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2016年6月18日 (土)

「有徳者必有言(とくあるものはかならずげんあり)」解説ページ

1603196 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 「俺がな、
最初に、社長に会うた時、
社長がこう言うたんよっ。

『働くとは、
人が動くことだというけど、

うちの社員はよく動いている。
でも、儲からん!

ということは…、社員の動きが
働きに変わっていない!?

その原因が、社員の動き方に無駄があるのか、
それとも、無駄な動きをしているだけなのか?

その辺を、いつも、
私は疑問に思っている。

ですから、社員の動きのどこに
課題や問題があるのか?

そこをあなたの経験や知識を
活かして見てほしい。

すなわち、あなたの視点で、
うちの会社を見て欲しい』と言うので、

俺は、『面白いことをいう社長やなぁ?』
と思うて(感心して)、その気になって、
今日まで一所懸命やってきたのに、
何やっ!?」

と、コンサルタントのSさんは
怒りの矛先を私に向ける。

 さて、このSさんの
「何やっ!?」という
怒りの訳・理由は!?

というその前に…。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の
「憲問けんもん第十四」 第5章を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

曰いわく、
とくる者ものは必かならず言げんり、
げんる者ものは必かならずしも徳とくらず。
仁者じんしゃは必かならず勇ゆうり。
勇者ゆうしゃは必かならずしも仁じんらず。

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生がおっしゃいました)。
徳のある人には必ず役立つような言葉がある。
一方、言葉が達者な人に、徳があるとは限らない。
仁の徳がある人には、必ず勇気がある。
でも、勇気がある人に、仁の徳があるとは限らない。

 続いて吉川博士の解説を。

・訓詁を加える必要はないと思われる。

 あれっ、
「訓詁くんこ、すなわち『字句の意味の解釈』を
加える必要はない」と吉川博士は、おっしゃる。

 う~ん、
困ったぁ…。

では、困ったときの神頼み!?

角川新字源』には、どのように?
と、検索してみた結果は…。

【有徳者必有言】とくあるものはかならずげんあり 
徳ある人は必ず世人のためになるような
りっぱなことばをはく。〔論・憲問〕

【仁者必有勇】じんしゃはかならずゆうあり 
仁者は正しいことを必ず実行するので、
例外なく勇気の持ち主である。〔論・憲問〕
「仁者必有勇、勇者不必有レ一仁」。

 さて、賢明なあなたには、
冒頭のSさんの怒り・憤りの訳が
既に、ご理解いただけたようで…。

何も私が、拙い字句を並べ立てて、
紙幅を汚す必要はさらさらないものの…。

 冒頭のSさんは、
この論語の一章をご存知なかった!?

すなわち、「言げんる者もの
かならずしも徳とくらず」という言葉を!

つまり、Sさんは、
「徳とくる者ものは必かならず言げんり」
という言葉のみを信じて、否、思い込んで、
その気になったものの…。

観る(診る?)と聞くとでは
大違い!

社員の無駄な動きをつくっている最大の要因、
すなわち、問題の元凶は、社長の言動に在った!

という現実・現象に、Sさんが気付いたのは、
社長と初めて面談した日から数えて3週間後。

 「上、三年にして下を知り、
下、三日にして上を知る」

というこの箴言しんげん
すなわち「戒めの言葉」を
Sさんは知ってか知らずにか…。

つまり、社員は社長の人となりを
わずかの日数で見抜き、お日さん西々、
すなわち、働いているような振りをして、
退社時刻が来るまで、ひたすら動いて待つ。

一方、社長の言葉に魅せられた
Sさんはといえば、

「言げんる者ものは必かならず徳とくり」
と思い込んで(誤解釈して?)、

相手(社長)の人となりを見抜くのに、
3週間もの日時を要してしまった。

そのように考えれば、
冒頭の「何やっ!?」という
Sさんの怒り・憤りや疑問の声は、

対象者、すなわち、とある企業の社長に向けて、
あるいは、自らに向けて発せられたもの、

それとも、その両方…?

 では、あなたにお伺いします。

あなたは、初対面の人の言葉を聞いて
「徳とくる者ものは必かならず言げんり」と信じて、

「いい人だ!」と思い込み、
「しまった!」と気づくのに、

何日を要しましたか?

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