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2019年3月 9日 (土)

「問人(ひとをとう)」解説ページ

1307025 画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、16年程も昔(前)の話。

月曜日の朝一番、といっても
始業開始から30分ほど経ったころ、

「M社長から1番に電話です。」
という内線電話が。

早速、私は1番のボタンを押して、
次のように答える。

「おまたせしました。
N(筆者の名前)です」。

すると、相手(M社長)は以下のように。

「M(相手、M社長のお名前)やけどな、
今、S(某デパート名)の工事をしよるんよ。

そんで、キュービクル(受配電設備)の
撤去したんがあるんやけど要らんか?

要るなら引き取りに来いや。」
と、おっしゃる。

で、私は即、次のように答えた。

「ありがとうございます。
早速、配送の者の都合を確認して
引き取りに行かせます」と。

ところが!

という話の続きは
後段のお楽しみ。

 先ずは、『論語』 吉川幸次郎(著) 中国古典選3 
朝日文庫からの引用を主に始まる以下の一章、
郷党きょうとう第十の第14章を篤とくと、ご覧あれ~。

 最初に、訓読(読下し文)を。

ひとを他邦たほうに問えば、
再拝
さいはいして之れを送おくる。

 次に、現代訳を。

使者を他国の友人の所へ出張させるときには、
2度、丁寧にお辞儀をしてから使者を送り出した。

 続いて、吉川博士の解説を。

・「人を他邦に問う」とは、
他国の友人のところへ、
使者を派遣することである。

使者は自分より目下の者であったろうが、
その出発の際には、必ず二度お辞儀をして、
それを見送った。

使者に対する敬意ではなく、
はるかなる友人に対しての敬意であった。

・「拝」とは、地に跪いてする鄭重なお辞儀、
「再拝」といえば、それを二度するのである。

・また「問」とは言葉を伝えるだけでなく、
必ず手土産をもってゆかせる、
それが「問」であると、清儒は注意する。

 んっ、
吉川博士は、「再拝」とは、

「地に跪ひざまずいて二度お辞儀すること」
だと、おっしゃる。

じゃあ、『角川新字源』にはどのように?
と検索してみた結果は、以下の通り。

【再拝(拜】】さいはい ①二度おじぎをする。
ていねいに礼拝する。
②手紙の末尾にしるし、敬意を表わすことば。

あれっ、
この辞書には、「ていねいに」という語句と、

「二度おじぎをする」という意味はあっても、
「地に跪ひざまずいて」という文言は見当たらない。

 ならば、「拝」とは?
と、同書(『角川新字源』)にて検索してみれば、

はい/おがむ
意味①おがむ。おじぎをする。
ア.上体を曲げ、首をたれて敬意を表わす。
イ.神仏の前にぬかずく。「参拝」

意味②以降は割愛。

 んんっ、
「ぬかずく」とは?

早速、『広辞苑』にて
検索してみた結果は以下の通り。

ぬかずく【額衝く・叩頭く】(額ぬかを突く意)ひたいを
地につけて、拝礼する。丁寧にお辞儀をする。

 おぉ~、
これでやっと、

「拝」とは、「地に跪ひざまずいてする鄭重なお辞儀」
だと、おっしゃる吉川博士の解説と合致?

でも、『角川新字源』には、
「神仏の前にぬかずく」と。

ならば、「他邦の人」とは、
「友人」ではなくて、「神仏」?

 う~ん、
迷った(困った)時の、
宇野博士頼み。

早速、講談社学術文庫の『論語新釈』を開いて
見た結果は以下の通り。

通釈] 使者をやって他邦にいる人を
見舞わせる時は、再拝してこれを送って、
親しくその見るような敬意を払う。

語釈] 〇人=孔子の交際している人。

〇再拝=使者を再拝するのはその人を
拝する所以
ゆえんである。

あれっ、
「人」とは、「使者」のことではなくて、
「他国の友人のこと」!

 じゃあ、
岩波文庫の『論語』には
どのような記述が?

と同書を開いて見た結果、
以下のような現代訳と*(注釈)が。

他国の友人をたずねさせるときは、
その使者を再拝してから送り出す。

*拝は、両手を胸の前で組んで
そこまで頭を下げる敬礼。
友人への敬意である。

おぉ~、
どの教科書(3冊の文庫本)を見ても、
「人」=「友人」にて、OK!

But、「再拝」の「拝」については、
三者三様の解釈が。

 また、「問う」とは、「たずねる」、
それとも「見舞う」意味?

と思い、『角川新字源』にて、「とう」の
「同訓異義」を見た結果は次の通り?

【問】もん 問う意にひろく用いる。
たずね問う。尋問。
おとずれる。訪問。
見舞う。弔
死問

おぉ~、
なるほど!

「問う」とは、「訪問」でも、
「見舞う」でもOK!

ちなみに、「問人」については、
論語新釈』の読み下し文を見れば、

「人を他邦に問はしむれば」
と、なっている。

しかし、漢文表記を見たところ、
いずれ(上記3冊)の文庫本にも、
使役の「使」の字は、見当たらない。

なんでかな?
何でだろう?
と頭を転がしていれば…。

 そうやっ!

「人を問う」のに、
私は使者(配送の者)を送り出すとき、

「再拝して之(使者)を送らなかった」し、
また「手土産」も持たせなかった!

で、その代償が、
数時間後に!

 冒頭のM社長から、以下のような、
ご叱責、というか、怒りの電話が。

「わしが電話しとるというのに、
使いの者を遣よこしやがってっ。
何で、お前が来んのやっ!」と。

 では、あなたにお伺いします。

「問人」、すなわち「人を問う」のに、
使者を派遣したが故に、後悔した経験、
あなたはありません?

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