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2018年3月25日 (日)

「仁者(じんしゃ)」解説ページ

Dsc02496 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、過ぎし日のこと。

ライバルのNさんが、
私に次のようなことを。

「Aさんは『いい人』ですね」。

で、私は尋ねる。

「Nさんのおっしゃる『いい人』とは、
どんな人です」?

すると、Nさんは!
という話は、後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる、以下の一章、
里仁りじん第4の第3章を篤とくと、ご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

わく、
だ仁者じんしゃのみ、
く人ひとを好このみ、
く人ひとを悪にくむ。

 次に、現代訳を。

先生(孔子)がおっしゃいました。
「あわれみ深い人だけが、
人を好むことが出来るし、
人を憎むことも出来る」と。

 続いて、吉川博士の解説を。

・仁者、すなわち人間に対する愛情をもつ
もの、それのみが、本当に人を好むことも
できれば、人を悪にくむこともできる。

・君子も亦た悪にくむもの有るか、という
陽貨篇の子貢の問いに対し、

孔子は、人の悪を称する者を悪にくむ、
下流に居て上を訕そしる者を悪にくむ、

勇にして礼無き者を悪にくむ、
果敢にして窒ふさがる者を悪にくむ、
と答えている(詳しくはこちら 「下流」解説ページ)。

 んっ、
「仁者」とは、

「人間に対する愛情をもつもの」
と、吉川博士は訳しておられる。

そして「惟だ」については、
「(それ)のみが」と。

また、「能く」とは、
「ほんとうに…できる。」

と、訳しておられるように
私には思える。

 じゃあ、『角川新字源』には
どのように?

と、これら3つの語句を検索してみた
結果は以下の通り。

・【仁者】じんしゃ 仁の徳を備えた人。
 あわれみ深い人。同義語:仁人

・【惟】い ③ただ。唯の①(ただ…だけ)と
 同じ。

・【能】のう ①よく。できる。能力がある。

 う~ん、
「惟」と「能」については
ほぼ一緒、と私には思えるのであるが…。

ただ、「仁者」については
「愛情をもつもの」と、

「あわれみ深い人」という
字句の違いが…。

「愛情=あわれみ深い」かな?

と、私は思い、以下の2冊の参考書(市販本)を
開いて見れば、次のような、異なる文言が。

・『論語』 金谷 治訳注 岩波文庫

ただ「仁の人」だけが、
〔私心がないから、本当に〕
人を愛することができ、
人を憎むこともできる。」

・『論語新釈』 宇野哲人 講談社学術文庫

[通釈] 独ひとり「仁者じんしゃ」は
 心が公平であるから、
 能く好むべき人を好み、
 悪にくむべき人を悪むのである。

[語釈] 〇惟ただ=「ただ」「ひとり」の意。

 〇能く=好このみ悪にくみが
 道理にあたるから「能く」という。

[解説] 仁者じんしゃの心は一点も
 私情がないから、好このみ悪にくみが
 道理に当るのである。

 う~ん、
これら2冊の市販本を見る限りにおいては、

「仁者」とは、「私心」や「私情」のない人、
と私には思えるのであるが…。

だとすれば、「仁者」のストライクゾーンが
かなり広くなるけど…。

などという七面倒くさいことは、
ひとまず、横に置き、冒頭の続きを。

 「いい人とは、どんな人?」という
私の問いに対するNさんの答えは

「……」。
すなわち、無言であった。

で、その理由を
私なりに推察してすれば、
以下のようになる。

・おまえ、Aさんと何年付き合いよる?
わしは1日付き合うただけで、
Aさんは「いい人」と、感じた(思った)けど。

・また、「いい人」とは、どんな意味かは、
人に聞かず、自分で調べてみたら?

例えば、おまえが大好きな『角川新字源』の
「同訓意義」を見れば、解るんと違う?

かようにおっしゃる(かのような)Nさんの
無言の圧力に屈した私は、

早速、『角川新字源』を開いてみることに。

すると、そこには次のような、
よい(よし)」の漢字がぁー…。

「嘉」「佳か・かい」「吉きつ・きち」「好こう」「克こく
「善ぜん」「能のう」「美」「良りょう」「令れい

これら全ての意味を転載したいのは山々なれど、
今回は以下の5つの「よい(よし)」のみを。

・【佳】か・かい 「嘉」と同意だが、
 「嘉」に善・楽の意があるのに対し、

 「佳」は美・好の意があり、
 「佳辰かしん」「嘉辰かしん」は通じて用いるが、
 「佳景」「佳人」などは、「嘉」を使わない。

・【好】こう みめよい。しっくり似合ってよい

・【善】ぜん 「悪」の対としての善。
 りっぱ。みごと。また、仲がよい。じょうず。

・【能】のう 「よく」「よくす」と読む。
 能力があること。

・【良】りょう 「賢良」「良馬」は、
 よくすぐれている意。

 「温良」「良能」などは、
 すなお・おとなしいの意がある。

 う~ん、
困ったぁ~。

Aさんがおっしゃる「いい人」とは、
「佳人」「好人」「善人」「能人」「良人」、
それとも…。

「仁者」の概念通り、
こちらのストライクゾーンも広そう。

 ん?
まさか!

どうでも「いい人」であったり、
自分にとって都合の「いい人」
なんてことは…。

いや、いや、「善・悪」、「良し・悪し」を
一目で見極めることの出来る人、

すなわち、「仁者」のAさんに限って!!!

 では、あなたにお伺いします。

あなたが思う「いい人」とは、どんな人?

すなわち、どのような資質を備えていれば、
「いい人」なのでしょう。

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