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2023年11月12日 (日)

知言(ちげん)

1303043_20231112112001  画像は秋田の友人からの
プレゼントです。

 さて、今を去ること
40数年程も前の、昔の話。

私が、組立配線作業を終えた製品の、
自主検査をしていたときのこと。

動作する筈の製品が、正常に動かない。

さては、誤配線or無線(配線漏れ)かな?
と思い、各部品の配線・接続をチェックするが、
異常は確認できない。

次に、図面(接続図)の間違いかな?
と思い、回路を順に追っていくが、
接続図面も間違い無い。

はて、さて、どうしたかものか?
と、考えあぐねた末に、たどり着いたのが、
某大手メーカーP社の機器不良に違いない!
という確信に。

 早速、代理店の担当者に電話を!
と、歩き始めた矢先に、ばったり、当該担当者が現れた。

で、私は彼に、検査の過程と経緯を説明した後、
次のように。

「原因は、この○○リレーの不良しか考えられない!
今から、裏ブタを剥がして、中の配線をチェックするから
立ち会って欲しい。」と告げた。

すると、当該担当者は、次のようなことを。

「メーカーの製品に手を加えると、返品が出来なくなりますし、
苦情を申し込んでも、相手にしてくれなくなりますので、

メーカーに直接送り返して、調査報告書を要求しますので、
この(現状の)ままの状態で、預からせてください。」と言う。

「ほら、来た!
メーカーに手懐てなずけられた代理店の言い訳が !!!」
と、思った私は、次のように。

「いかん。駄目や!
今までにも何度か、そのように聞いて、
そのまま持って帰ってもらったけど、
こちらが納得のいく答え、報告書を見たことがない。

アンタが、ええ所に来たので、今から裏ブタを剥がすけん、
見とってや。」と私は言い、当該製品の裏ブタを開けた。

開けて、びっくり !!!

本来、半田付けをする端子に、半田付けをした痕跡もなく、
勿論、配線も施されていない。

これには、当該代理店の営業担当者も、
私も、一瞬、開いた口が塞がらなかった。

 その翌日、代理店の担当者が、
P社支店の営業課長Kさんを伴い、私を訪ねてきた。

K課長は、まず、お詫びの言葉を一通り述べた後、
私の怒りが収まった頃合いを見て、
次のようなこと(開き直り?)を。

「○○リレー(不良品)は、自社で製造していないこと位、
既に、ご存知でしょう?」と、苦笑交じりに言う。

「そう、やっぱり。」
と、私は応えた後、次のように。

「受入検査も、全数検査ではなく、抜き取り検査?」
と、尋ねた。

すると、K課長は、「はい、おっしゃる通り、抜き取りです。」
と、観念したかのように答える、というか、答える他なかった。

その答えを聞いた私は、次のような追い打ちを。

「(不良品が)うち(当社)で、出た(発見された)位やから、
他所でもある筈やけどなぁ…(と、聞こえるように独り言をいった後)、

この製品についての不具合や不良品が、
過去に何件ぐらい、出ています?」と尋ねた。

すると、彼は、「いや、今回が、初めてです。」
と、おっしゃる。

で、私は、「そう。じゃあ、帰りに、宝くじを買って帰ろうか。」
と答えた後、次のような思い・考えが、私の頭の中を過った。

「そうか。そんな言い訳があったのか!?
彼、K課長は、『私が本当のことを知りたい』」という
思いや気持ち、その私の本心を、既に、察知しており、
それなりの受け答えをした!?」と、
内心、感心? しながら、次のように続ける。

「そうですね。
この製品は、O社の独擅場どくせんじょうですから、
あまり不良品も出ないかも知れませんねっ。」
と、笑いながら余計な一言を。

 以来、私はメーカーの製品なら大丈夫 !!!
という固定観念を取り払い、
疑いの眼を向けるきっかけになった1つの事例であったが、
同時に、私の心を鷲摑みにしたK課長の言葉・対応でもあった…。

 では、あなたに、お伺いします。

あなたが、観察眼を磨くきっかけになったのは、
誰のどんな言葉や事例でした?

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