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2017年1月 8日 (日)

「雅言(がげん)」解説ページ

1610100 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 かつての上司Tさんは、
いつも、私に、以下のような
意味のことを語っておられた。

「会社をツブしちゃいけんけんのぉー。

そのためには、常に、
利益を出し続けることよっ!」。

 じゃあ、利益を出すには、
何をどのようにすればいいのか?

ということについて、Tさんはどのように、
私に言っていたのかといえば!

という話の続きは
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章
(述而じゅつじ第七 第17章)を篤とくとご覧あれ~♪

 最初に、訓読(読下し文)を。

の雅つねに言う所ところは、
、書しょ、執禮しつれい
な雅つねに言う也なり

 次に、現代訳を。

先生(孔子)がいつも教えていたのは、
「詩経」、「書経」、「礼の行い」、
この3つの古典を常に話題にしていた。

 続いて、吉川博士の解説の一部を。

<前略>

・この条は、「詩経」「書経」、
および「礼」に対する尊重を示す。

・まず、「詩」すなわち「詩経」は、
孔子以前の歌謡三百五篇を、
孔子が編纂したものが、

ほぼ孔子の時のかたちのまま、
現在も伝わっている。

・また「書」、すなわち「書経」は、
孔子以前の為政者たちの、政治的な
発言を、孔子が選択編集したものであり、

現存のものは、孔子の原書の
一部分を失っているが、原書の様子は、
いまの本から大たい想像される。

・また「礼」は、
孔子以前の聖人であり、周王朝創業の
英雄である周公が、規定した社会生活の
ための儀式、家庭生活のための儀式、

それらについての法則であるが、
それを「執礼」というのは、

儀式は、実行するものであり、
「詩」や「書」のように、読んだり
暗誦したりするものではないから、

「礼を執おこのう」といったのだとする説、

また儀式をおこのう際には、
司会者が次第書きを手に執りもち、

それを読んで儀式を進行させるから、
「礼を執る」といったとする説などが
あるが、

要するにこの三つの古典は、
孔子の最も尊重するものであり、

ゆえにいずれもみな「雅つねに言う」、
いつもそれを話題にした、というのである。

・もっとも、雅言の二字を、
「雅は常なり」として、「雅つねに言う」と
読むのは、朱子の新注の説であって、
古注の説は少しちがう。

すなわち、「雅は正なり」とし、
「雅言」すなわち「正言」とは、

この三つはいずれも重要な古典である
から、正しい発音で読んだ、とする。

<中略>

・何にしても、この条は、
孔子の古典に対する尊重を示す。

人間の生活の法則は、
空な個人的な直観によっては得られず、

必ず過去のすぐれた言語を読むことから、
発見されるとすることが、

孔子の教育学説を、当時の諸家から、
区別するものであった。

また現代においても、それをある種の
他の主張から、区別するものである。

 う~ん、
「雅言がげん」とは、

・「雅つねに言う」ことなのか、
・「正言」なのか?

と、『角川新字源』にて検索してみた結果は
以下の通り。

【雅言】がげん 鄭玄じょうげんの説では、
正しく発音して言う。

朱子の説では、常に言う。

〔論・述而〕「子所雅言、詩書執禮、
皆雅言也」

 あれっ、
どちらでもOK!?

と、不審に思い、
『論語』(金谷 治訳注 岩波文庫)を見れば、
以下のように。

「雅言がげんする所」と読んで、
「正しい言語」という意味(現代訳)が。

そして「正しい言語」については、
次のような注釈が付されている。

伝統的な由緒正しい言語。

新注では「常言」と解して
「ふだんにいつも話題にしたこと」となる。

 あれっ、
「雅言がげん」とは、

漢の鄭玄じょうげんは、「正言」といい、
宋の朱子が、「常言」だと!?

などいう変な洒落はさておき、
冒頭の続きを。

 さて、上司のTさんは、
利益を出すためには、

「何をどのようにせよ!」
と言っていたのかといえば…。

「他所には高く売ってもらい、
うちにだけは安く売ってもらえ!」

すなわち、製造原価の半分を占める
「原材料費の購買単価を下げよ!」、

「競合他社よりも1円でも安く仕入れよっ!」

「業界一、安く買え。
日本一のバイヤーになれ!」

つまり、「利は元に在り」ということを
暗黙裡に、私に教えたのである。

またTさんは、その経験からか、
「倒産は悪だ!」と語ってはいたが、

「利益こそが正だ」とも、
また、「我利我利亡者になれ!」
とも、私に教えはしなかった。

が、Tさんはいつも私に、
次のように言っていた。

「斯の業界一の嫌われ者になれ!」
すなわち、「トランプになれ」と。

 そのTさんが、後年いつも
私に言っていたのが、
次のような言葉であった。

「安いのには、勝てん!」

つまり、過当競争の罠に陥った現状を
嘆いての一言ではあったが…。

それが、「他所には高く売ってもらい、
うちにだけは安く売ってもらえ!」

と、Tさんが常に言っていた言葉が、
巡り巡ってかえってきた結果、
すなわち、ツケだ!

と、賢明なTさんは気づいてはいたものの、
その言葉を口外することはなかった…。

 では、あなたにお伺いします。

あなたはいつも、どんな言葉で
部下を導いています?

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