本立而道生(もとたちてみちしょうず)
ショートホールで、Tさんが1オン
5パットをした。
その一部始終を傍で見ていた私は、
次のように考えた。
「おっ、
また始まった!
Tさんお得意の営業ゴルフがっ。
そこまでせんてええ(しなくていい)のに」と。
Tさんが短いパーパットを外した第3打までは、
私はそのように信じて(考えて)疑わなかった。
が、第4打、すなわちボギーパットを外した辺りから、
私の思考回路は次のように変化していった。
「うーん、
やっぱりなぁー。
この人(Tさん)は、
人(人柄)の良い人なんやなぁー。
私がOBを打ち、トリプルを叩いたのを見たので、
Tさんは、私のスコアに近づけようとしている。
Tさん、そんな気遣いや無駄な努力は
一切、無用。しなくてもいいんですよっ。
私はあなたの為人(人となり=人柄)を
よ~く承知していますからねっ。」
という思いで、この時、私はTさんの
様子(プレースタイル)を、そっと見ていた。
すると、Tさんの顔と行動、
ストローク(反復運動の動作)に、
焦りの色・様相が。
「お~ぉ、
この人、やっぱり、いい人!!!
『周り(他のメンバーや後続)の人々に、
迷惑をかけてはいけない!』
という思い込みが先行して、
パターのストロークが早くなっている。
したがって、Tさんお得意の、次の言葉、
『阿呆やから何にも考えずに打っている(だから、
1パットでカップインする)んですよ。』という口癖や
『パターは入れようとするから入らない』という
セオリーなど、Tさんの頭の中から消え去っている!?
孔子は、『速すみやかならんと欲ほっする無なかれ。
速すみやかならんと欲ほっすれば、すなわち、達たっせず』
と言っているのに…。
Tさん、ゆっくりでいいですよっ。
周りのことなど一切、気にせず、慌てず、焦らず、
自分を信じて、プレーだけに集中してくださいねっ。
私はあなたを信じていますからねっ。」
という、思いのみで、私は黙って、
ピンを持って、立っていたのであるが…。
この時の、私の姿勢・態度が、Tさんには
以下のように見えた(目に映った)のかも!?
「この人(私。筆者)は、
『お前、阿呆やなぁー。
頭が悪いんとちゃうかぁー?
パターが入らんのは頭が悪い証拠やでっ。』
と思いながら、密かに、喜び、黙って、見ている。
『人の不幸は蜜の味!』
というけれど…。
ホント、腹立つなぁー。
何で入らんのやろっ!?
何が悪いんやろう?
こんな筈じゃ、無かったのに…。
皆は「あんた(Tさん)、何しとるん?」という思いで、
イライラして待ってるやろうし…。
んっ、
ストロークが悪いんやろうか?
よっし、チョット2,3回
素振りをしてみよっ!」
などと、私は勝手に、この時の、
Tさんの心の内を推し量ったのであるが…。
果たして、Tさんはこの時、
何をどのように考えていたのであろう?
おっ、
そういえば!
Tさんは過日、次のようにも
言っていたけど…。
「得意のバンカーで、
脱出に7打も要した」と。
それも、これも、根、
すなわち、本もとは同じ!?
と、私は考えたのであるが…。
ちなみに、有子ゆうし(有若ゆうじゃく。孔子の弟子)が、
以下のように述べているのは、
Tさんもご承知の通り。
「君子務レ本(君子くんしは本もとを務つとむ)。
本立而道生(本もと立たちて道みち生しょうず。)」
では、Tさん、
・得意のバンカーで、7打も叩いたり、
・ショーホールで、1オン、5パットをする
その本もとは、一体、何?
何が原因なのでしょう。
えっ、
なに?
「君子務レ本(君子くんしは本もとを務つとむ)」というので、
・「精力をひたすらその事、カップインだけに用いた」?
・「精力をひたすら、バンカーからの脱出に用いた」?
すなわち、一途な性格が邪魔をして、
ひたすら、真っ直ぐ、前だけを見て、
突き進んだのが、悪かった?
それが諸悪の根源・元凶!?
で、次回からは、後ろや横に出したり、
グリーンの状況を360度、四方八方から見回して、
登りのパットを残すよう留意する?
なるほど!
一呼吸入れて(深呼吸をして)、
周囲の状況を見まわしてから、
最善策を考えるのでしょうか。
ところで、Tさん、
ゴルフの本もと、すなわち基本とは、
一体、何でしょうかねぇー。
えっ、
アドレス、
ポスチャー(ポーズ。構えた姿勢)!?
などと、小うるさく、さも、すべてのことを、
自ら考えたように記したのであるが…。
これらのすべて、すなわち上記のような事柄は、
無口なオジサン、Aさんがおっしゃっておられたのを
私が代弁したまでのこと。
えっ、
なに!
・「人の振り見て我が振り直せ」?
・「反面教師」にせよ!
・「これらのことは、そっくりそのまま、
私(筆者)に贈る(返す)ことば」!?
あるいは…。
・「小利しょうりを見みる無なかれ。
小利しょうりを見れば、すなわち大事だいじ成ならず。」?
すなわち、「いちいち、細かい数字や
打数にこだわるな!
幾ら叩いたとしても、ちゃあんと、大事なこと、
すなわち、当初の目的はしっかり達成している
ので、安心せよ。
それに、孔子も、『人無ニ遠慮一、必有二近憂一
(人、遠とおき慮おもんぱかり無なければ、
必ず近ちかき憂うれい有あり。)』というとるやろ。
わしも、それに倣って、
将来(遠い先)のことを考えて、
ゴルフをしよるんや。
だから少しぐらい、大叩きしたからと言うて、
何も大騒ぎすることも、一喜一憂するこも、
無い話。」!!!
そうでしたかぁ~。
さすが、Tさん!!!
それは大変、失礼しました(汗;)
では、ゴルフ好きのあなたにお伺いします。
ゴルフの本もと、すなわち、基本とは、何だと
あなたはお考えでしょう。
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