ばんかい」
と言っておられた「上の者」、

すなわち私の上位者の面々にも
愛飲家が多かった。

 また、このT社長の冒頭の発言を
いつ・どこで・誰から聞いたものか?

当時、直属の上司だったKさんは、
私に以下のようなアドバイス(反論?)を。

「うちの会社の上の人は、
公私の区別もつかんし、常識もない。

だから、うちの会社の上の人たちと
仲良くなったら最後・お終いよ。

ろくな事は無いぞっ」
と、上の人たちを酷評する。

 では、彼ら上の人々が、どんなに非常識で、
公私混同の激しい人たちであったかといえば!

という話は
後日のお楽しみにして、

ここまでお読みいただいた、
あなたにお伺いします。

 あなたの、今の「楽しみ」ベスト3は?

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