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2016年10月15日 (土)

「篤信(とくしん)」解説ページ

1604137 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 友人でゴルフ仲間のAさんは、
私に以下のような忠告・アドバイスを!

「1度、こうと決めたら、
諦めずに、最後まで
やり切ることよっ。

とことんやってみて、
それでも、どうしても合わん!

『自分には向いていない』
と思うたら、そこで初めて、
やり方を変えたらええことよ。

それが、ちょっと、やってみただけで、
すぐに、わしには合わんから言うて、
あれやこれやと、目移りしだしたら、
もう、何が何やら、さっぱり分からんようになって、
ワヤにならい。

ほやから、自分が1度、「ええ(良い)」!
と思うたら、かたく信じて、
トコトンやってみることよっ。」

と、おっしゃる。

 さて、このAさんの発言、
すなわち、話・主張の発端は!?

という件くだりは、後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章
(泰伯たいはく第八 第13章)を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
あつく信しんじて学がくを好このみ、
を守まもって道みちを善くす。
危邦きほうには入らず。
乱邦らんぽうには居らず。
天下てんかみちれば則すなわち見あらわれ、
みちければ則すなわち隠かくる。
くにに道みちるに、
まずしくして且つ賤いやしきは、
じ也なり
くにに道みちきに、
とみつ貴とうときは、恥じ也なり

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生は以下のようにおっしゃいました)。
「かたく信じて学問を好み、
命がけで道徳の向上に努める。
いまにも滅びそうな国には足を踏み入れず、
乱れた国にはとどまらない。
道徳的な世の中であれば、積極的に活動し、
道徳的でない世の中ならば、表に出ない。
国家に道徳があるのに、
貧乏で低い地位にいるのは、
恥である。
国家が道徳的でないのに、
経済的に裕福で高い地位にいるのは恥である」と。

 続いて吉川博士の解説を。

最初の句を、「篤く信じて学を好み」、
つまり、学問の効用を確信して
それを好む、と読むのは、
新注の読み方であって、

古注では、「心を篤うして学を好む」
と読むが、述而篇のはじめの
「述べて作らず、信じて古を好む」と
にらみあわせれば、新注の読み方の
ほうがすぐれるであろう。

第二句も、「死を守って道を善くす」、
つまり命がけで、道徳の向上に努力する、
と読むのも、新注の読み方であって、

古注系統の訓は、「死を善き道に守る」、
あるいは、「守って善き道に死す」である
が、いまはやはり新注に従おう。

何にしても、そうした信念と覚悟を
もちながら、身を持すること、
きわめて慎重であって、
危険の徴候のある国には、
足をふみ入れない。

また世界に道徳があるときには、
世の中の表面に立ち、
道徳がないときには、隠れて、
表面に立たない。

それが、紳士たるものの心得である。

だから、せっかく、国家に道徳がある
時代でありながら、その道徳的な政治に
参与することができず、貧乏で、卑しい
地位にいるのは、恥辱である。

そうした時代には、
むしろ、進んで仕えるべきである。

同時にまた、国家が、道徳を失った場合、
そうした不合理な、不潔な社会の中で、
経済的にゆたかであり、また高い地位に
いるのは、恥じである。

この条は、孔子の、潔癖な精神とともに、
その積極的な精神を、よく示す条である。

余談であるが、かつて私は、
「邦有道貧且賤焉恥也」という条を、

ある大学の入学試験に出したところ、
正解者は、はなはだとぼしかった。

かつ、誤解の答案として、
もっとも多いのは、

この九字を、「邦に道あらば、貧しくして
且つ賎しきも、焉なんぞ恥じならんや」と
読んだものであった。

日本人が軽率に考える儒学の思想は、
どんな時代でも、貧乏こそ第一の
道具であると、いうのであろうか。

 んっ、
「篤信とくしん」とは、「確信」だと、
吉川博士はおっしゃる。

ちなみに、「確信」とは、
「たしかに信じること」(『角川新字源』より)であり、

吉川博士は「篤あつく信じて学を好み」という一条を、
「学問の効用を確信してそれを好む」と訳しておられる。

また、冒頭のAさんも、
「自分が1度、いい!」と思う(感じ)たら、
かたく信じて、命がけでやってみることよっ。」
と、おっしゃる。

一見、同じように見える(思える・感じる)
これら2つの言葉には、大きな違い、
すなわち、月とスッポン位の違いが!

