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2017年10月22日 (日)

「不忍(しのばず)」解説ページ

Dsc02081 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、1Wばかりも前の話。

ライバルのNさんに
コテンパンにやっつけられた。

それも、インコース&アウトコースの、
共に、最終ホールにて!

それまでは、私の方が少し、リードしていて、

「今日もワシの勝か。」
と、高をくくっていたのに…。

 その敗因は!

という続きは
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選4 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章、
衛霊公えいれいこう第十五の第27章を篤とくと、ご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
巧言こうげんは徳とくを乱みだる、
しょうを忍しのばざれば、
すなわち大謀たいぼうを乱みだる。

 次に、現代訳を。

孔子が言った(先生がおっしゃいました)。
「口先上手は人の道(道徳)を乱す。
小さいものごとを辛抱して我慢できなければ、
大事(大謀)を治める(うまく処理して成し遂げる)
ことはできない」と。

 続いて、吉川博士の解説を。

・特別に訓詁を加えなくともよいであろう。

・「巧言」は、学而第一の、「子曰わく、
巧言令色、鮮すくなし矣仁」の巧言である。

・日本の写本には「則」の字がなく、
小不忍、乱大謀、となっているものがある。

・「徳」と「謀」とは、
古代では、近い音尾であり、
そこで脚韻がふまれているかも知れない。

 あれっ、
吉川博士は、この一章については、

「訓詁くんこ」、すなわち「字句の意味の解釈」は
不要(「なくともよいであろう」)と…。

 じゃあ、岩波文庫の『論語』(金谷 治訳注)には、
どのように? と見てみれば、次のような現代訳が。

ことば上手は徳を害する。
小さいことにがまんしないと
大計画を害する。

 んっ、
「乱=害」?

「害」には、「そこなう」という
意味があることは承知していたが…。

では、『角川新字源』にはどのように?

と、「乱」と「害」との両方を検索してみれば、
共に、「巻末の『同訓意義』を見よ」と。

で、見た結果は以下の通り。

みだれる(みだる) みだす

【乱(亂)】らん 「治」の対。秩序がみだれる。
ひろく用いる。〔老子〕「国家昏乱有忠臣

そこなう(そこなふ)

【害】がい 「利」の対。およそ、さまたげになり、災いになること。
〔柳宗元・種樹郭橐駝伝〕「雖之。其実害之」

 う~ん、
浅薄非才の吾身にとっては、
どうしても、「乱=害」とは思えず、

金谷博士は、「乱」を「利益にならない」と
訳しておられるように、私には思えてしょうがない。

 で、『論語新釈』(宇野哲人 講談社学術文庫)には、
どのように? と見てみれば以下のような[通釈]が。

巧言は是を非とし、非を是とし、
人をして信じ守る所を失わせる。
徳を乱るものである。

小さい事を忍ばないで、
姑息の愛にひかれたり
血気の勇をふるったりすれば、
大事を成し遂げることはできない。
これは大謀を乱るものである。

 上記の[通釈]を見る限りにおいては、
「巧言」と「徳」、及び「小事」と「大謀」に
ついての因果関係を記しているように
私には思われる。

で、私はこれら2つの因果関係を
以下のように解釈してみた。

・巧言は、徳を失わせる(=秩序を乱す)。

・小不忍(小を忍ばざれば)、
大事を成し遂げる(=大謀を治める)ことができない。

 あれっ
ということは…?

以下の一節の焼き直しかな?
と私は考えてみたが…。

小利を見る無かれ。
小利を見れば、則すなわち大事成らず。詳しくはこちら「大事」解説ページ)

 ちなみに、タイトルの「不忍」を
角川新字源』にて検索した結果は以下の通り。

【不忍】しのばず ①しんぼうができない。
〔論・衛霊公〕「巧言乱徳、小不
則乱大謀

②他人の不幸を見て平気でいられない。
同情心がある。
〔孟・公孫丑〕「人皆有人之心

 んっ!
冒頭のTさんは、
つい、1週間ばかり前には、「不忍」、すなわち
私の下手さ加減を見て、「しんぼうができなかった」!

で、私のミスショットを後方から見ていた
Nさんは、「笑いを堪えることが出来ず」に、
ほくそ笑んでいた?

それとも、私の「不幸を見て平気でいられなかった」?
すなわち、私の「不幸を見て」、明日(次)は我が身と
考えれば、Nさんは「平気でいられなかった」?

 そういえば、どこかの誰かは、
「他人の不幸は蜜の味」と言っていたし…。

同伴者のAさんは、
私の当日のラウンド結果を評して、

「まだ、まだ、やなぁー。」と
勝ち誇ったように言っていたけど…。

 ひょっとして、Nさんの心の内にも、
そのような思いや、次のような一言(思い)が?

「つい、3日前には、Nさん(筆者)は、
『出だしの10番パー4で、9打も叩いたけど、
運よくゴルファの仲間入りを果たした(90を切った)。』

と言っていたけど…。
大したことないやないか!

それに、3日前は、9番の最終ロングホールにて、
パーをとれば、『89(90切り)やっ!』と、

自分にプレッシャーをかけて、
その夢を実現した!

とNさん(筆者)は言い、
さも、『わしはプレッシャーに強いんよ』と
言いたげやったけど、本当かいな?」
などと…。

 いや、いや、徳の人、Nさんに限っては、
そのような不心得や不道徳な思い・考えなど
一切、皆無!

「Nさん(筆者)、今日は調子悪そうやなぁー。
気の毒になぁ。

今日のNさん(筆者)は、
自分自身にプレッシャーをかけ過ぎ。

『不細工なゴルフは、もう、できん!』とか、
『もう、ハーフで、50は叩かんぞ!』
などという思いが、強すぎたのでは?

それに、Nさん(筆者)は、
『トレーニングに行って、頑張り過ぎた』とかで、
手足や腰・膝・肩などの関節が痛そうやったし…。
お気の毒になぁー。」

などという思い、すなわち「同情心」で
Nさんは、私のプレーを見ていたのかも…。

 さて、冒頭の私(筆者)の敗因について、密かに、
その胸の内を、Nさんに語って(開示して)
いただいた(私が勝手に想像した)ものの…。

「徳」の人、Nさんならば、
きっと、次のようにおっしゃる(ハズ)!

「そんなこと、何も思うてまへんで。
私は自分のことで精一杯でしたから!」

と、笑いながら、
サラリと言ってくれる(ことであろう)!

 では、あなたにお伺いします。

あなたはどんなことに、我慢ができず(不忍)、
調子を乱す(落とす)ことがおありでしょうか?

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