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2018年9月16日 (日)

「必使反之、(かならずこれをかえさしめて)而後和之(しかるのちこれにわす)」解説ページ

Dsc02941 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、過ぎし日のこと、
愚妻は帰宅するなり、
私に次のようなことを。

「今日、ジムで握力の体力測定があって、
60(歳)台以上の中で、私が一番やったんよぉー。

ほんで、○○(企業名)の商品券を
3千円分もろうたんよっ。」と言い、
上機嫌。

この話を聞いた私は
次のように返す。

「ほうか!
それは良かったのぉ~。

今日、□□(ジム名)で握力測定があって、
おまえが一番やったんか!

ほんで、○○(企業名)の商品券を
3千円分も、もろうたんか。
よかったのぉ―」と。

すると、愚妻は上機嫌のまま
次のように。

「そうよっ。
私が一番やったんよぉ~。
みんな案外、握力が弱いんやねぇー。」

と言いながら、顔をほころばせる。

 果たして、愚妻は!

という話は
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる以下の一章、
述而じゅつじ第七 第31章を篤とくと、ご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

、人ひとと歌うたいて善ければ、
かならず之れを返かえさしめて、
しかる後のちに之れに和す。

 次に、現代訳を。

孔子は人と一緒に歌って善いところがあれば、
必ず、その歌を繰り返させて、
その後に、自らも歌い合唱した。

 続いて、吉川博士の解説を。

・音楽を尊重した孔子は、
唱歌の会を開くこともあった。

そうして、すぐれた歌と思うものが
あった場合には、

いつもきっとそれをもう一度うたわせ、
そのあとで、自分も、それと合唱した。

・もう一度うたわせたのは、
それに対する賞讃を、
たしかめるとともに、

やがて自分も、その美しさに参加して、
合唱するための準備を、ととのえようと
してであったと思われる。

・小さな生活の記録であるけれども、
孔子の人柄を象徴する章である。

 んっ、
吉川博士は、
「必かならず之れを返えさしめて」とは、

「それに対する賞讃を、たしかめるとともに、
合唱するための準備を、ととのえようとして
であったと思われる」とおっしゃる。

えっ、「反」には、
そのような奥深さが?

と思い、早速、
角川新字源』を見てみれば…。

【反】ハン 
意味①かえす
 ア.うらがえす、くつがえす。
 イ.くりかえす。〔論・述而〕「必使之」

<以下割愛>

 う~ん、
残念!

この辞書では、「反」には、
「くりかえす」という意味と、
当該一章の中の、一条のみが。

 そこで、困った時の
『論語新釈』頼み。

つまり、宇野哲人博士はどのように?

と、『論語新釈』を開いて見れば、
以下のような「語釈」と「解説」が。

語釈] 反はんす=今一度
ひとりで歌わせること。

〇和す=その声や調子によって
自ら歌うのである

解説」 必ず今一度繰くり返かえさせる
のは、これを詳つまびらかに知って
その善いところを取ろうとするのである。

その後にこれを和するのは、
つまびらかに知り得て

そのよいところを与ともにするのを
喜ぶのである。(朱子しゅしの説)

 う~ん
私には、宇野博士の解説と吉川博士の解説の
前半部分のみは、一致するように思われる。

でも、後半部分は、吉川博士の考えすぎかな?
と浅学菲才の身(私)には、思わざるを得ない…。

ちなみに、冒頭部分の
私の繰り返し(オウム返し)は、

・次に、何を言おうか?
 
・どのように言えば、愚妻は喜ぶのか?

・愚妻と喜びを共有するためには
どんな言葉が相応しいのか?

などと、次に言う言葉の準備を、
私は整えようとしてなどいない。

もし、私にそんな準備や下心があれば、
愚妻は敏感にそれを察知するであろうし、
愚妻の喜びも半減するであろう。

したがって、孔子ほどの人物が、
「合唱するための準備を、ととのえようとして」

とおっしゃる吉川博士の解説に対しては、
私は違和感を覚えざるを得ない。

 じゃあ、私が愚妻の言葉を繰り返した訳は!
といえば、概略次の通り。

・聞き間違えがないか?
その事実を確認する。

・確認してその喜びを与ともにする。
すなわち共有・共感する。

つまり、私が繰り返した訳は、
宇野博士(朱子)の説に限りなく近い。

 それはさておき、
愚妻は一番になったことが
嬉しかったのか?

それとも、3千円分の商品券をもらったことが
嬉しかったのであろうか…。

あるいは、その両方、
すなわち、どちらも!?

 では、あなたにお伺いします。

あなたが相手の言葉を繰り返すのは、
どんな理由や準備、あるいは下心があるから
なのでしょうか?

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