その違いとは、「命がけでやる」対象であり、
以下のような大きな違い、乖離が。

まず、孔子の主張は、
「聖人の道を学んで、道、すなわち道徳の向上に
命がけで取り組むこと」であり、

Aさんが「命懸けで取り組め」というテーマは、
ゴルフ雑誌やWeb等に掲載されているコーチや
ティーチング・プロと言われる人々の雑多な教え
であって、

Aさんはそれらの中から、自らが「良い」と
思った(考えた。気に入った)ものを抽出して
相手(私)に披露したがる。

したがって、教える対象にオーダーメイドされた
ものとは必ずしもいえず、単なる受け売りであった。

で、教え魔のAさんは、昨日・今日入れた
その知識を、誰かに教えたい・披露したい、
ひけらかしたい一心で、情報の収集に余念がない。

そして、その対象の一人が、
何を隠そう私であった。

で、Aさんは練習場にて、
隣で打つ私のスイングを見て、
以下のようにおっしゃる。

・テークバックで伸びあがっている
・左腕が曲がっている。
・左肩で行け(左肩を回転させよ)
・テークバックが小さい。高く上げよ
・もっと肩を回せ
・フォロースルーを高く、大きく上げよ
・上体が突っ込んでいる
・身体が開いている
・ボールから目が離れている
・アウトサイドインになっている
・インサイドからいけ(インサイドインに振れ)

等々と、Aさんは口うるさいほどに、
私にフィードバックやアドバイスを送る一方で、
自らが言う通りのスイングをせよと、暗に、
私にリクエストする。

私はAさんの玩具!?

それでも、私は、「教えてください」といった手前、
Aさんの指示・言葉に、初めは柔順に従っていた。

が、そのうち、自分に合ったスイング、
すなわち、オーダーメイドスイングの大切さに
気付いた私は、Aさんにその旨を伝えた。

それ以降、私はAさんのアドバイスや
指示・リクエスト等を軽視・無視し始めた。

それが癇に障った(業を煮やした?)のか?
Aさんは、とある日、ゴルフ場へと向かう車中にて

冒頭のような発言、すなわち、自らの心の内を
私に開示したのである。

で、冒頭のAさんの発言に対して、
私はどのように対応したのかといえば…。

・「諦めずに最後まで」の最後とは、どこ?

・「とことんやってみて」のトコトンとは、どの程度?

・Aさんは私のため、すなわち、私のスキルや
レベルアップを思って(願って)言ってくれている?

それとも、自分自身のため、すなわち、教えたい、
優越感を得たいがために、Aさんは言っているだけ?

・Aさんからのフィードバック、見えた・聞こえた、
感じた事実のみを言ってくれているのはありがたいし、

感謝しているけど、その都度、多くの情報や改善策を
リクエストされたら、私は何が何やらわからんように
なるし、それこそ、ワヤになる!

だから、「見えた・聞こえた・感じた事実」のみを
今まで通り、フィードバックして。

そして私が「どうしたらいい?」と
尋ねた時だけ、アドバイスをしてやっ!

などという余計なリクエストや質問、

あるいはAさんの発言にに対する
否定語などは、一切、切り出さず、
私は次のような相槌のみを返していた。

「おぉー、おー。
はい、はい。
うん、うん、なるほど。
そうやなぁー。」など。

これに対するAさんの反応は!?
といえば、「ぬかに釘!?」と思った(感じた)のか、

それとも、言いたいことをすべて言い終えた
満足感からなのか、この件に関してAさんからは、
それ以上の助言や忠告等を聞くことはなかった。

それ(その話)に代わって、同乗者3人が、
それぞれの話題を持ち出したり、

また今日のラウンドの意気込みなどを
和やかに談笑しながら、ゴルフ場への道を
ひた走るのであった…。

 ちなみに、タイトルほかの熟語を
角川新字源』を検索した結果は以下の通り。

・【篤信】とくしん ①かたく信じこむ。
〔論・泰伯〕「篤信好学」 

意味②&③は割愛。

・【危邦】きほう=【危国】きこく いまにもほろび
そうな国。
〔論・泰伯〕「危邦不入、亂邦不居」

・【乱邦】らんぽう みだれた国。乱国。

 蛇足ついでに、「死守」という熟語の記載はあっても、
「守死」、すなわち、「死を守って」という熟語には
遭遇できず。残念!

 では、あなたにお伺いします。

あなたが「篤信とくしん」、
すなわち「確信。かたく信じる」のは、
誰のどんな言葉や発言、助言、
あるいは故事・諺・古語なのでしょうか?

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