知方(ちほう)
さて、(手元のカレンダー上では)先週の事。
不慮の事故で亡くなった実弟の遺体を引き取りに、
長兄と、その娘との3人で、所轄の警察署に出向いた。
その後、葬儀屋に遺体を引き渡し、
生前、彼(実弟)が住んでいた団地に向かった。
玄関を開けて、びっくり!
部屋中、散らかし放しで、生活感がない。
「内縁の妻と、暮らしている」と、
私は聞いていたのに…。
とりあえず、その日は、3人で遺品を整理して、
翌日、斎場(火葬場)に向かった。
そこで、「(実弟と)結婚します!」と言って、
実弟と2人で、私の田舎(故郷)を後にしたという
女性と会って、経緯を聞いた。
すると、我々身内が聞いていた話とは、大違い。
件の女性は、「結婚するといった記憶が無い」と言い、
「私には、主人と息子もいる」と、のたまう。
警察は「解剖した結果、事件性は無い」と言っていたが、
私は彼女の話や、その友人(と称する人達)の話を聞いて、
当初、「実弟が自ら命を絶った?」と考えていた思惑が、
「騙された挙句の果てに、実弟は殺されたのでは?」と
いう思い・疑心暗鬼に変わっていった。
その後、私達3人は実弟の骨壺を抱いて、
生前、実弟が住んでいた団地を再び訪れ、野暮用を済ませた後、
その部屋で遺品整理業社の代表者と待ち合わせをした。
そして遺品の処分と、生前、弟が住んでいた部屋の原状復元を
依頼して、帰路に就いた。
その道中で、かつて長距離トラックの運転手をしていた長兄が、
以下のような話(エピソード)を。
「○○(実弟名)が、車でワシの後を追いかけて来て、
『ピィー、ピィー』と、クラクションを鳴らすんで、
見たら○○(実弟名)よ。
わしが、『どこかで、お茶でも?』と聞いたら、
「朝寝坊して遅れたんで、急いどるんよ。」と言うて、
先に行ったんやけど、あれが○○(実弟名)との
最後の言葉になったわい。
あの時、○○(実弟名)は、ええ会社の社名が入った
トラックに乗とったけん、『ええー会社に入っとい。』と
思うたんやけど、どこで、道を間違えたんやろうのぉ…」と。
この話を聞いた私の頭の中には、
次のような思い・考えが、片隅を過った。
かつて、私が、愚息に向かって、
『どこで(道を)間違うたんやろうかのぉ―』と言った時、
愚息は『間違うとらせん!』と、言い返していたが…。
○○(実弟名)の生きざま(結末)をかいま見て、
私は、愚息の将来を見たような思い・感情に支配された。
そして、この先(将来)、□□(愚息名)も、道を間違えて、
○○(実弟名)と同じ道を歩まならなければいいが…。」
という老婆心に変化していった…。
では、あなたに、お伺いします。
あなたがご存知の「方みち」とは、どんな道です?
<<< 「知方ちほう)」 附録 >>>
「知方ちほう」とは、何ぞや?
ある人、曰いわく、「中国語は、(読む)順序を逆にしたらいい」と。
その教えに従い、日本語に変換すれば、「方知」となる。
「知」は知識の知であり、認知の知で、「知る・認める」意(意味)。
じゃあ、「方」とは?
と、『角川新字源』を見れば、次のような意味が。
【方】ホウ/カタ 意味⑬みち(道)。道義。「義方」
すなわち、「方」とは、「正しい道」のことにて、
【知方】ちほう とは、「人の行なうべき道を知る。」ことだと
同字書には記載されているが、
吉川博士は、「知レ方みちをしる」とは、
「正しい人間の生きかたが、わかる」ことだと、
解釈しておられる。
はて、さて、正しい道とは、
一言でいえば、どんな道?
« 「知方(ちほう)」解説ページ | トップページ | 「莫春(ぼしゅん)」解説ページ »
この記事へのコメントは終了しました。
コメント