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2017年5月21日 (日)

「君子憂道不憂貧(くんしはみちをうれえてひんをうれえず)」解説ページ

17031805 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、子会社のMさんが
私に次のようなことを。

「今日、社長からお呼びがあってな、
『アンタと相談して
今月末までに請求書を出せ。』
と、おっしゃるんやけどなぁー。

どうせ、また、アンタと社長が
謀ってのことやと思うんやけど、

どうしたらいい?」

と私に尋ねる。

 あれっ、
オレって、
いつから、謀臣に!?

という話は
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章、
衛霊公えいれいこう第十五 第32章を篤とくとご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
君子くんしは道みちを謀はかりて
しょくを謀はからず。
たがやして餒え其の中うちに在り。
まなびて禄ろくの中うちに在り。
君子くんしは道みちを憂うれいて
まずしきを憂うれえず。 

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生はおっしゃいました)。
「学問を志す人は道を得ることを考えて、
食を得ることは考えない。
耕していても飢饉等でひもじい思いをすることはある。
学問をしていれば報酬(=食)は後からついてくる。
学問を志す人は道徳にのみ関心があって、
貧乏には(関心も心配も)ない」と。

 続いて、吉川博士の解説を。

・君子は道徳を第一とし、生活を
第一としないのをいった条である。

・道を謀り、食を謀るの「謀」の字は、
「かんがえる」と訳しうる。

・紳士は道徳のことは考えるが、
生活のことは考えない。

何となれば、農耕は生活を安定させる
道ではあるけれども、飢饉その他による
飢餓の要素も、内在する。

学問は生活の手段ではないけれども、
「禄」すなわち経済的幸福への要素も
内在する。

農耕か学問か。君子の憂え、関心は、
道徳にあって、貧乏にはない。

・大体は以上のごとく読める。
ただし言葉の背景となった条件を、
私は充分に理解しているわけではない。

皇侃が、学問のない人は、農耕につとめ
ても作物を他人にうばわれるから餓え、

学問をするものは、パトロンの支持を
受ける、というのは、現実的に過ぎる。

・なお、禄在其中は、為政第二(詳しくはこちら  
「干祿」解説ページ)にも、同じ表現がある。

・何にしても、「学びて禄其の中に在り矣」
の一句は、貧乏に耐えながら学問をする
人々を、鼓舞しつづける。

 んっ、
「謀」の字は、「かんがえる」と
吉川博士はおっしゃる。

じゃあ、『角川新字源』には、どのように?
と、「はかる」の「同訓意義」を見てみれば!

【謀】ぼう 善悪に限らず何事でも、あれこれと
思案する。謀臣。また、相談する。 謀反。

 お~、
納得。

「謀」とは、「かんがえる=思案する」にて
疑いを差し挟む余地など、一切、無し!

と、一安心。

 次に、「君子の憂え、関心は、道徳にあって、
貧乏にはない。」と、吉川博士がおっしゃるので、

同書(『角川新字源』)にはどのような記載が? 
と検索してみた結果は次の通り。

【君子憂道不憂貧】くんしはみちをうれえてひんをうれえず 
君子は道にそむきはしないかということを
のみうれえて、貧乏を気にかけない。
〔論・衛霊公〕

 おぉ~、
・「道=道徳」
・「憂え=関心=気にかける」

にて、余計な心配は無用。
一件落着! 

ではあるが、1つ気がかりなことが。

それは、先に投稿した「上達」解説ページ(詳しくはこちら
中の、吉川博士による以下の「解説(現代訳)」が。

君子は本質的なことに通暁しようとし、
小人はつまらない末梢的な事柄に
通暁する、というのを、仮りの訳とする。

 この現代訳を見て、末梢的な事柄、
すなわち「どうでもいいような事柄」が、

無性に気になる私は、
この「仮りの訳」に疑念を覚えた。

で、私は、先の「上達」解説ページでは、
宇野哲人博士の通釈を併記したものの、
角川新字源』にての検索が不十分。

すなわち、私は「鵜の目鷹の目」で見たつもりが、
「近視眼的」な検索に終始して、見落とし(猛省;)

 いま、「君子憂道不憂貧くんしはみちをうれえてひんをうれえず
解説ページの最中に、『角川新字源』にて、
「君子」に関する熟語を覗いてみれば
以下のような語句と現代訳が。

【君子上達小人下達】
くんしはじょうたつししょうじんはかたつす 徳のある人は、
徳に従うのでいよいよりっぱになり、
小人は利欲に迷うので、さらに堕落する。
〔論・憲問〕

この現代訳(上記)を見る限りにおいては、
先の記事(「上達」解説ページ)中に紹介した

吉川幸次郎博士の「解説」よりも、
宇野哲人博士の[通釈]に、軍配!

 さて、思わぬ見落としに気づき、
またまた、脱線し、猛省したのも束の間。

早速、冒頭の続きを!
と筆を走らせよう、としたものの…。

 オレって
やっぱり、小人!?

何となれば、上記の【君子上達小人下達】の
意味中には、「小人は利欲に迷う」と。

 もし、冒頭のMさんの言葉が
事実であるならば、

私は、「徳に従う」のではなくて、
「利欲に迷う」行為をしようと
していたことになる。

たとえ、「すまじきものは宮仕え」といえども、
利益のキャッチボールは、
「徳に従う」行為とは、ほど遠い。

 しかし、モノは
言いよう・考えよう。

当時のオーナー社長の口癖が
以下の通り。

「会社をツブしたら
大変なことになるけんの。

社員が路頭に迷うことになるぞっ。」
とおっしゃった後で、

かつて、自らが務めていた企業が倒産した
ときの体験と、自らの責任の重さについては
語るものの、

自らの憂え、すなわち全財産が喪失するという
気がかり・心配については、一切、言及せず、
次のように続ける。

「だからな、たとえ、わずかの剰余金であっても、
内部留保に回して、溜め込んでおかにゃあ。

何も、全部、税金にもっていくことは
無いんやけんのっ。

脱税は罪になるけど、
節税はみんなが幸せになるための
1つの原資、知恵よっ。」

と、おっしゃる話を聞いたこの時あたりから、
私はその先棒を担ぐことになったようで…。

 ならば、当時の私は
幸せづくりの謀臣!?

言葉を換えれば、私は社員の幸せへの
「道みちを謀はかりて食しょくを謀はからず」の
謀臣・社員に!

ホントに?

 では、あなたにお伺いします。

あなたは、食、すなわち生活のことも考えず、
どんな道を選んで、ここまで、ひた走ってきた
のでしょうか?

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