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2017年8月13日 (日)

「謂(い)う」解説ページ

Dsc01904 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、つい、先日のこと。

初対面のFさんが、
私に尋ねる。

「いくつですか?」と。

で、私は次のように
答える。
  

「あと1か月と5日で、
1になります」。

私の答えを聞いたFさんは、
次のようにおっしゃる。

「70ですかぁー。
若いですねぇー。

いいですねっ。
羨ましい!」と。

く(このように)おっしゃる
Fさんの年齢はといえば!

という話の続きは
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章、
公冶長こうやちょう第五 第1章を篤とくと、ご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

公冶長こうやちょうを謂わく、
あわす可き也なり
縲絏るいせつの中うちに在りと雖いえども、
の罪つみに非あらざる也なりと。
の子を以って之れに妻あわす。

 次に、現代訳を。

孔子が弟子の公冶長を評して次のように言った。
「娘を嫁にやるべきだ。
牢獄につながれている身であるとはいえ、
(公冶長は)無実だ!」と孔子は言って、
自分の娘を公冶長に嫁がせた。

 続いて、吉川博士の解説を。

・公冶長、公冶こうやが性であり、
ちょうが名であって、弟子の一人である。

・妻の字は、めあわすと訓じ、動詞によむ。
娘を妻としてやること。

・また謂の字は、評価、批評の意味を
含んでいる。

・孔子は公冶長を、娘をやっていい人間だ
と評価した。

そうして、縲絏るいせつの中に在りとは、
罪人として黒い縄でしばられていること
であるが、

罪人となっていた公冶長を、その罪に
非ず、むじつの罪だとみとめたばかりか、

自分の娘のむこにしてよい人間だ
と考えて、娘をやったというのである。

・公冶長がどういう罪の嫌疑を受けていた
かはわからないが、

それをあえて婿にしたのは、
やはり思い切った行動であるように
思われる。

孔子が、自分の信ずるところには、
あくまでも勇敢である態度の、
一つのあらわれであろう。

<以下割愛>

 んっ、
吉川博士は
以下のようにおっしゃる。

・公冶長、公冶こうやが性で、長ちょうが名。

・妻の字は、
めあわすと訓じ、娘を妻としてやること。

・謂の字は、
評価、批評の意味を含んでいる。

・縲絏るいせつの中に在りとは、
罪人として黒い縄でしばられていること。

 じゃあ、『角川新字源』にはどのように?
と、検索してみた結果は、以下の通り。

・【公冶長】こうやちょう ①春秋時代の斉の人。
孔子の門人。字は子長。
鳥のことばを解したという。

②「論語」の編名。

・【サイ/つま 意味一.つま。夫の配偶者。
意味二.めあわせる(めあはす)。よめにやる。

・【謂】イ 意味①いう→付・同訓意義。

で、同書(『角川新字源』)の巻末にある
付録の同訓意義を見た結果は以下の通り)。

い 評価して言う。またことばや事物の意味することを述べて言う。
また、直接相手に告げて言う。

次に、「縲絏るいせつ」の【】を検索してみれば、
】を見よと。

で、【】を見た結果は、以下の通り。

・【】[なりたち]なお、縲は、特に、罪人をしばる黒いなわの意に用いる。

・【累絏】【累紲】るいせつ 罪人をしばるなわ。牢獄につながれること。

 ちなみに、「言う」とは、
付録の同訓意義を見れば、次のような記載が。

【言】げん 語り合う意ではなく、自分が言い出す。また、ことばで言い表わす。
ものを言う。

 蛇足ついでに、『広辞苑』にて
「るいせつ」を検索してみた結果は以下の通り。

るいせつ【縲絏・縲紲】(「縲」は黒縄、「絏」「紲」はつなぐ意)縄目にかかること。縛られて獄に入ること。

 あれっ、
『広辞苑』でも、またPCでも、
「縲絏」になっているのに…。

どうして、『角川新字源』には、
「累絏」「累紲」となっているの?

と、思いはしたが…。

私にはその意味や意図・用法が
理解できず、グリコ!

すなわち「お手上げ」。

 さて、私を「若い」と謂った
Fさんの年齢はと言えば、
73歳。

すなわち、私とは2つ違い。

 では、なぜ、初対面のFさんが
私を「若い」と評したのか!?

残念ながら、私はFさんに対して、
「どうして、私を若いとおっしゃったのです?」

と言い、Fさんが私を「若い」と謂った(評した)時の
Fさんの気持ちや意図・意味を私は尋ねなかった。

もし、あの時、私がそのように尋ねていれば、
Fさんからは以下のような答えが返ってきたかも?

・私(筆者)が若そうな恰好(服装や素振り)をしていた。

・私(筆者)が年齢に似合わず、
矍鑠かくしゃくと(元気そうに)していた。

・自分(Fさん)の方が、「若い」と想像していたのに…。
実際は相手(筆者)の方が「若かった」!

で、「裏切られた」「見誤った」というショックや
自戒の意味を込めて、思わず、Fさんは
私(筆者)を「若い」と謂ってしまった。

・人間、70(歳)を過ぎれば、
年齢が1つ異なると大違い!
 
すなわち、70歳を過ぎれば、
「急速に老化が進む」!

ということをFさんは言いたかった。

・そう思った(感じた)だけで、
別に深い意味や意図はない。

これらの答えやその他の回答が
Fさんから返ってきたかもしれない…。

 「相手のことは、直接、相手に
聞いみなけれゃ解らない」と言うけれど、

相手に聞いても
分からないこともある。

で、いま、ここで、私が考えるに、
Fさんの答えは、多分、一番最後。

すなわち、「そう思った。」
だけだったのかも?

ちなみに、Fさんは、
私を「若い」とは謂ったものの、

「妻あわす可き也なり
とは、おっしゃらなかった!

などという文言は、
余計な一言(汗;)。

 では、あなたにお伺いします。

初対面の人に、「若い」と謂われ(評価され)たら、
あなたはどんな気持ちになります?

  <<< 「謂う」解説ページ 附録 >>>

 さて、引用が長くなるので(と思い)、
吉川博士の解説を「以下割愛」とはしたものの…。

角川新字源』には、
次の一行が記載されていた。

公冶長は鳥のことばを解したという

 で、私は「折角、はしょったのに…」と思いながら、
割愛した吉川博士の解説の一部を付録として、
以下に転載する決意を。

公冶長は、鳥の言葉をきき分けるという
特殊な才能を持っていたため、

ある殺人事件がおこったとき、
鳥どもの言葉から、屍体のありかを知り、

そのため殺人犯の嫌疑を受けたという
話が、

いつごろ発生したかは分からないが、
皇侃の「論語義疏」に載っている。

 う~ん、
その真偽のほどはさておき、

公冶長は「鳥の言葉をきき分ける特殊な才能」を
有していたというけれど、

私には、「鳥のことばを解する」という
特殊な才能や能力は、もちろん、

「人の心の中を読み取る」という
能力や才能もナッシング。

すなわち、特殊な才能を
私は何も有していない。

それ故にか?

私は70年間もの長きにわたって
「縲絏るいせつの中うちに在る」、

すなわち「罪人として黒い縄で縛られる」こともなく、
また、「牢獄につながれること」もなかった。

これを世間では(一般的には)、
「お陰で、大過なく過ごせた」
というのかも…。

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